―――

そして、それから日はあっという間に過ぎて行った

「最近みるきー綺麗になったよな」

「え?そう?」

「うん、なんか機嫌もええしー。雰囲気違う」

レッスン中、朱里と美瑠が話しかけてきた

「卒業ってなると皆雰囲気かわるよなー」

「うんうん」

「そう?別に意識してないんやけどなー」

「なぁなぁ、今どんな気持ちなん?卒業ってなったらやっぱり意識とか変わる?」

美瑠がずいっと私に顔を寄せる

その顔は興味深々だ

「こら。そろそろレッスン再開すんでー」

そういって彩ちゃんが美瑠の後ろに現れる

「「はーい」」

彩ちゃんの一声で、皆ぞろぞろと動き出す

このレッスンは、私の卒業コンサートのためのものだ

皆とこうして練習できるのも・・・もう数える程度になってしまった・・・

「「・・・」」

私と彩ちゃんの目が合う

「・・・みるきーもいくで」

そういって彩ちゃんはちょっと照れくさそうに親指をくいっと後ろに引いた

「うん」

私はにこっと笑い、彩ちゃんの後ろを歩く


最近機嫌がいいのは

タイの撮影後から

彩ちゃんとの距離が近くなったからちゃうかなー

撮影とか一緒になること多いし

さやみるきーについて聞かれても嬉しいこといっぱい言ってくれてるし・・・

まぁ、「つきあってない」って言うのは余計やと思うけどー・・・


キュッ・・・

彩ちゃんのシューズの音が鳴り

位置につく

キュッ・・・

私も、その横につき

・・・前を向く

レッスン場の鏡に

私たちが映った

2人の後ろに

メンバーたちが並んでる

もう・・・この景色を見るのも

数えるほどになってしまうんやなー・・・

「・・・」

ふと、鏡の中で彩ちゃんと目が合った

「はーい!じゃあ一回通して行くよー!」

「「はい!」」

先生の声で全員が前を向く

音が流れる前の数秒間に

私はちらっと横目で彩ちゃんを見る

彩ちゃんも私の方をちらっと見て

ニッと笑った

(いくで!)

不意に、夢で聞いたフレーズが頭の中で響く

(・・・うんっ!)

私はそれに応えるように

ニコッと笑った

―――

そして・・・

卒業コンサートの日・・・

「「わぁぁぁぁぁっっ!!」」

私はオープニングからぶっ続けで踊っていた

キラキラ光るサイリウム

皆とのやりとり

どれもが楽しかった

そして

「「アイドル最高ーーー!!」」

そう叫んだ時

心から湧きあがってくるものがあった

あぁ・・・私・・・

なんだかんだゆうても

アイドル・・・好きなんや・・・


だから

「私、卒業するんですか?」

思わず、そう言っていた

「しないんですか!?まぁ、しないならしないでいいんじゃないんですか?」

彩ちゃんが目を丸くする

そして・・・言ってくれたことは

きっと、本心だと思う

だって、ぶっきらぼうな言い方は

照れてる時にしかしないから・・・