気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

素直な気持ち①

さよならクロールのMVとメイキングを見て想像で書いております



―――――――


某日、さよならクロールのMV撮影のため


選抜メンバーは沖縄に降り立った




「すごーい!ジンベイザメおっきー!」


珠理奈は巨大な水槽を見ながらきゃっきゃとはしゃいでいた


「ほんとだねー」


その隣で篠田も水槽を見上げる


「あ、麻里ちゃんエイもいるよー」


珠理奈は篠田にべったりとくっつきながら楽しそうにしている


そんな様子を


横目でじっと見つめる人物がいた



松井玲奈だった



(・・・また篠田さんと一緒にいる)



玲奈は心の中でもやもやした想いを抱いていた


「玲奈さん大きいですよねー」


「え、うん。そうだねー」


玲奈は急に話しかけられてハッとする


(そうだ、MVの撮影だったんだこれは・・・・ちゃんと仕事しなきゃいけないのに・・・ダメだなぁ私)


反省しながら水槽に目をやり


他のメンバーとはしゃぐ


しかし


気づけば珠理奈を目で追っていた





珠理奈と玲奈は付き合っていた




W松井として2人で一緒に多く仕事をしていく中で


自然と両想いになり


付き合うことになったのだ



だが、


最近SKEでも組閣があり


珠理奈と離れ離れになり


チームKの兼任もしている珠理奈は


東京と名古屋の往復が激しく


2人でいるということは激減していったのだった



AKBの選抜でも


珠理奈は玲奈以外の年上メンバーに甘えていた


もともと玲奈は甘えられることに慣れていないし


しかも


付き合ってから余計に人前でいちゃいちゃしようとする珠理奈を


「だめ。2人の時だけ。」


といって突き放していたのだ


恥ずかしいというのが一番の理由ではあったのだが


こうも他のメンバーといちゃいちゃしているのを見せつけられると


正直


やきもちを妬かない訳はなかった


しかし


あまり露骨にだすと


珠理奈が「やいてくれてるの?」


と、にこにこしながらきいてくるので


それもまた珠理奈の思惑どおりな気がして


あまのじゃくな玲奈は


気にしていない振りを続けていたのだ



自分の素直になれない気持ちと


珠理奈の態度に


(珠理奈のバカ・・・)


そう心で思うしか玲奈はできないでいた




――――――


MVは砂浜でペアの撮影に入る


その撮影でも玲奈はムスッとしていた


今回のコンセプトは姉妹なのだが


珠理奈のペアは篠田だった


しかも玲奈は珠理奈と篠田ペアの横で撮影をしなければいけなかったのだ


珠理奈は篠田に髪を乾かしてもらいながら


篠田に抱きつきじゃれていた


玲奈は歯磨きをしながら


その一部始終を見ていた


「あの・・・玲奈さん?」


「え?」


妹役の加藤玲奈が話しかけてきた


「・・・・一応ここ目を合わせなきゃいけないんですけどー・・・」


「へ?あ、ご、ごめんね」


玲奈は歯ブラシをくわえたままさっきから珠理奈の方ばかり見ていたことに気づき


顔を赤らめた


(しっかりしなきゃ・・・今は仕事中なんだから)


また自分に言い聞かせながら


撮影を続けた



休憩中に


玲奈は映像特典のカメラが


珠理奈と篠田を撮影しているのに気がついた


「ペットみたい」


「じゃあ首輪してよー」


「えー首輪?はい」


そういって篠田はタオルを珠理奈の首に巻いていた


楽しそうな2人を見ていられなくて


私は撮影場所から離れた海岸の方に一人歩き出した



今回の撮影は珠理奈と篠田さんはペアになってるから仕方ない・・・


仕方ないんだから・・・


そう言い聞かせながら


玲奈の瞳は潤んでいたのだった


片想いFinally 番外編 あとがき

番外編終わりました(^∇^)


途中からまりこじでしたが


いかがだったでしょうか?


まりこじは切ない感じが好きなんですよねー


ラブラブも好きですが


こじゆうよりもまりこじ派なのはそんなのもある気がします・・・


陽菜のことがすきな麻里子さまが好きです笑



指輪ですが・・・


同性カップルは中指に指輪をしてる人多いと思うんですよね


勝手な私の意見ですが・・・



そして2人きりのときには薬指に付け替えているはずだ( ´艸`)






次回からは新しい話を書いていきますので


また読んでいただけたら幸いです(^∇^)


片想いFinally 番外編⑧終

―――――――


珠理奈が保健室を出てから2人で付き合いだした頃を想い出していた



「なんか、なつかしいねー」



「あの頃は若かった・・・今や私はにゃろの保護者みたいになってるよね」


そういって篠田は笑った


「えー恋人って言ってよ―!そんないじわるなこというと珠理奈に指輪のこと言っちゃうんだから!」


「私は承知の上で1サイズ上にしたの。珠理奈とは違うの。」


「ふーん。そんなこと言って実は指輪買うの照れてたんでしょ!それでサイズ違っててもいいって思って買ったくせに~」


にやっと小嶋は笑う


「・・・な。///」


「ほら図星じゃん。珠理奈にいっちゃおーっと」


「・・・すいません。にゃろのことは恋人として今も大事に思ってます。」


「よろしい」


にこっと小嶋は笑って


篠田に抱きつく


「でもカップルがいっぱい居る中買うのはさすがの私でも恥ずかしかったんだから・・・まぁ今は指輪のことも含めていい思い出だけど・・・」


篠田はそう言って抱きしめかえす


「・・・・・・今も変わらず大好きだよ。陽菜。」


「・・・・・・うん」


久しぶりに陽菜と呼ばれて小嶋はドキドキした


流れでキスをしようとしたが


篠田の指が小嶋の唇を止める


「ま、続きは帰ってからということで」


篠田は笑って小嶋を離した


「えー」


「だめ、私も授業に行かなきゃいけないし」


そう言って立ち上がる




「あの2人もあぶなっかしいから、人生の先輩としてフォローしてやんなきゃね」


「そうだねー。でも、あの2人なら大丈夫だよ」


「ははっ。そうだな・・・なんとかなるか」



笑って篠田は小嶋に手を振り保健室を後にした



――――――――


次の授業は玲奈のクラスだった


「この前のテスト返すよ―」


そういって順番に名前を呼ぶ


「松井」


玲奈が篠田の前に来てテストを受け取る


そこで指輪をしていることに気づき


にこっと笑った


その意味を玲奈は理解して顔を赤らめながら


急いで席に戻って行った



そんな玲奈の反応を微笑ましく思った



テストが返ってきて騒ぐクラスメイトをよそに


玲奈はまだ顔を赤くして下を向いていた

(・・・・頑張れよ。)



片想いが終わったあとも苦しいことはあるけど、幸せなことも多いから・・・



篠田は小嶋と付き合ってきた今までの出来事を思い出しながら


玲奈の方をみて微笑んだ




「静かにー!じゃあ、授業始めるよー」


そういって黒板に向かいチョークを走らせるのだった



Fin






片想いFinally 番外編⑦

―――――――


「・・・ん」


もそもそと小嶋は目を覚ました


目の前には自分の手を握ったまま


ベッドに突っ伏して寝ている篠田の姿があった


(・・・・麻里ちゃん)


小嶋は篠田を見つめていた


(昨日、キスされて、告白されたんだよね私・・・)


いきなりのことだったが


不思議と嫌ではなかった


そして・・・熱だけではない体温の上昇を感じていた



男の人と遊んでも


ときめきとか、好きだとかわからなかった


たぶん、こんなものなんだろうだと思っていた


でも、昨日は


鈍感な自分でもわかるくらい


ドキドキした


篠田を見つめながら


今までの篠田との思い出を巡らせる


・・・・・・


気づけば篠田はいつも隣に居てくれた


・・・・・・・・・


篠田の笑顔と


昨日の頬を赤らめながら涙をにじませる顔が浮かんだ


・・・・・・・・


ずっと私のこと想ってくれてたんだ



きゅっと握っている手に力を込める



「・・・ん、あ、おはよー」


目をこすりながら篠田が目を覚ました


「おはよう」


「風邪、どう?」


「昨日より楽だよ」


「でも、病院は行かなきゃね。なんか作るわ」


そういって、篠田はベッドから離れる


(・・・・あ)


つながれていた手が離れ


小嶋はその手を見ながら寂しい気持ちを覚えた


しばらくゴロゴロとベッドの中で悶々としていたが




すっとベッドから起き上がり


篠田のいるキッチンに向かった


「あ、起きても平気なの?」


「うん」


篠田はコンロの前で調理していた


小嶋は篠田のほうに向いて歩く


「いま冷凍庫見たらうどんがあったからさーうどんで・・・いい・・・」


篠田は沸騰する鍋に目をやったまま動けなくなった



後ろから小嶋がギュッと抱きついてきたからだ



「は・・・るな?」


篠田は首を回し


後ろの小嶋の表情を見ようとした


「麻里ちゃん」


小嶋は抱きつきながら心臓の鼓動が高鳴っていくのがわかった


・・・そして、この想いに気づく


「・・・昨日のことなんだけど・・・」


「・・・・・うん」


「・・・私も好きだよ」


そういってさらに腕に力を込めた


「・・・・陽菜?本気でいってる?」


「うん。本気じゃなきゃこんなこと言わないよ。・・・・初めての告白なんだからね」


「・・・・っ」


篠田は小嶋の方に向きを変え


力強く抱きしめた


「・・・・陽菜。ありがとう・・・」


そう言って肩を震わせた


「ううん。私こそ。気づかせてくれてありがとう」



そして


唇を重ねた




沸騰し、ガラガラと言っている鍋の勢いに便乗するように


何度も


唇を求めあい


キスは激しさを増していた





「・・・はぁっ・・・まりちゃん」


小嶋の顔は赤らみ、目は潤んでいた


「・・・あ、ご、ごめんね。」


篠田はあわてて体を離す


小嶋は首を横に振った


「ううん・・・だって風邪貰ってくれるんでしょ?・・・だから」


小嶋はじっと篠田を見つめ


「もっと・・・貰ってほしいな・・・」


「・・・・っ!」


その瞬間


篠田の理性は吹き飛んだ


「後悔しても知らないんだから。全部貰ってあげる」


そういってガスコンロの火をすばやく消し


2人でベッドに向かったのだった



――――――――



その日から篠田と小嶋は付き合うことになった



そして、明日はクリスマスイブだ・・・


「プレゼント買わなきゃ・・・」


篠田はデパートに足を運んだ


5年近く片想いしてきてやっと実ったんだ


やっぱりここは・・・


そう思い


ジュエリーショップの前に来ていた


クリスマス前なので


カップルでにぎわっていた


篠田はそんなカップルを横目に指輪を物色する




長年友達として付き合ってきたが、さすがに指輪はあげたことがなかった



しかし、買い物の時に小嶋が試しにつけた指輪を自分も着けてみたことがあったので


サイズは大体似ているとわかっていた


うーん・・・


悩みながらも


シンプルなペアリングを見つける


細身のデザインで


女性側の方にはダイヤが埋め込まれていた


・・・これにしよう


「すいません」


そういって店員を呼びとめる



そう思い、女性側の指輪を試着する


「じゃあこれ下さい」


そういうと


店員は女性側の方だけを箱に入れようとした


「えっと・・・こっちの指輪も欲しいんですけど」


おずおずと篠田は店員に言う


「へ?あ、はい。」


店員は少し不思議そうな顔をした


「サイズわかりますか?」


「えーっと・・・さっきのと同じサイズあります?」


「すいません・・・男性用のはもうワンサイズ大きいのからしかなくて・・・」


「え、そうなんですか・・・もしかして他のペアも・・・?」


「そうですね、なにぶんクリスマス前ですし・・・男性用はそこまで細いのは・・・。」


篠田はあわてたが


クリスマスに間に合わせたい気持ちの方が勝った


少し大きくても自分が着ける分にはいいか


そう思い


「かまいません。それで」


と、そそくさと指輪を購入したのだった




――――――――――


「で・・・どうしてこうなるかなぁ・・・」


篠田は体温計を眺めながらつぶやいた


今日はクリスマスイブ


昼間はバイトだったが


夜は小嶋と会う約束をしていた


しかし


見事に風邪をひいた


「陽菜の風邪ホントにもらっちゃったなー・・・」


バイトに事情を説明し、薬をのんで横になった


そして小嶋にもメールをいれて


うとうとしながら眠りについた



・・・・・・・・・



しばらくして


携帯が鳴る音で目が覚めた


小嶋からだった


「もしもし?」


「あ、まりちゃん?大丈夫?もうすぐマンション着くから鍵開けといてねー」


「あ・・・うん」


小嶋は要件を伝えると早々に電話を切った


時刻は14時だった


結構寝たな・・・


そう思いながら


鍵を開け


小嶋が来るまで


またベッドに横になった



―――――


ガチャガチャと台所から音がする


「ん・・・」


篠田は目を覚まし、時計をやると18時だった


良く寝たのが功を奏したのか


熱も治まっているように感じた


「あ・・・また寝てた。・・・ってまさか・・・」


篠田はがばっと起き上がり


台所に向かった


「あ、麻里ちゃん大丈夫?」


調味料やらボウルやらでぐちゃぐちゃになったキッチンに小嶋が立っていた


間に合わなかった・・・


そう思い治っていた頭が重くなった


「風邪ひいたら卵酒っていうじゃない?なんか調味料だして・・・卵割って・・・あっおかゆもーって思ってたら・・・なんかよくわかんかくなっちゃった」


もじもじしながら篠田を見る


「・・・・ありがとう。でも無理して料理なんかしなくてよかったのに」


「だって・・・この前麻里ちゃん作ってくれたし・・・」


「陽菜が居ればいいよ」


クスッと笑って小嶋を抱きしめる


「・・・うん」


小嶋も篠田の腰に手を回す


その時



ジャアアァァァァ!



勢いよく鍋から吹きこぼれがおきた


「わー!」


篠田は急いで火を止め


小嶋を見た


「・・・えへ」


小嶋はぺろっと舌をだして笑った




―――


結局冷凍うどんを2人で食べ


ソファーにもたれてテレビを見ていた


「ごめんね麻里ちゃん」


「いや、いいよ。料理できないの知ってるし」


「風邪大丈夫?」


「薬飲んだし。今調子いいから大丈夫だと思うよ」



・・・・小嶋は篠田を見つめ


ぽすっと胸にもたれかかった


「今度は陽菜が貰ってあげようかとおもったのにー」


「いやいや、もともと陽菜の風邪だから」


「じゃあ、免疫ついてるから移んないね」


そういって小嶋は篠田にキスをした


「・・・陽菜」


「なん看病したかったのに全然うまくできなかったなー・・・ごめんね」


申し訳なさそうに小嶋はうなだれた


そんな小嶋を篠田はとても愛おしくなった


「いいよ。陽菜が居てくれるだけでうれしいから」


そしてまたキスをする



「あ!そうそう!」


小嶋はぱんっと手を叩き


自分の鞄の方に向かいごそごそと何かを探していた


そして後ろに手を回し、篠田の方に戻ってきた


「はい、プレゼント♪」


そういって篠田に渡す


「え、いいの?ありがとう」


中には手袋が入っていた



「この前来てくれた時、麻里ちゃん手袋してなかったから」


「ありがとう」


篠田は手袋を着けて微笑んだ



「と、みせかけて・・・じゃーん」


「え?」


小嶋は小さなラッピングされた箱を渡した


中を開けると


「あ・・・」


中には鍵が入っていた


「手袋はこの前看病してくれたお礼。で、これからも陽菜の面倒見てほしいから、この鍵使っていつでも来てね♪」


「陽菜・・・ありがとう」


篠田は小嶋を抱きしめる


「私もプレゼントがあるんだ」


「え・・・」


「ちょっと目つぶってて」


「うん」


そういうと篠田は買っておいた指輪の箱をあけて


小嶋の薬指にはめた


「あー指輪だー!」


小嶋は目を開けて指輪をまじまじと見た


サイズは合っていたので安心した


「もしかして・・・」


「ペアだよ。付き合ってすぐにあげるのもって考えたんだけど・・・」


篠田は自分の指にも指輪をはめ


「誰にも取られないようにアピールしとかないとね」


そういって笑った


「えへへ・・・」


小嶋は嬉しそうに篠田に抱きつく


そしてキスをした


「ちょっとデザイン違うの?」


「うん。」


「見せてー・・・って麻里ちゃんこれちょっと大きくない?」


小嶋は篠田の指輪を見て言った


「うーん・・・ちょっとサイズがなかったんだ。でも、クリスマスに渡したかったから・・・」


「えー変なところこだわるね。ちょっと貸して」


小嶋は笑って篠田の中指に指輪をいれる



サイズはぴったりだった



「中指がしっくりくるんじゃない?」


「うん。まぁ・・・そうだね」


「じゃあ・・・」


そういって小嶋も自分の中指に指輪を入れる


「私もここにするね♪」


「え、きつくないの?」


「うん、平気だよ。せっかくペアなんだからおんなじ指にしたいじゃん」


「・・・・ははっ。陽菜も変わってるよ」


篠田は小嶋のそういうところがやっぱり好きだなと思った


「じゃあ、中指にしますか」


「うん♪」



「大好きだよ。陽菜」


「私も・・・」



そう言って唇を重ねた


(今までで一番のクリスマスだな・・・)


篠田はそう思いながら


小嶋と恋人としての初めてのクリスマスを過ごしたのだった


片想いFinally 番外編⑥

ここから少しまりこじ編になります。






――――――




5年前の大学3年生



季節は冬



クリスマスまであと1週間


篠田は食堂で手帳を見ながらため息をついていた



「陽菜は・・・付き合っちゃうのかな?」




篠田は高校時代から小嶋陽菜に恋をしていた



もう何年片想いしているのだろう・・・



友達として隣にいれればいいと



思って諦めていた



しかし



大学に入ってから



小嶋はかなりモテた



まぁ高校時代からモテてはいたが・・・



さらに拍車がかかっていた



当の本人は



遊びつつも



真剣に付き合うということはなかった




しかし



今回はまんざらではないようだった



「ついに付き合うのかな・・・」



この前クリスマス空いてる?と聞かれている現場に居たことを思い出す



苦しかった・・・


何度も男の隣に居る小嶋を見てはもやもやした想いを封印し続けてきた


「はぁー・・・」


そろそろこの恋を終わらせた方がいいのかな・・・


「麻里ちゃーん、お待たせ―」


小嶋が手を振ってこっちに向かってくる




当の本人はホントにお気楽だなー・・・


そう思いながら笑って手を振った



――――――――


「でねー。クリスマスどうしようか悩んでるんのーどう思う?」


昼食をとりながら小嶋が話す


「・・・陽菜がいいならいいんじゃない?」


篠田も愛想笑いをしながら話を聞く


いつも小嶋の恋愛話を聞いていた


そして


いつも、もやもやしていた


いつまで私はこうやって笑っていられるのだろうか・・・



そんなことを思っていると


「小嶋さん」


後ろから男性が声をかけてきた


「あ、やっほー♪ここ座りなよ」


小嶋は笑顔で隣の席を指した


・・・・・


「じゃあ私は退散しますか」


「えー麻里ちゃんも一緒にいようよー」


引きとめる小嶋に後ろ手で手を振りながら食堂を後にした




「・・・・・・・・一緒になんていれるわけないでしょ」




篠田の我慢は限界に近づいていた



―――――


あっという間に日は過ぎて


クリスマスの3日前になっていた


「はー疲れた・・・」


夜、バイトが終わり、篠田は駅に向かって歩いていた


プルルル・・・


篠田の携帯が鳴った


小嶋からだった


「もしもし?」


「まりちゃん・・・」


「陽菜?どうしたの?」


「う・・・うぅ・・・ケホッケホッ」


「え、大丈夫?風邪?」


「うん・・・朝から何も食べてなくて・・・おなかすいた・・・」


「すぐ行くから、待ってて!」


篠田は電話を切ると


近くのスーパーに寄り


野菜やスポーツドリンクを買い


小嶋の住むマンションまで急いだ



ピンポーン


呼び鈴を鳴らしてからしばらくして


小嶋がふらふらしながら戸をあけてきた


「大丈夫?」


小嶋を支えながら部屋に入る


「うん・・・なんか昼間は体がだるくて動けなかったの・・・」


「え、そんなに・・・?」


小嶋のおでこを触ると外で冷えた手がすぐに温まった


「あー気持いい・・・」


「気持ちいいじゃないでしょ!病院行ったの?」


「いってない・・・動けなかったんだもん」


「どうして誰かに連絡しなかったの?」


そんなやり取りをしながら


小嶋をベッドまで運んだ


「だって・・・」


ベッドに横になりながら小嶋は篠田を見た


「何?」


「麻里ちゃん今日朝からバイトだったでしょ・・・だから・・・連絡したら悪いなと思って・・・実際昼間は辛くて動けなかったし・・・」


「え・・・」


ドキッとした


「な、何言ってんの。他にも居るじゃん陽菜のこと心配してくれる人」


照れてついあまのじゃくなことを言ってしまった


「でも、麻里ちゃんが一番陽菜のことわかってくれてるから・・・」


「・・・・ご飯作る。おかゆでいい?」


「うん、ありがとう」


篠田はベッドから離れて


台所へ向かう


・・・・陽菜はどういう意味で言っているんだろう


篠田はドキドキする気持ちを落ち着かせようと必死だった



―――――――


「おかゆできたよ」


「・・・・ありがと」


小嶋はもそもそと起き上がる


「運んできたから此処で食べな」


「うん・・・」


ベッドの脇にお盆を置いた


「・・・」


小嶋が黙って篠田を見つめる


「何?」


「あーん」


口を開ける小嶋


「は?」


「食べさせてよー病人なんだから」


「な・・・。・・・・もーわかったよ。はい。」


甘えてくる小嶋に照れながらも


篠田はスプーンでおかゆをすくい口に運んだ



・・・


「ごちそうさま」


小嶋がにこっと笑う


「はい、一応市販薬だけど飲まないよりましでしょ」


そういって薬を手渡す


「ありがとー麻里ちゃんはやっぱり気がきくね」


そういって薬をのんで横になった


「私洗い物するから。寝ときなよ」


「ありがとう」


そういって部屋のドアを閉めた



・・・・・・・・・・


篠田は自分の気持ちを必死に抑えていた


甘えてくる小嶋に


何度理性が飛びそうになったかわからない


でも、今は病人だから普段よりも甘えているんだと


自分に言い聞かせていた



「よし、洗い物終了」



そう言って篠田は小嶋が寝ている部屋をそっと覗いた


薬が効いたのかよく眠っていた


・・・・・


篠田は静かに部屋に入る


そして


しばらく小嶋の寝顔を見つめ・・・


いつの間にかベッドに突っ伏して寝てしまった



―――――――



ブーッブーッ!


小嶋の携帯のバイブが鳴る


篠田は驚き、ガバッと目を覚ました


小嶋を起こしてはいけないとあわてて携帯を手に取る


「あ・・・」


小さなディスプレイに男性の名前があった


しばらくして携帯は鳴りやんだ



・・・・最悪の目覚め方だった


「・・・・・・・もう、誰かに取られるの嫌だな」



篠田はすやすやと眠る小嶋の顔を見る



「・・・・陽菜」


ゆっくりと唇に近づく



あと数センチのところで



「ん・・・麻里ちゃん?」



小嶋が目を覚ました



「あ、ご、ごめん。起こしちゃったね」



篠田はあわてて離れる



「ううん、いいよ。ちょっと楽になってきた。ありがとう。」


「あ、携帯なってたよ」


「あ、ごめん」


そういって携帯を見る


「・・・・クリスマス、その人とすごすの?」


「え?」


小嶋はぽかんとした顔で篠田を見た


篠田もぽろっと本音がでてしまった自分に驚いた


「うーん・・・でも風邪ひいちゃったしな。迷ってるの。」


「陽菜は好きなの?その人のこと?」


「うーん・・・いい人だと思うよー。付き合ってみてもいいかなーなんて・・・」


「・・・・っ!」


その言葉に篠田は胸が苦しくなった



「・・・・やめときなよ」



「え・・・?」


「陽菜がちゃんと好きじゃないんなら、付き合わない方がいいよ」


「え・・・麻里ちゃん?」


いつもなら、「ふーん、陽菜の好きにすれば?」とかいって流すのに


今日はいつもと感じが違う篠田に、小嶋は戸惑った



「・・・風邪、早く治す方法教えてあげる」


「へ?な・・・・・・」



小嶋が聞き返す前に


その唇は


篠田の唇が塞いでいた


数秒間の触れるだけのキス



2人の間に沈黙が流れる




「・・・麻里ちゃん?」


陽菜は指で自分の唇を触りながら事態を飲み込めていなかった

「陽菜の風邪なら喜んで貰ってあげる」


篠田はそっと小嶋の頬に手をやった


「・・・・・・ずっと、好きだった。もう誰にも取られたくないの。」


涙をこらえて小嶋を見つめていた


小嶋はそんな篠田をただ呆然と見つめていた



・・・・しばしの沈黙が流れる



「ごめん。変なこと言って・・・」


篠田すっと立ち上がると


「私、帰るね」


小嶋に背を向けて涙を袖で拭いながら立ち去ろうとした


が・・・


グッと


自分の服が引っ張られていることに気が付き動きを止めた



「陽菜・・・?」


篠田は思わず振り返る


「・・・・帰っちゃうの?」


「・・・・」


「一緒に居てよ。私病人なんだからね。」


小嶋は頬を赤らめながら上目づかいで篠田を見ていた

「・・・それはどういう意味でいってるの?」


「え、そのままの意味だけど」


「私さっき陽菜に言ったよね・・・それでも居ていいの?」


「うん、麻里ちゃんがいいの。」


そういって小嶋は篠田の腰に抱きつく



「陽菜・・・」


予想外の展開に篠田は固まってしまう



「一緒にいてよ・・・ダメ?」



「・・・わかった」


そういって小嶋を離す


「そのかわり、ちゃんと横になって休みなよ」


頭をぽんぽんとして小嶋をベッドに横にさせた


「はーい」


小嶋は促されるままに横になる


「麻里ちゃん。隣で寝ない?」


「病人はゆっくり寝なきゃだめだろ」



・・・・今の状況で隣で寝たら


病人相手に理性が保てる自身がない


そう思い


「私は此処にいるから。だから寝なさい」


ベッド横の床に毛布を敷いて座った


「でも・・・」


「いーから。おやすみ。」


「・・・・うん」


篠田に促され


うとうとと小嶋は眠りについた


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