気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

◆おしらせ

ども、しゅうです(・∀・)

またまたですが、更新お休みします

年末になると仕事とかやることとかが詰まってきて執筆が滞っておりまして・・・(^^;

でも2月は小嶋さんの卒業ライブに行くからそれまで頑張ります!(´∀`)前夜祭だけど笑

一般で2DAYSいけんかなーと思っております

せっかく東京に行くんだから、楽しまんとねー(´∀`*)

まぁ、ぼっちですけども笑

行かれる方おりましたら楽しみましょう☆

もしかしたら、毎日ではなく土日更新とかにかえるかもしれませぬ・・・

週刊誌的な感じで・・・

とりあえず、どうなるかは今後の忙しさによりますので、あしからず。

そして、こっちのブログもだいぶ知名度でてきたので、アメブロは年内で閉めようと思います。

こっちのブログは過去の作品を探すの大変だったりするかもしれませんが・・・

気力があればタイトルわけとかできたらなーとかおもっております。

でも、まぁ今回の話しが終わらなければできないんですがね・・・

気長にお付き合いしていただけたらと思います

では、みなさま寒いので風邪などひかれませぬように(^^)

僕の彼女は魔法使い28

―――

彩美堂に向かう道を美優紀達はあるいていた

その手前にある公園でサヤカは立ち止まる

「ほなな」

「え?」

「私はここで寝るわ」

「でも、そんなとこでおったら夏とはいえ風邪ひくで」

「1週間ここでおったんや。引くか」

「あ、そっか。でも、疲れ取れへんやろ」

「野宿にはなれとるわ」

そういって、サヤカはスッと離れようとする

「・・・あ」

気付けば、美優紀はサヤカの制服の裾を引っ張っていた

「・・・」

サヤカは驚いて美優紀を見る

「そ・・・その・・・」

美優紀はとっさの事で言葉に詰まる

「あ・・・せや・・・猫!」

美優紀はハッとして叫ぶ

「は?」

「猫になれるんやったら、うちにきたら?」

「なんで、いかなあかんねん」

「・・・だって、契約者・・・なんやろ?追いかけてきたん誰よ」

「・・・」

「うちにきたら、毎日どら焼き食べれるで」

「・・・」

サヤカの身体がピクッと動く

「おばあちゃんも前飼ってた猫おらんようになって寂しそうやったし。ちょうどええかも!な、人助けと思って」

美優紀はニコッと笑った

「・・・」

サヤカはその顔にドキッとする

(なんやねん。わろたら、かわええやんか・・・)

「まぁ・・・せやな・・・契約者やし・・・猫になるんなら・・・ええか・・・」

サヤカはぷいっとそっぽを向きながら答えた

「うんっ。ほなかえろう」

美優紀はそういって、くるっと向きを帰る

サヤカもその後をついていく

こんな気持ちで家に帰るのは久しぶりだ

そんなことを思った


「じゃあ、ここらへんで猫になってもろてええ?」

美優紀は彩美堂の裏に周り、こそこそという

「おう」

カッと光を放ち

彩は黒猫になった

「よいしょっと・・・」

美優紀は猫を抱き

店の方に回る

もう、店は半分シャッターが下りていた

「ただいまー」

美優紀はシャッターをくぐり、中に入る

「おかえり。もう、ごはんできてるよ」

白いかっぽう着を着た美優紀の祖母がにこっと出迎える

「うん」

奥の調理場では祖父がちらっと見て、また作業にいそしんでいた

「にゃー・・・」

彩はとりあえず鳴いてみた

「お?どうしたんだい?この猫」

「公園でおってん。なんかなついてしもて・・・ほっとけんし・・・なぁ飼ったらあかん?」

「あら・・・この子目が赤いんだね。珍しいねぇ・・・」

祖母は目を覗き込む

猫になるとき、瞳はその属性の色が出る

土使いなら黄色

風使いは緑

水使いは青

炎使いは赤だ

「そやねん。綺麗やろ?なーええやろ?おばあちゃん」

「んー・・・どうしようかねぇ」

そういって祖母は困った顔をする

「おねがい、おばあちゃん!私世話するし、この子もともと野良やから手間かからへんから」

(誰が野良だ・・・)

サヤカはぶすっとする

「美優紀がそういうんならしかたないねぇ・・・じゃあ、いろいろ買ってこなきゃいけないねぇ・・・あ、まだサクラの使ってたやつがあるか・・・」

サクラとは以前飼っていた猫の事である

「ありがとう、おばあちゃん!あ、あとなこの子、うちのどら焼きが好きやねん」

そういって、美優紀はニコッと笑った


――――

美優紀はサヤカを抱いて階段を上り

自分の部屋へとはいった

ピンクの絨毯の上にサヤカは着地する

「はい、もうええよ」

「おう」

サヤカはカッと光を放ち、元の姿に戻った

「そこらへん座って」

そういって美優紀は制服を脱ぎだす

「・・・」

彩はぷいっとそっぽを向く

そして、その目線の先にあった本棚に手を伸ばす

(なんや?女ばっかり出て来る変な本やのー・・・)

ファッション雑誌をぱらぱらとめくっていると

パサッ・・・

何かが落ちた

「?」

サヤカはそれを手に取る

短冊ほどの紙はプリクラだった

(なんやこれ?)

サヤカはいぶかしげにそれを見る

『みるきー&アカリン』とか『大親友』とかカラフルな文字と背景の中に大きくかかれていた

「ちょっと!何見てるん!?」

美優紀はそれに気づいてサヤカからプリクラを奪い取り

ゴミ箱に捨てた

「お、おい。ええんか?」

「ええよ。こんなん、もう持ってても仕方ないから・・・」

「・・・ふーん」

美優紀の表情にサヤカは違和感を覚える

「本棚の見てもええけど、一声かけてよね」

「あぁ、すまん・・・」

なんとなく、気まずい空気になる

そこに

「美優紀ー」

下で祖母の声が聞こえた

「はーい」

「猫ちゃんもつれといで、サクラにあげてた缶詰、まだ大丈夫みたいだから」

「えっ・・・」

美優紀は固まる

「なんや?缶詰ってうまいんか?」

「いや、人が食べるもんやったら美味しいけど猫用やし・・・」

「どうちがうねん?」

「全然ちがうよ!動物用やから下手したらお腹壊すかも知れへんねんで」

「なんやてっ!不味いんか?」

「たぶん・・・」

「「・・・」」

2人は目を合わせる

「だ、大丈夫。気に入らんふりしてくれたら、人間のご飯が好きみたいとか言うから」

「ホンマやろな?」

「うん。任せて」

美優紀は深く頷く

サヤカは重苦しい雰囲気が祖母によって和んだのを感謝しつつ

(変な飯出さんといてくれよ・・・)

祈るような気持ちで猫になったのだった


僕の彼女は魔法使い27


「なんか懐かしいねー」

「そうだねー」

宮澤と柏木は昔を思い出し、感慨にふけっていた

「あの頃の生徒会楽しかったなぁ。麻里子様も意外と熱い人でよく議論したよ」

「そうだね。でも結局それをまとめるのは敦子っていうね」

「そうそう。実は誰よりも権限持ってた気がするよ」

宮澤は笑う

「でも、あの時の麻里子様の告白はしびれたなー」

「うんうん。でも、私は佐江ちゃんの言葉が嬉しかったよ」

「そう?なんか、勢いで麻里子様に便乗したみたいで自分ではあの後ちょっと気にしてたんだけどね」

「え?そうなの?」

柏木はクスッと笑う

篠田が3年になり、生徒会を引退した後は

宮澤が会長、前田が副会長に就任していた

だが、篠田の引退は契約解除ということになる

生徒会室で、その事実を知らされた篠田は

小嶋にずっとそばにいてほしいと言ったのだ

―――

「たかみなは、敦子にずっとついてるじゃん。そういう風にはできないの?」

夕日が照らす薄暗くなった校舎の生徒会室で篠田が言う

「もちろん、契約は続けることができるが・・・私らの力は最近弱まってきてて・・・ここの学校を出れば、契約者にも負担がかかるんだ・・・大学進学とかでこのあたりの地区をでると相当な負担になる」

「それは、私にってこと?」

篠田は尋ねる

「そうだ。それに、これから先は・・・本当にこの地区・・・いや、霊樹周辺でしか生活できない可能性だってあるんだ」

「・・・わかった。今はまだ大丈夫なんだね。じゃあ、契約は解除しない」

「え?」

「私、この学校にもどってくる」

「え・・・?」

その台詞に、一番驚いたのは小嶋だった

「陽菜は、私を変えてくれたんだ。4年間私の身体に負担がかかるなんてどうってことない。それに、ここは学校だし、教員になって戻ってくるよ」

「で、でも麻里ちゃんは生物学者になりたかったんじゃないの?」

小嶋によって生きることの意味を見つけた篠田は

生物学に興味をもった

死を考えていた彼女が、生を扱う学問を好きになったのだ

「それは、陽菜の身体が歳を取らないから・・・」

「え?」

「最先端の科学技術とかを学べば、何か手掛かりが見つかるんじゃないかなっておもって・・・」

「なにそれー。私に歳とらせたいの?」

「ちがうよ。私の方だよ」

「え?」

「どうやったら、歳とらないか・・・考えて、そういう結果になったんだ。ただ・・・一緒に居たいの。ずっと一緒に・・・生きていたいから」

篠田は俯く

「麻里ちゃん・・・ありがと」

小嶋は篠田の手を取る

「でも、私たちは生きてる世界が違うから・・・。だから、そんなに考えなくてもいいよ」

「考えるよ!・・・好きだから。陽菜の事が・・・好きだから。陽菜が他の人と契約結ぶの嫌だし、記憶がなくなるのだって・・・嫌なの」

篠田の目から涙がにじむ

「私も嫌だ」

話しを聞いていた宮澤が口を開く

「ねぇ、たかみな。私もりんちゃんとの契約解消するの嫌だよ」

「・・・佐江ちゃん」

「私も、ずっと一緒に居たい。私も教員になってもどってくる。大学だって東京にする。もし霊樹のそばでなきゃ無理だって言うんなら、この地区から通う」

「おまえら・・・」

「ねぇ、たかみな。王女様が来るのって、あと何年くらいなの?」

前田が口を開く

「え・・・あと・・・11、2年くらいか」

「じゃあ、私ら30前だね。大学いって、ここで就職して・・・丁度教員としてもいい時期なんじゃないかな?」

「え?」

「王女の契約者は生徒会長にして、私たち教員がフォローするのじゃ駄目なの?」

「あっ、それいい!」

宮澤は声を上げる

「それに、私もみなみと契約解消するつもりないよ。みなみだってそうでしょ?」

「う・・・でも、敦子に負担がかかるんなら・・・」

「今更そんなこと言わないでよ!私は一緒に居たいの!それに、みなみが居ない生活なんて・・・もう考えられないよ」

「敦子・・・」

「私も、同じ。陽菜が居ないなんて嫌だ」

「私も。りんちゃんにいてほしい」

「・・・」

高橋は黙る

「ねぇ、たかみな。私ね、ここ最近ずっと1年くらいで契約解除してたでしょ?それって、なんかピンとこないのもあってさ。別にそれでいいかなーって思ってたの」

小嶋は高橋の方を向いて話しだした

「でも、麻里ちゃんと契約解消する時期が来て・・・なんか、寂しかったの。私も・・・麻里ちゃんと一緒に居たい。ダメかな?」

「私も・・・佐江ちゃんがいい!この先も・・・ずっと!」

柏木も声をあげる

「おまえら・・・わかってるのか?私らの使命は・・・」

「わかってる。だから、せめて王女がくるまでは・・・好きにさせて。そこから、どうするか決めてもいいんじゃない?」

小嶋はいつになく真剣なトーンで言った

「・・・いつか、離れる日がくるんだぞ?ずっといる方が・・・辛いときだってあるんだぞ?」

「わかってる。でも、今離れるよりその方が、ずっといい」

柏木も真っ直ぐ高橋を見つめた

「そっか・・・みんな、いいパートナーに出会えたってことだか・・・」

高橋はフッと笑い

「じゃあ、2人には約束してもらう」

高橋は篠田と宮澤の方を向いた

「必ず、教員になって戻ってきてきてくれ。そして、王女が来る時・・・フォローしてほしいんだ。この世界で、生活ができるように」

「わかった」

「もちろんっ!」

篠田と宮澤しっかりと頷いた

――――

「ねぇ、佐江ちゃんはさ。教師になったこと後悔したことないの?」

「え?なんで?」

「だって、大鳥さんに憧れてたから・・・その・・プロとかそっちに行きたかったんじゃないのかなって」

「あー。ううん。全然。元々教員には興味あったしさ、それにこうしてバスケの顧問させてもらえてうれしいよ」

宮澤はニコッと笑う

「お・・・もしかして、佐江か?」

「え?」

聞き覚えのある声を聞いて振り返る

「お、当たった」

「佐江ー。久しぶりー」

そこには背の高い女性が2人立っていた

「大鳥先輩、千田先輩!」

宮澤は思わず駆け寄る

「今シーズンオフでさぁ。休暇取れたから久しぶりに遊びに来たんだよー」

「今は佐江が教えてるって聞いて、覗きに来ちゃった」

2人はにこっと笑う

大鳥と千田は大学もバスケを続け、実業団チームに所属しているのだ

いわば、プロの様なものである

「あー・・・でも練習終わっちゃったんですよねー」

「えーなんで?」

千田が尋ねる

「いや、今日テスト終わりで練習早く終わったんです」

「そうなんだ。で、生徒がいなくなった後こっそり練習してたの?」

大鳥はくすっと笑う

「もーそんなんじゃないですよー」

宮澤は口をとがらせる

「ねぇ、あの人は?」

千田が柏木の方を見る

「あぁ、ここの保健室の先生なんです」

柏木はぺこっと頭を下げる

「ん・・・?」

大鳥は首をかしげた

(どっかであったような・・・?)

柏木は宮澤と契約を結んだので、それまでに学校で会った人たちの記憶を消していたのだ

「佐江の彼女?」

そういって千田はにこにこと笑う

「はいっ!」

宮澤は迷うことなく頷いた

そして

「先輩達も順調なんでしょ?」

ニヤッと笑った

「そんなの当たり前でしょー。鳥ちゃんには私が必要なんだから」

「あはは。そういうこと」

千田に腕を組まれ、大鳥はにこっと笑った

―――
その頃

玲奈は寮にもどり、渡辺が渡してきた本に目を通していた

織田信長という名前は聞いたことあった

天皇から武士が政権を奪い

天下を統一した人物・・・

ヒスイがさらりと言って以来

歴史について学ぶことがなくなってしまった

レナはなんとなく疑問に思っていたのだが

『いずれ、あなたは日本に行くことになるかもしれません・・・歴史はその時に学んでください』

そう言われた

ヒスイの顔が寂しそうだったので

玲奈はそれ以上詮索できないでいたのだ

「たっだいまー」

部屋のドアが開き、部活を終えた珠理奈が部屋に入ってきた

「おかえりなさい」

玲奈は本を閉じ、珠理奈の方をむく

「いやーやっぱりバスケはいいわー。ずっとできなかったからさー楽しかったよー」

珠理奈はニコニコと笑いながら荷物を床に置く

「よかったね」

嬉しそうな珠理奈の顔を見て、玲奈はクスッと笑った

「玲奈ちゃん今日は何してたの?」

「私は、図書室でいたよ」

「ふーん。借りてきたの?」

「あ、うん」

珠理奈は玲奈の机をのぞき込み

「あー織田信長だ。かっこいいよねー。」

そう言った

「珠理奈は知ってるの?」

「え?信長?知ってるよー本能寺の変は私でもしってるからね」

あまり勉強が得意ではない珠理奈は苦笑いをしながら言う

「本能寺の変・・・?」

「あ、そっか。玲奈ちゃんは異世界の人だから日本の歴史とか詳しくないよね。明智光秀っていう家臣が信長に逆らって討つんだよ」

「そうなんだ・・・」

玲奈はぱらぱらとまだ読んでいない後半のページをめくる

『本能寺の変』

というフレーズが目にとまり、ページを止めた

そこには刺し絵がはいっており、炎の中で刀を構え今にも刺し合おうとしている2人の武士が居た

「これこれー。こっちが信長だよー。ちょび髭だし」

そういって、珠理奈は左の人物をさす

「そうなんだ・・・」

「でもさ、光秀もすぐに殺されちゃって三日天下とかいわれてるんだよー。その後は豊臣秀吉が天下とってさー」

「そうなんだ」

「私、唯一そこだけは歴史好きなんだよねー」

そういって珠理奈は笑う

「そっか。じゃあ、ちゃんと読んでみようかな」

「え?」

「珠理奈の話しきいたら、なんだか面白そうだし」

玲奈はニコッと笑う

「・・・」

珠理奈はその顔にドキッとする

ドンドンドン!

「わっ!」

「きゃっ!」

いきなり戸がたたかれ、珠理奈と玲奈は声を上げる

「珠理奈!大変やっ!」

その声は横山だった

「な、なんだよ。ゆいはんか・・・」

珠理奈は戸を開ける

「今、宮澤先生から連絡が来て、栄堂工業の大鳥さんと千田さんが来てるって!!」

「えっ、マジ!?」

珠理奈は声を上げる

「誰?それ?」

「女子バスケ界のアイドルみたいなもんやな。プレー技術もさながら、ルックス抜群で人気なんやで」

「そうなんだよ!すっごくカッコいいんだから!」

珠理奈は興奮しながいう

「なんや、宮澤先生の先輩なんやって。今から体育館に来れないかって連絡があってバスケ部に声かけてんねん」

「行く行く!あ、玲奈ちゃんもいこうよ」

「え?」

「見るだけでも、価値あるからさ」

「そうそう!ほな、私他の子にも声かけて来るから」

「わかった!行こう、玲奈ちゃん」

「え、う、うん・・・」

珠理奈は玲奈の手を引き走りだす

「・・・」

玲奈は握られた手を見つめ

胸があったかくなるのを感じていた


そして、珠理奈たちバスケ部は大鳥と千田に指導を受け

最後は宮澤も混じり試合をした


「やっぱり佐江ちゃんかっこいいなー」

そう言いながら、見つめる柏木の横で

楽しそうにプレーをする珠理奈を見て

玲奈はクスッと微笑んだ


僕の彼女は魔法使い26


―――

そして、準決勝が始まった

「「行け行けーーー!」」

「「守れーー!!」」

「「わぁぁぁっ!!」」

たくさんの観客が声を上げる中、柏木はぎゅっと手を握り試合を見つめていた

ガンッ!

宮澤のドリブルシュートが外れる

「くっ」

顔をゆがませる宮澤に

「リバウンドー!」

大鳥が叫ぶ

そして、スパッ!

同じ1年の佐々木がボールをとり、シュートした

「「わぁぁぁぁぁっ!!」」

観客たちは声を上げた

「ナイッシュー」

「はいっ」

コート内で大鳥と佐々木はニッと笑う

「佐江、いいからどんどん打てよ」

大鳥は宮澤の背中をたたく

「はいっ!」

宮澤は弱気な気持ちを振り払うように声を上げた

そして、試合は終盤

ピピー!

相手のファウルで宮澤にフリースローのチャンスが回ってきた

「はぁ・・・はぁ・・・」

宮澤はボールをつきながら、リングを見つめる

コートを走り回り、何度も何度もボールを投げたが、力が入ってうまく決めれないでいた

今回のフリースローもシュートが入らなかったので2回投げる

シュッ!

ガンッ!

ボールは無情にもはじかれる

「・・・」

宮澤は顔をゆがめる

「佐江、大丈夫だ!」

大鳥の声が聞こえ、ハッとした

そして、顎でくいっとメンバーがいる方を見る

「佐江ー!大丈夫だー!」

「入るよー」

皆、大声で声援を送っていた

「佐江、投げろ。絶対拾うから」

「そうそう、悩まないで投げなー」

コートに居るメンバーたちも声をかける

『チームでやってるんだ・・・って』

宮澤は大鳥の言葉を思い出す

そして、千田も力強く頷いていた

宮澤は、ふーっと息を吐き

シュッ

投げた

グルングルン

ボールはまたリングを周り

グラッ

外れたっ!

宮澤がそう思った時

ボールの下から手が伸びてきた

同じ一年の佐々木だった

がっちりとボールをつかみ

「佐江っ!もう一回投げろ」

佐々木は宮澤にボールを戻す

パンッ!

宮澤は反射的にボールを受け取り構える

「昨日の感覚!思い出して!」

どこからか、声が聞こえた

「!!」

シュッ!

ふわっ・・・

ボールは綺麗な孤を描き・・・

入る

直感的に思った

スパッ!

「「わぁぁっ!!」」

「よしっ!ナイッシュー!」

佐々木はガッツポーズをし、佐江に駆け寄る

「ありがと」

「何いっての?フォローするの当たり前でしょ?チームなんだから」

「・・・うん。そうだね。よしっ!守ろう!」

「そうそう!佐江はそれくらいがいいよ」

「え?」

「みんな、佐江が元気無くないって心配してたんだから」

「みんなが・・・?」

宮澤はコートの外を見る

「ほら、2人とも守るよー」

大鳥が声をかけ、ニッと笑った

「「はいっ!」」

宮澤たちは大鳥の方に駆け寄る



そうだ、シュート決めなきゃって・・・思ってたのって

皆と勝ちたいからだったんだ

このチームで・・・優勝したかったんだ


だめだなぁ・・・ホントに大事なこと忘れてた

宮澤は顔を上げ、手を大きくひろげ

守りに徹する

その顔に、迷いはなかった


―――

「みんなよく頑張った」

試合が終わり、会場のロビーで監督が話しをする

試合は苦しくも負けてしまった

みんな目を赤くしていたが

宮澤はしっかりと目を前を向いていた

大鳥はその表情見てフッと笑った


試合後、宮澤は学園の体育館に居た

ダムダム・・・

誰も居ない体育館にボールの音が響く

「・・・」

ボールをつくのを止め

「・・・いるんでしょ?」

宮澤は問いかける

「・・・でてきてよ」

「・・・」

「なんで、わかったの?」

体育館の中央から、柏木が姿を現した

「今日の会場で、声が聞こえたから。でも、姿が見えなくて・・・魔法使いだから姿とかけせるのかなと思って」

「・・・そっか。ばれてたんだ」

柏木はバツが悪そうに言う

柏木は姿を消し、コート近くで試合をみていたのだ

「・・・」

「・・・」

宮澤と柏木の間に沈黙がながれる

「・・・ごめんなさいっ!」

柏木は勢いよく頭を下げる

「いいよ。私もごめん・・・」

「・・・許して、くれるの?」

柏木はおそるおそる、頭を上げる

「うん・・・」

宮澤は頷いた

「キャプテンと話ししたんだね」

「うん・・・。今日、調子わるそうだったから・・・私のせいかなって・・・」

「・・・ううん。それは自分が悪いから」

「・・・私ね、ずっと風を操ることはいいことだっておもってた」

「え・・・?」

「この世界に500年くらい前からいるの」

「そっ、そんなに?」

「うん。私が来た当時は戦国時代で戦のたびに風を操って助けてたの・・・だから、それが当たり前だったし、いいことだと思ってた。戦が終わったあとも、火事のときは風を止めたり、広がらないようにしたり・・・最近だって追い風は喜ばれてたから・・・風を起こして怒られるなんて考えたことなかった」

「・・・」

「でも、それって私の考えだけだったんだよね。あなたの気持ち、考えてなくて・・・ごめんなさい」

「・・・ううん。私も・・・いきなり怒鳴ってごめん。・・・応援してくれてたんだよね」

「・・・」

柏木はこくっと頷く

その目には涙が滲んでいた

「キャプテンに言われた。一人で練習したら自分の考えに固執するって・・・私も、柏木さんの気持ち考えずに怒鳴ってごめんなさい」

「・・・」

柏木はふるふると首をふる

「うん。でも、約束して。もう、バスケの時は風をおこなさいって」

「うん、約束する。今日だって、ちゃんとなにもせずにみてたんだから」

「ありがとう。今日、シュートはいったの柏木さんのおかげだよ」

「え?」

「昨日の感覚、思い出してっていったよね」

「・・・聞こえて・・・たんだ」

柏木は苦笑いをする

「うん。おかげで、大事なことも気づけたし・・・感謝してる。試合は負けちゃったけど・・・私にとってはいい試合だったよ」

「・・・そっか。よかった」

「だからさ、契約者になるよ」

「え?」

「約束まもってくれるんだから。私も言ったことは守らないとね」

宮澤はニコッと笑う

「宮澤さん・・・ありがとう」

柏木もニコッと笑った

「「・・・」」

なんとも照れくさい空気が、二人をつつむ

そして

体育館の入り口から足音が聞こえて

宮澤は振り返る

「あれ、佐江?」

「何?佐江も来てたの?」

「え・・・みんな?」

1年生部員がわらわらとやってきた

「今日の試合くやしくてさ。自主連するっていったらみんなついてきちゃった」

佐々木は笑う

「私らだって負けてらんないからさー」

「そう思ってたら、佐江の方が先にいるんだもん。ビックリしたよ」

「抜け駆けなんてずるいよー」

「そうそう、相手要るでしょー?」

みんなニッと笑う

「ありがと」

宮澤も笑った

「さ、練習練習」

部員たちはコートの端に荷物を置きだす

宮澤はハッとして振り返ると、すでに柏木の姿はなかった

「よかったね」

耳元で声が聞こえた

柏木はとっさに姿を消していたのだ

「・・・ちょっと、残念だけど」

「え?」

「ううん。あ、あの契約者になる方法・・・あとで教えるね。じゃあね」

ふわっ

柔らかな風が吹き

宮澤の前髪を揺らした

宮澤は目を閉じ

その風を感じる

「何してんの?」

佐々木が不思議そうに問いかけた

「いや・・・いい風だなって思って」

「風?体育館で?」

「いいの。さっ、練習練習」

宮澤はニッと笑った

――――


そして、篠田と宮澤は生徒会長に立候補した

篠田は、あの一件から眼鏡もコンタクトに変え、根暗なイメージを変えるために同級生に話しかけるようになった

何があったのかとクラスの人たちは驚いていたが

男子からは黒縁眼鏡女子は実は美人だったというアニメの様な展開に一気に人気が高まった

そして、生徒会長立候補演説で緊張して博多弁が出たことも幸いし

男子からの投票獲得数No.1となり

篠田はこの年見事、生徒会長になったのであった

一方、宮澤は元々イケメン女子とて同級生から絶大な人気があった

そして、演説場所が体育館であることを利用して

ドリブルシュートを決め

先輩達のハートも鷲掴みにしたのだった

そして、女子からの獲得票数No.1となり

副会長に任命された

前田も、乗り気ではなかったのだが

この学園のために何かをしたいという思いが話しているうちに強まり

最後は泣いてしまっていた

その様子に胸を打たれた生徒たちから投票され

無事、書記として落ち着いたのだった



僕の彼女は魔法使い25



次の日―

昨日と同じ会場で試合が行われていた

ガンッ!

「あっ!」

宮澤の投げたシュートがリングにはじかれる

「佐江、ドンマイ!」

大鳥が声をかける

「・・・すいません」

宮澤は小さく呟き、走る

「・・・」

その姿を怪訝そうに見つめていた

朝、学園の体育館で集合になっていたのだが

鍵を取りに行った大鳥は、顧問から聞いたことに驚いていた

『昨日、宮澤最後まで残ってたんだけど、片づけもせずに帰ったみたいなんだ』

『えっ?』

『あいつ、いつもちゃんと掃除までして帰ってたのに・・・昨日は、なんにもせずにいなくなっててさ。荷物もそのままで・・・まるで・・・』


何から逃げたみたいだった


「・・・」

大鳥は顧問から言われたことを思い出し

宮澤の背中を見つめていた


ビーーー・・・

試合が終わり

なんとか秋葉学園が勝利した

だが、宮澤が入れたのは4点・・・

果敢にシュートを入れていたのだが

ほとんどが入らずにいた

「ベスト4だよー」

「次勝てば聖光だよねー」

「・・・」

わいわいと盛り上がるメンバーとは対照的に

宮澤は素早く荷物をまとめ

歩き出した

「・・・理恵、荷物お願い」

「う、うん」

大鳥は千田の腕に荷物を押しつけ、宮澤の後を追った

「・・・」

そんな様子を柏木は観客席でひっそりと見つめていた


「佐江のやつ、どこいったんだよ・・・」

大鳥は会場内を駆け回る

「あ、あの・・・」

「え?」

「バスケ部のキャプテンですよね?」

そこには、秋葉学園の制服を着た柏木が立っていた

「そうですけど・・・」

「あ、あのっ。宮澤さんのことで私謝らなきゃいけないことがあるんです」

「え?」

大鳥は首をかしげた

――――


宮澤は会場外のベンチにいた

わぁぁぁっ!!

ピーーー!

遠くで試合の音が聞こえて来る


「はぁ・・・」

宮澤はうなだれる

試合は散々だった

投げても投げても・・・あざ笑うかのようにリングにはじかれる

・・・結局、私は全然かわってないのかな

悔しくて涙が滲んできた

「佐江」

その声を聞いて、パッと顔を上げる

「キャプテン」

「探したよ・・・こんなとこに居たんだ」

大鳥は宮澤の隣に座る

「なんかあったのか?」

「・・・」

宮澤は答えない

「昨日の今日でスランプか?」

「・・・違います。スランプなんかじゃないです・・・そういうのじゃなくて、元々私はできないんですよ」

「え?」

「シュートが入らない・・・ダメなやつなんですよ」

「そんなことないよ」

宮澤は首を振って、俯く

「昨日、やっぱり遅くまで練習してたんだろ?」

「え・・・」

「それに、木曜学校が早く終わった時も、内緒でやってたんだろ?」

「え・・・なんで知って・・・」

「さっきさ、柏木さんって人と話したんだ」

「えっ!」

宮澤はバッと顔を上げる

「先輩、じゃあ・・・聞いたんですか?」

「え?なに?」

「その・・・風のこと・・・」

「風?いや、彼女そんなこと言ってなかったよ」

「へ?」

「詳しくは言えないって言ってたことに関係するのかな?ものすごく言いづらそうだったから、言わなくていいって言っちゃった」

(そっか・・・魔法使いだからそれは隠したんだ・・・)

宮澤はとっさに理解する

「練習してたのに、怒らせちゃったって・・・すごく申し訳なさそうに言ってたよ」

「・・・」

「ただ、佐江が頑張ってたから、応援したかっただけなんだって」

「え・・・」

「柏木さんにとってはよかれと思ってしたことなんだよ。でも、それが佐江にとっては許せないことだったんだね」

「・・・」

「気持ちはわかるよ。私もさ、実は理奈に練習してたのばれて、他のメンバー連れてきた時怒っちゃったんだ」

「え・・・」

「なんか、気恥かしくて、こっそりやってたのになんでばらすんだってね。でも、理奈にいわれたんだ。一人で練習しても、試合はチームでしてるんだって」

「・・・」

「みんなにも言われたよ。理奈が言ってくれるまで気付かなかったけど・・・聞いて私もやらなきゃって思ったって。皆で、強くなろうって・・・さ」

大鳥は空を見上げる

「意外とさ、一人でやってる時って結構固執しちゃうものなのかもね」

「・・・」

「あ、別に一人で練習してるのが悪いわけじゃないよ。意識の問題ね。なんか、他の人の意見を受け入れにくくなってたっていうか・・・気持ちが自分寄りになってたって言うか・・・相手がどう思ってるかちゃんと聞こうとしなかった」

大鳥は苦笑いをする

「あ・・・」

宮澤は柏木に怒鳴ってしまったことを思い出し、ハッとする

「私は理奈に気付かされたから・・・だから、今こうして2年生はまとまってるんだと思うよ。だからさ・・・」

大鳥は宮澤の方を見る

「柏木さんの話し、ちゃんと聞いてあげなよ。きっと、彼女には彼女の思うことがあるんだよ」

「・・・」

「それに、佐江がどんだけ外したってフォローするよ」

「・・・」

「だって、それがチームってもんでしょ?」

「あ・・・」

宮澤の目から涙がにじむ

「そんな顔しない。次の試合もあるんだから。じゃあ、アップ参加しなよ」

そういって大鳥はポンっと肩をたたき立ち上がり歩き出した

「・・・チームか・・・」

宮澤は自分の手を見つめた

―――

「鳥ちゃんどこいってたの?」

「いや、ちょっとね」

大鳥はメンバーが集まっている所に合流し、誤魔化すようにニッと笑った

「キャプテン、佐江みませんでしたか?」

1年生たちが声をかけてきた

「会場内探してるんですけどみつからなくて・・・」

「・・・」

大鳥はフッと笑う

「佐江なら大丈夫だよ」

「でも・・・」

「大丈夫。それに、みんなが佐江を励ますのは試合中が一番いいんじゃない?」

「・・・」

1年生たちはハッとしたが

「「はいっ!」」

みんな、しっかりと頷いてくれた

「うん。じゃあ、アップしにいこうか」

「「はいっ!」」

1年生達はボールを抱えアップするために移動しだした

「そんなに心配してるなら、佐江が練習してるの気付けばいいのにー」

千田は口をとがらす

「・・・」

大鳥は、柏木との会話を思い出す

『どんなことがあって怒らせたから言えないんですけど・・・。よかれとおもってしたことが裏目に出ちゃったんです・・・私はただ宮澤さんが頑張ってたから・・・応援したかっただけなんです』

そして

『鳥ちゃんが頑張ってるから、私も頑張ろうって思ったの!みんなだってそう思ったの!私は・・・ううん、皆だって鳥ちゃんのこと大好きなんだから!!』

ぐしゃぐしゃの泣き顔で千田が1年前に言った言葉も・・・


きっと、佐江もわかってくれるだろう・・・

自分が、どんなに支えられて思われているかって



「まぁ、どういう団結をするかは1年生達に任せよう。じゃあ、私たちも行こうか」

そういって、大鳥は千田の手を取る

「・・・わかった」

千田は照れくさそうに、ニコッと笑った




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