「にゃんにゃん!」

高橋は声を上げる

「なんか最近私のポジションいいよねー」

中に入り、地面に着地すると小嶋は笑った

「そんなこと言ってる場合じゃないと思うよ」

篠田はため息をつく

「・・・これはいったい」

ついてきた珠理奈は息をのむ

「りんちゃん!」

宮澤は倒れている柏木に駆け寄る

「・・・」

玲奈はおろおろとあたりを見渡し、困惑していたが

「みなさん、今傷を治しますからね」

意を決したように手を宙にかざす

「玲奈・・・助かったぜ」

高橋は絞り出すような声をあげる

「ちっ、まぁいい。一番の本命はおまえだからな」

男はにやっと笑い、固まった腕をちぎる

「な・・・」

高橋は目を見開く

そして、土が周りをつつみ

新たな腕が出てきた

「・・・これは・・・っ!玲奈っ!お前が今持ってる最大の回復呪文を使え!」

高橋は叫ぶ

「はいっ!」

玲奈は呪文を詠唱する

「させるかよ」

男は玲奈に近づこうとしたが

「でやっ!」

珠理奈が体当たりをして時間を稼ぐ

「なんだよお前」

「邪魔させるかっ!」

珠理奈は恐怖心を必死に押し殺すように歯を食いしばり

玲奈の前に立ちはだかる

「――――」

玲奈の呪文の詠唱が済み

部屋一面がまばゆい光に包まれた

サヤカ達は身体が暖かくなり、痛みや傷が癒えていく感覚に包まれる

それとは裏腹に

男は苦悶の表情でよろめく

「よしっ!みんな、反撃だ」

高橋の合図にサヤカがいち早く反応し

男の首に蹴りを入れる

男がよろめいたところに

地面が変形に槍が一斉に襲う

「ちっ」

男は飛びあがり、それらを跳ねのけようとするが

「させない」

柏木が跳ねのけた槍たちを風で方向転換させ、また男に向かわせる

シャッ!

小嶋が素早く男の足を凍らせ

身動きができないところに一斉に槍が襲った

そして、男の身体は削られ砂が舞う

「今だっ、ゆきりん風を!」

「うんっ!」

柏木が竜巻を起こし

砂と砂の結合を防ぐ

「ちっ」

結合ができず、男は舌打ちをする

「サヤカ!」

「おうよっ!」

サヤカは男に飛びかかり、技を繰り出す

男はそれに応戦し、また身体が削れていく

そして、胸の核が見えた

「にゃんにゃん!」

「はーい。はなれてー」

サヤカが離れると

小嶋が核めがけて氷の矢を放つ

カキン!

核が氷り、人型を作っていた土たちが地面に落ちる

「よしっ!」

高橋は声を上げるが

ピシッ・・・

氷にヒビが入り始める

「玲奈っ!」

「は、はいっ!」

その核に回復魔法を使うんだ

「え?」

「いいから、早く」

「は、はいっ!」

玲奈はその核に手をかざし

呪文を唱える

「ヤ・・・ヤメ・・・ロォォォォォ!!」

人の声ではないような悲鳴が聞こえ

バァァァァン!

核は氷の破片とともに激しく砕け散った


カランカラン・・・

地面に破片の音が響き

辺りは静寂に包まれる


「や・・・ったのか」


サヤカは肩で息をしながら高橋の方をみる

「あぁ、核が破壊されたんだ。もう再生しねぇよ」

「はぁー・・・よかったぁ」

柏木はへなへなとその場に座り込む

「すごいねー。なんかチームーワーク良くない?」

この状況で、小嶋だけはにこにこと笑っていた