それから、美優紀は吉田と遊ぶようになった

ファッション雑誌を参考に2人で化粧をしたり

駅前のゲームセンターでプリクラをとったり、買い物をしたり・・・

それは、美優紀の今までの生活とは全く違う世界だった

楽しかった

吉田と笑って、街を歩いて・・・

友達だと初めて思える人に出会えたと思っていた


だが・・・

「美優紀!あなたいい加減にしなさいよ!」

美優紀の母がリビングで声を上げた

「・・・」

美優紀はむすっとした顔で母を睨む

夏休みが開け、2学期が始まっても美優紀は吉田と遊び続けており

塾に行っていないこともばれたのだ

「あなた、なんであんな子とつきあってるの!?あの子、定時制の学校でしょ!?そんな子とあなたが一緒に居るなんてお母さん耐えられないわ」

「何も知らん癖に、なんでそんなこというん!?」

「いい、美優紀。あなたは勉強していい大学に行くの。だからあんな子とは遊ばないで」

「それはお母さんができんかったから?」

「・・・!」

その言葉に母は顔をしかめる

「全部聞いた。お父さんが浮気してることも、お母さんがいい大学に行かせたいのも・・・」

「・・・」

「今まで私にしてきたことは、全部自分らのためだったんやろ?だったら、こんな人生いらん!私は私の好きに生きる!」

パンッ!

乾いた音がリビングに響き・・・

「・・・・っ」

美優紀は頬を押さえ涙ぐむ

「いいかげんにしなさい」

母は冷たく言った

「っ!なによっ!」

美優紀は鞄を手に、家を飛び出した

一旦出だした涙は、止まることなく溢れ続ける

「なによっ・・・なによっ・・・」

じんじんと疼く頬の痛みよりも

心が痛かった

―――

「みるきー」

外灯が照らす駅前の花壇の脇に腰掛けた吉田がパッと手を上げる

「アカリン・・・」

「え、どないしたん?その顔」

「叩かれた」

「え・・・?」

「お母さんに。でも、ええねん。私、高校辞めて家出て行こうかな」

「え?どないしたん。急に・・・」

吉田は眉をひそめる

「ええの。なぁ、アカリン家泊めて」

「え?」

「しばらくは帰らへんつもりやから」

「みるきー・・・」

「私、愛されてないねん」

美優紀はそういって笑った

その顔は、精一杯強がっている顔だった

「ごめん。みるきー。家は・・・泊めれん」

「え・・・」

「でもな、朝まで一緒におるよ」

吉田は美優紀をそっと抱きしめた

「うぅ・・・」

美優紀の頬に涙が伝う

「・・・」

吉田はそんな美優紀の背中をだまって撫でていた