気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

片想いFinally 玲奈side⑫ 終

私は黙々と図書館で勉強していた



「あー玲奈。探したよー」



「あ、にしし」


振り向くと中西が居た




「この前風邪で休んでた時のプリント。先生が渡すの忘れてたからって」


「あ、ありがとう」


「なんかここ静かでいいね。」


「うん、気に入ってるの。」


「もうすぐテストだし、私も勉強して帰ろうかな隣座っていい?」


中西が私の隣の椅子を引こうとした



「あっ・・・だめっ!」



「え・・・?」


中西の唖然とした顔をみて


ハッとした


気づけば中西の手を押さえ


隣に座るのを阻止していた




「あっ、ち、違うの。にししが嫌とかじゃなくて。その・・・・・」


私はどう言っていいのかわからず顔を赤らめた


「ふーん・・・。じゃあ私は退散しますか。」


「あっあのっ///」


「わかってるって。またテスト範囲とかわからないことあったら明日聞いてねー」


そういって中西は去って行った


そんな中西を見ながら


やっぱり心が読めるんだと思った




いつも珠理奈が隣に居たから・・・


気づけば隣は珠理奈の席になっていた


あんなことがあったから


来てくれないかもしれないけど・・・


他の誰かが座るのは嫌だった



・・・・・あんなことされても


私はやっぱり珠理奈のこと・・・・



いけない!いけない!



私は心の奥底にしまいこんでいた珠理奈への想いが出てくるのを


必死に押さえて


集中しなきゃ・・・


と、また机に向かう




ガタっ





また誰かが隣の椅子を引いた

「あっすいませんそこ・・・は・・・・」



私は反射的に振り向き



動けなくなった



「・・・もしかして待っててくれてる?」




そこには






待っていた人がいた・・・





同時に必死に閉まっていた想いが勢いよくあふれてきた




ガタッ!!!



私は半ばパニックになり


その場を離れようとした



だが、あっけなく珠理奈に捕まった


「ちょっ!離して・・・」



私は必死にもがいたが


珠理奈にがちっと体を押さえられていたから動けなかった



「・・・図書館では静かに。じゃなかったっけ?」


「・・・っ!」



耳元で珠理奈の声を聞いて


体がびくっとして動けなくなった



その一瞬の隙に


珠理奈が向きを変えた


気づけば私は本棚と珠理奈に挟まれていた



その手なれた感じにむっとして


「・・・・ちょっと」


と、小声で珠理奈をにらんだ


そんな私を見つめる珠理奈は


いつになく真剣だった



「ダメ。ちゃんと答えてないから」



「何が?」



「さっきの答え」



「・・・・////]


私は珠理奈を直視できず


うつむく


・・・なんでこんなにドキドキしなきゃいけないのよ


・・・やっぱり私



「なによ・・・もう・・・・なんでよ・・・」


気づけば私の想いは口からぽろぽろとこぼれ


目から涙が滲んできた



「あ・・・・」



珠理奈は一瞬、私を抱きしめる力を弱めたが



またギュッと力強く抱きしめた



「・・・好きなんだ」



私は耳を疑った

「え・・・」




「玲奈のことが好きなんだ・・・」


珠理奈は私を抱きしめながら泣いていた

「珠理奈・・・」



私はたまらなく愛おしい気持ちになった


珠理奈の髪をなでながら


あの日からのもやもやした気持ちがスッと消えていった・・・



「私もね・・・珠理奈のことばっかり考えてたの。ひどいことされて傷ついたはずなのに・・・なんでかな、珠理奈のこと嫌いになれなかったの。」



「玲奈・・・」



「・・・好きだよ。私も。」


私はやっと自分の気持ちをいうことができた


涙でうまく言えたかわからないけれど




・・・・・・



珠理奈が顔をあげて私を見つめる



そっと私の頬に手をあて



そして



ゆっくり



唇を重ねた




ファーストキスだった




心臓が早鐘のように鳴り


体温が一気に上昇した




唇が離れると




急に照れくささがこみあげてきてクスッと笑った




「玲奈ちゃん」



「なに?」




「私と付き合ってくれる?」



珠理奈からそんなことを言われるなんて・・・


私はドキドキする気持ちを隠そうと



「・・・浮気しない?」


いじわるっぽく聞いてみた



「しない。絶対。何だったらアドレス目の前で消すよ!」



「いや・・・何もそこまでしなくていいんだけど」


珠理奈の目が真剣すぎて思わずたじろいでしまった


「それだけ本気だもん!」


顔を赤らめながらも真っすぐに私を見る瞳に


嘘がないことを確信した



そして、珠理奈がそんなことを言うのが可笑しくて


笑ってしまった



「テスト終わったら、誕生日デートに連れていくこと約束してくれるならいいよ」



「もちろんだよ」



珠理奈はにこっと笑って


私をぎゅっと抱きしめた



――――――――

こうして



私は片想いを終わらせることができた



片想いのその先は


これから珠理奈と作っていく




前途多難だろうけど・・・


2人でなら、なんとかなるかな



そんなことを想いながら


珠理奈と手をつないで歩くのだった



Fin


片想いFinally 玲奈side⑪

私は息を切らしながら


自宅まで走って帰った


幸い連れて行かれた場所が比較的家から近かったため


残った体力で帰ることができた



1日でいろんなことがあり


しかも雨に打たれたため


私は見事に風邪をひいてしまった


すぐに学校に行く気にもなれなかったので


むしろラッキーだと思った



でも、


ずっと珠理奈の顔が頭から離れなかった


何度も自分に言い聞かせて


嫌いになろうとした


でも


ふとした時に浮かぶ珠理奈の顔は




優しく笑っていた



そして


あの雨の日の


困惑した顔も


頭から離れなかった




しかし5日もたつと熱もなく


厳しい親が休むということを許してくれるはずもない


私はしぶしぶ学校に行った





―――――――――


学校に行くと


中西が心配してかけよってきた


「大丈夫?風邪ひどかったんだね」


「大丈夫。メールありがとね」


そういって私は席に着いた


「珠理奈も休んでるみたいだよ」


「えっ」


思わず名前に反応してしまった


「・・・?何かあった?」


中西が顔を覗き込む


「何でもないよ」


そう言うのが精いっぱいだった


「・・・なんか最近みんな様子が変なんだよ。」


「?」


「珠理奈の名前が全く出てこないんだ。休んでたらみんな騒ぐはずなのに」


私は高柳が何かしたのだろうと思ったが


知らないふりで通した


高柳は私を見ても


何も言わなかった


むしろ無視しているという表現の方があっているかもしれない



きっとあの人の中では


もう私は惨めな女というレッテルが貼られているのだろう


そして


同じことをされた自分が同類だと思いたくなくて


関わらないようにしているのだろう


「自分のあげたプレゼントが他の女のところにまわされていた」


という噂はすでに広まっているようだし・・・



変な嫌がらせを受けるより


よっぽどいいと思った



―――――――


珠理奈は次の週になっても休んでいた



私はいつものように図書館で時間をつぶす



もうすぐテストがあるから


今は小説ではなく参考書を見て勉強していた


他のことに集中して


珠理奈のことを思い出さないようにしていた




―――――――――



一方、珠理奈は自分の部屋でごろごろ過ごしていた


風邪はもうすっかり良くなっていたのだが


行く気になれなかったのだ


あの雨の日のことが忘れられず


思いだしてはもやもやしていた




休んでいる間


珠理奈は本を読んでいた


初めて会ったときに玲奈が呼んでいた本だった


最近では活字にも慣れてきてすぐに眠たくなることもなくなった


そして、最後のページを読み終えた



「終わった・・・」




そう言ってベッドに横になり



自分が読んできたページをパラパラと親指ではじいていた



「ん?」



文章が書かれていない一番後ろのページから


黄色い紙が見えた



「なんだこれ?」



手に取り


珠理奈はぎょっとした




[最後までよく頑張りました (れ・ω・な)]




それは玲奈が使っていた



シンプルな黄色の付箋だった



なんで玲奈が本を読んでいることを知っているんだ???


困惑しながら付箋を見つめていた


なんで、あんなことがあった後に


これを見つけてしまうのだろう


タイミングンの悪さを恨んだ




「あー!もう!」


珠理奈はベッドの上で


じたばたと体を動かす


あらかた動いた後で



「玲奈・・・・」



そう呟き


さっきの付箋を天井にかざし眺めた



蛍光灯の光で



その付箋の変化に気づく



「え・・・」



珠理奈は


がばっと起き上がった



「あ・・・・・・・・」


付箋見つめたまま


しばらく動けなかった


そして、また自分のタイミングの悪さを恨んで


ベッドに倒れこんだ



「あーーーーーーーーもやもやする!!!」



そう叫ぶと



珠理奈は制服に着替え


勢いよく戸を閉めて出て行った


その風で付箋がはらりと舞い


床に落ちた


そこには



[ずっと、あなたの隣に居たいな]



と、小さな文字で書かれていた


片想いFInally 玲奈side⑩

私は一人夕暮れの街を歩いていた


バスの時間になるまで保健室にいていいと言われたが


2人の邪魔をするのも悪いと


そそくさと出てきたのだった



「片想いを終わらせなきゃ次にはすすめないよ。」



その言葉が私の頭の中でぐるぐると回っていた



今日はさすがに図書館にも行く気になれなかった


気晴らしにいつものバス停じゃなくて次のバス停まで歩こうかな・・・・



そう思い


一人歩いていた


次のバス停はいつものバス停から徒歩10分くらいのところにある


私は時計を見る


いつものバスが来るまでは20分くらいあった


うーん・・・どうしようかな


そう思い周りをきょろきょろと見渡すと


公園の案内板が見えた


角を曲がると


小さな公園があった


暗くなり始めていたので子供の姿はなかった


「ここで時間つぶそうかな・・・」


そう思いブランコに腰かけ


ゆらゆらと漕いでいた



どうしたらいいんだろう・・・・・



こんなにもやもやするのなら


いっそ気持ちを伝えた方がいいのだろうか・・・


でも、言わない方が・・・


今の関係のままいれるのだろうか・・・


伝えるべきか、このままでいるべきか


私の頭の中はそのことばっかりだった




「松井さん」


ぼーっとブランコを漕いでいた私は


バランスを崩しそうになるのをどうにかこらえて


声のする方をみた



そこには


高柳がいた


その後ろにはいつも高柳といるメンバーがいた



「なに?」


「一人で暇そうね。あっ、ぼっちのほうがいいのか」


そういって笑う


私はむっとしてブランコからおり、高柳の横を黙って通り過ぎようとした



その時


勢いよく腕を掴まれた


「待ちなよ。今日みんなが集まっていいことするんだ。あんたも来なよ」


そういうと他の女子たちも私の周りを囲む


「傷、増やしたくないでしょ?」


そう言った高柳の手にはカッターが光っていた


私はごくりと生唾を飲み


今日の一件は高柳がやったことだと悟った


「抵抗しないでよ」


私の背中に回り、耳元で囁いた


両サイドも、がちっと仲間に押さえられ


私はなすすべもなく車に乗せられたのだった



―――――――


車は私の家の方を向いて走った


国道から少し奥まった住宅街に入り


傾斜の急な坂をのぼる


(・・・こんなところに何があるの?)


転校してから自宅周辺を探索していたが


ここは坂道が急だから上まで探索しようとは思わなかったのである


私はどこに連れて行かれるかもわからない不安で青ざめていた


(珠理奈・・・助けて・・・)


私はネックレスを制服の上からぎゅっと握りしめていた




――――――――


車は古いビルの前で止まった


私たちを下ろすと


車はすぐに走り去ってしまった


高柳は車が見えなくなるのを確認すると


「じゃぁ行きましょうか」


と、私の方を振り返った


私は両脇を押さえられながら


ビルの中へと連れて行かれた


奥の部屋の扉をあけると


妖艶なライトに照らされ、入り乱れる女の子達がいた


「なに・・・ここ?」


私は更衣室のキスよりも激しい現場に


思考回路がついていかず、呆然と見つめていた



「ここはお気に入りの人を見つける場所。あんたもここで誰か見つけたらいいのよ」


「きゃっ!」


いきなり近くのベッドに押し倒された


「やっ!やめてよっ!」


数人の女子たちで私は体を押さえられる


恐怖でもはやパニックになっていた


「珠理奈に近づくからこういうことになるのよ」


そういって私のブラウスのボタンをはずす


「いやっ!」


私は、はがいじめにされている体を必死によじって抵抗する


胸が見えるか見えないかぐらいで高柳が手を止めた



「なんでよ・・・・なんであんたがもってるのよ!!」



高柳の声が怒りに震えていた


その様子に他の女子たちの手も止まる


私は高柳の隙をついて体をよじり


鞄で胸をかくしドアまで走る


だが、あと一歩のところで数人の女子が立ちふさがり


取り押さえられてしまった



「はなしてっ!!」



私は今まで出したことのないくらいの声をあげていた



「松井玲奈!いいこと教えてあげる!」



高柳は私の方に歩いてくる



「あんたがしてるネックレス。それ、私が珠理奈にあげたやつだから」


高柳は私の胸を指差しながら言った



「え・・・・・・?」



ビシッ!と


突き刺された人差し指は


見事に私の心を砕いた



(うそ・・・?うそでしょ・・・・なんで・・・?)



私はさっきまで必死に力を入れて抗っていたのに


今は立っているだけで精一杯だった



「あー可哀想。でも、ほんとに気に入らない。私があげたものを平気で他の女に渡すなんて。結局私も、あなたも珠理奈にとっちゃただの遊び相手なのよ」


私は力なく高柳の言葉を聞いていた


「今回のでもう嫌気がさしちゃった。珠理奈なんかやめてあなたも此処でいい人探せば?」



そう言って、近くの女子に手を伸ばした



その人は、今日珠理奈が笑って走っていった相手だった



そう、私なんかに目もくれず・・・走って行った相手だ



私はあふれる涙を必死にこらえていた



「いっとくけど。珠理奈はここにいる大半の女とは寝てるわよ。結局あんたのことも体目当てなのよ」




私の中にあった


珠理奈との淡い思い出は


ガラガラと音をたてて崩れていった



「・・っ!!!」



私は鞄を振り回し


周りの女子たちがひるんだ隙に


部屋から出た




追いかけてくるかもと必死に走ったが


誰も部屋から出ては来なかった



「はぁはぁ・・・」


外は酷い雨だった


そんなことはおかまいなしに


私は必死に坂を下り


下りきったところにある電信柱に手をつき


息を整えていた


「はぁ・・・・はぁ・・・・」


肩で息をしながら



「私が珠理奈にあげたやつだから・・・遊ばれてた・・・・体目当て・・・」


高柳の言った言葉がぐるぐると回り続ける



私は、はだけたブラウスから見えるネックレスを静かに外し


それを握りしめて




ぽろぽろと涙をこぼしていた









―――――――――――


どれくらい泣いただろう


雨の勢いは増していた


髪も、制服も、鞄もどうしようもないくらい濡れていた



「玲奈!!!」




聞きなれた声が聞こえた


そこにはずぶ濡れで息を切らした珠理奈がいた


珠理奈は自転車を放り出し私の方に走ってきた



私の顔を見る珠理奈の顔は


明らかに困惑していた



わたし、今、どんな顔をしているんだろう・・・・



力なく珠理奈を見つめていた



珠理奈が私に向かって手を伸ばしてきた



私は黙って腕を伸ばす





「えっ・・・」

珠理奈がたじろぐ



「これ、返すね」



手の中にある南京錠のネックレスを見せる



「あ・・・」



珠理奈は困惑した顔で固まっていた



「どうして・・・・?どうしてこのネックレスくれたの?」



「え・・・」



「今日高柳さんたちに無理やり古いビルに連れていかれて・・・」



「何かされたの!?」



珠理奈が勢いよく私の肩を揺らす



私は黙って首を横に振った



「このネックレス見て・・・それは私があげたやつだって。結局私もあなたも珠理奈にだまされてたんだって・・・かわいそうって笑われて・・・・走って出てきた」


改めて自分で言うと情けなくて・・・惨めで・・・泣けてきた



(どうしてよ・・・・どうして!)


私の中で何かがはじけた



ぱんっ!



気がつけば私は珠理奈の頬を叩いていた


「どうして私に近づいたの!ほっといてくれたらよかったのに!!どうしてこんなみじめな思いしなきゃいけないの!!!」




「・・・・なにすんだよ!」



ぱんっ!!



私の頬に痛みが走った



・・・・・・


私の目には


また新しい涙がたまっていた


心のどこかで


ごめんって謝って


玲奈が好きだって


抱きしめてくれるんじゃないかと


期待していたのかもしれない

結局、これは私の片想いなのだ・・・・・・・


次に進むどころか


この恋は終わりだ




「ばかっ!!!」



さっきよりも勢いよく


また私は珠理奈の頬を叩いた


きっと


涙と雨でひどい顔だったと思う


珠理奈は固まっていた



私は鞄を持って


全速力でその場を去った







片想いFinally 玲奈side⑨

あのバス停の一件以降


私はネックレスをずっと付けていた


最初の頃は


制服のシャツの襟元からネックレスを触り


夢じゃないんだ・・・と


一人でにやけてしまっていた



放課後以外でも珠理奈が話しかけてくることも多くなった


中西はその様子をみてにやにやしていたが


他の女子たちの視線はそんな生易しいものではなかった



そんなある日


事件は起きた



――――――――


掃除も終わり


後はホームルームを待つだけだった


私は机の中の教科書を鞄に入れようと


手を入れた



「・・・っ!」


鋭い痛みが指先に走った


とっさに机の中から手を引っ込める



え・・・・



私は茫然と指先を見つめる



真っ赤な血がにじみ出ていた



後ろで



女子の笑い声が聞こえたが



私の耳にははるか遠くで聞こえているようだった


誰が笑っているのかさえもわからなかった





・・・・どうして?







状況が飲み込めず固まっていた



すると



私誰かに腕を掴まれた




え・・・・?




顔を上げると



珠理奈が私の指に滲んだ血を吸っていた



私はびっくりして


さっきまでの


痛みによる衝撃を一瞬で忘れてしまった



珠理奈の唇の感触が



指先から全身に伝わり



私はドキドキしすぎて息をするのを忘れるくらい



珠理奈に見入ってしまった



珠理奈も私の方をじっと見つめていた





「珠理奈」




廊下から誰かが呼ぶ


そして手招きをしてにこっと微笑んだ


珠理奈はその子に


にこっと微笑んで


走り去ってしまった・・・・・・・



私は指に残る唇の感覚と



自分の胸の奥から湧き上がってくる



ふつふつとした感情とが



混じりあって


今どんな顔をしているかわからなかった・・・




――――



ホームルームが終わり


放課後になった


私はハンカチで押さえていた指を見る


血は止まっていたが


指を動かすとまたうっすらと滲んできた



それと同時にさっきまで忘れていた痛みも


ぶり返してきた




・・・・絆創膏もらおうかな



そう思い


ふらふらと保健室に向かった




――――


「あっいらっしゃーい」


保健室に入ると


小嶋先生と篠田先生が座っていた


(・・・なんでこんなときに)


微笑ましくみえるこの光景も


今の私の神経を逆なでさせた




「どうしたの?」


そんなことを知る由もない小嶋先生は


小首をかしげて聞いてきた


「あの・・・・絆創膏ください」


「あら、怪我―?じゃあ消毒もしてあげる」


そういうと小嶋先生は慣れた手つきで指を持ち


消毒をした


「・・・っ」


その時、私の血を吸う珠理奈がフラッシュバックした



(・・・・珠理奈のバカ)




「ご、ごめん。そんなに痛かった?」


あわてる小嶋先生の声がした



気づくと私はぽろぽろと泣いていた



「大丈夫です。ごめんなさい。」



私は涙を制服の袖で拭いながら気丈にふるまったが


一度出てしまった涙はそう簡単に止まってはくれなかった



「ええ~!麻里ちゃんどうしよう!?」



本格的に泣き出してしまった私を見て


小嶋先生が篠田先生に助けを求める



「・・・・・・まったく。ホントに子供だなあいつは・・・」


はぁっとため息をつき


私にハンカチを差し出した



「あ・・・すいません」


あまりにも自然な流れだったので私も素直に受け取り


涙を拭いていた



「とりあえず、絆創膏」



そういって篠田先生は絆創膏を巻いてくれた



「気が済むまで泣きなさい」



そういうと篠田先生はぽんぽんと私の頭をなでた


私はまたさらにぽろぽろと涙を流した


2人は何も言わずそばにいてくれた



――――――――



しばらくして私は落ち着きを取り戻した



「すいません。これ洗濯して返します」



「いや、いいよ」



そういって篠田先生はハンカチに手をのばす


しかし、私の涙で濡れたハンカチを返すわけにはいかなかった



「やっぱり駄目です。洗います。」



私はとっさに篠田先生の手をよけた



「そう?じゃあ待ってるね」



そういって優しく笑った



「あー麻里ちゃん今デレっとしたー」



むっとした口調で小嶋先生が言う


「にゃろ。とりあえず空気読もうか・・・」



篠田先生は慣れた口調で小嶋先生をなだめていた



「先生たちはいつから付き合ってるんですか?」



「「え?」」



2人が同時に私の方を見た



「あ・・・すいません///」



私は自分の口から


そんな言葉が出てきたことに驚いて


真っ赤になった



「ははっ、じゃあ特別に教えてあげよう。出会ったのは高校時代だよ」



笑って篠田先生が答える



「でも付き合いだしたのは大学時代だよ。それまでにゃろは見向きもしてくれなかったから」



「だって麻里ちゃん何にも言わなかったじゃん。気づかないよー」



「まぁずっと好きだったけど、友達でもいいかと思ってたんだけどね・・・」



そういって私の方を見る



「私以外の人といるのが嫌だったんだよ。もう誰にも取られたくなかったんだ。だから思い切って告白した。」



その言葉は今の私に痛いほど突き刺さった



「まさか受け入れてくれるとは思わなかったけどね。」



そう言って小嶋先生の方を見る


「麻里ちゃんに言われて気づいたんだよねー。LIKEじゃなくてLOVEなんだって。高校の時から麻里ちゃんの隣が一番落ち着いたし。」



そういって篠田先生の腕に抱きつく



「看護師にならずに養護教諭になったのだって、一緒にいたかったからなんだもん♪」



「まぁ、にゃろは保健室くらいが丁度いいよ」


「なにそれー!」


篠田先生はムスッとする小嶋先生の頭をなでながらなだめていた。


私は2人の熱々ぶりに頬を赤くしながら



・・・うらやましいな



と、思っていた




「松井。片想いを終わらせなきゃ次にはすすめないよ。」



篠田先生の目はいつになく真剣だった・・・


片想いFinally 玲奈side⑧

バスを待ちながら珠理奈と話しをする



「あ、そういえば。玲奈ちゃんて誕生日いつ?デートしない?」


「え・・・でも私7月だからもう終わってるよ」


「えっそうなの!?じゃあ転校してくる前だったんだね残念だなぁ~」


ちぇーっと口をとがらす珠理奈

「でも、そう言ってくれるの嬉しいよ。ありがとう」


「あっでも遅いけど誕生日祝いってことでデートしない?」


「えーもう3ヶ月もすぎてるよ」


10月の今、誕生日を祝うと言われてピンとこない


でもそんなことを言うのは珠理奈らしいと思った


「いいの、いいの。プレゼント何がいい?」


「えっ・・・そんなの悪いよ。」


「悪くないよ。何がいい?」


ずいっと珠理奈が近づく


私はふと篠田先生と小嶋先生の指輪を思い出した


珠理奈とお揃いのもの・・・


あっでも付き合ってるわけじゃないしそれはまずいか・・・




「・・・・・・じゃあ・・・」


「ん?」


「珠理奈が持ってる物が欲しい・・・・///」


私は顔から火が出そうなほど恥ずかしかった


だけど、珠理奈と会えない時でも


珠理奈とつながりが欲しかった


その思いが思わず言葉に出てしまったのだ



「私が持ってるもの?えーっと・・・・あっ!」


珠理奈は自分の首からネックレスを外して私に見せた


「これどうかな?」


「うん・・・///]


シャーペンとか文房具系とかでいいと思っていた私にとって


アクセサリーは思いもよらないものだった


私は嬉しさと恥ずかしさでどんな顔をしていいのかわからなかった


「じゃあつけるねー」



そういって私の首に腕を回す



私の首に珠理奈の指と吐息が当たる



ドキドキして私はこのまま倒れてしまうんじゃないのかと思った



着け終わり


珠理奈が離れる


あ・・・


私は名残惜しそうに珠理奈を見つめてしまった




お互い



目を見つめたまま動けなくなっていた



珠理奈が私の髪に触れる



その指づかいにドキドキして


体が固まってしまった




珠理奈の顔がだんだん近づいてくる



そして



耳にキスをされた




吐息と唇の感覚がくすぐったくい


珠理奈が触れた部位が


さらにかーっと熱くなるのを感じた



私はその感覚にとっさに珠理奈の腕を掴んできゅっと握った


「玲奈・・・」


珠理奈が耳元で囁いた


「・・・っ///」


いつもちゃん付けなくせに


真面目なトーンで名前を呼ばれた


私の心臓は破裂するんじゃないかってくらい


ドキドキした


それに耐えるために


さらに珠理奈の腕をぎゅっとつかむのだった


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