気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

2015年02月

不器用太陽-1年後、夏-⑤

「ただいまー」

店に帰ってきた山本は荷物を手に叫ぶ

「おかえりー。ちゃんと買えたー?」

母親がいそいそと山本の方に駆け寄る

「買えたわ。あと、ご新規さんも契約してきたで」

「え?ほんま?もーやるやん彩」

そういって母は背中を叩く

「わっ!」

段ボールを持っていたので山本は転ばないように足でバランスを取る

「あぶないなー。せっかくの商品だめにすんなや」

「ごめんごめん。で、どこの人?」

「あー茉由の家の近くで、なんや喫茶店してる人。山田さんってゆうてた」

「そうなん?あそこスーパーとか近いのに頼んでくれたんやなぁ」

母は首をかしげる

山田と言う女性が喫茶店をしている場所は

スーパーや飲食店、服屋などがならぶアーケードが車で5分くらいの距離にあり

この周辺ではそこに買い物に行く人も多い

山本たちも服などを買いに行ったりもしている

いわば、ここらで言う街なのだ

「そうやなぁ。でも、市場に来てまで食品探すくらいやからこだわってるんちゃう?」

「へー・・・そうなんや」

「さっそく午前中に配達行ってくるから」

「はーい。頼むわなー」

母親は嬉しそうに山本の手から段ボールを奪い、陳列を始めた

―――

「ほな、いってきまーす」

「「いってらっしゃーい」」

渡辺も迎えに行き、バンに配達の荷物を積み込んだ山本は

渡辺と母に見送られながら配達へと向かった



「ここ曲がったら・・・あ、ここかな?」

そう呟きながら

一件の家の前に車を止めた

古いこじんまりとした平屋の一軒家で

家の前には『喫茶 たんぽぽ 』と手書きで書かれた木の板の看板が立てかけられていた

玄関の入り口には準備中という札がひっかけられていた

「こんにちはー。山本商店ですー」

そういって戸をあける

中はリフォームをしたのか

4本の古い柱以外は区画がなく、板間の1フロアになっていた

古い柱の色に合わせたのか深いシックな茶色の板間が古民家という印象を消さずに留めていた

中に入るまではこじんまりとした印象だった家だったが

区画がない分、奥行きが広く感じられた

端には長いカウンターが設置されており

椅子やテーブルも様々な種類があり、アンティーク調な感じが出ていた

「あーありがとう」

奥の厨房らしきところから山田がひょこっと顔を出す

「はい、これ言われてた分です」

そういって袋を手渡す

「ありがとう。時間ある?せっかくやから食べてって」

「え?いいですよ。いいですよ。一回店帰らなあかんので」

「えーじゃあコーヒーだけでも。今朝のお礼。あかん?」

「じゃあ・・・お言葉に甘えて」

「あ、スリッパどうぞ」

そういって広い玄関の横にある下駄箱からスリッパを出す

どうやら靴を脱いでくつろぐシステムらしい

山本は玄関の端に靴を置くき、店の中に入る

「めっちゃきれいですねー」

「えへへーそうやろ?出世払いでこれから頑張らなあかんのやけどなー」

そういってカウンター越しに山田は笑う

「いつオープンですか?」

「今週末。ホンマは先週にオープンしたかったんやけど・・・内装とか注文してたソファーとかが遅れてしもて。やっと落ち着いたら料理の事忘れてて今日市場に行ってたんよ」

「へー・・・・」

「あ、座っててー」

「あ・・・すいません」

そういって山本はカウンターの椅子に座る

「でも、近くにスーパーもあるのに、なんで市場に来てたんですか?」

「私、家が農家でお父さんからよく野菜の見分け方とか教えてもろてたんよ。でな、実際に自分で納得するもんやなかったら買われへんくって」

「はぁ・・・」

「スーパーで何個もじろじろみてたらめっちゃ怪しいやん。それに、時間かかるし。朝早く市場にいったら見分けられるから、前働いてた時もそうしてたんよ」

そう言いながら山田はコンロにヤカンをセットする

「でな、今日市場で私がええなっておもてた野菜を選んでいくから、この人やって思って頼んでん」

山田は振り返って笑った

「あ・・・ありがとうございます」

山本は照れくさそうにペコっと頭を下げた

「ううん、こちらこそ。いきなり頼んだのに引き受けてくれてありがとう」

そういって山田はコーヒーの準備をする

「・・・」

手持無沙汰な山本はきょろきょろと店内を見渡す

奥の一角にひとつ段が上がったステージのようなものがあった

「なんかライブとかするんですか?」

「そうやねん!」

そういって山田は山本に詰め寄る

「実はここが一番のこだわりやねん」

「へーそうなんですか」

「喫茶店はやっぱり生演奏やでー」

「は、はぁ・・・」

山田の勢いに山本はたじろく

「でも、肝心の演奏者がおらへんから、これから探す予定なんやけどなー」

「へー・・・」

「ピアノ入れたかったんやけど高いから・・・今のところは予算オーバーで泣く泣く諦めてん」

「そうなんですか・・・でも、ギターとかならいけそうですよね」

「そうそう!あ、彩ちゃんもしかしてギターできる人?」

「彩ちゃんって・・・」

いきなりのちゃんづけに山本は驚く

「あ、ごめん。私の事も名前で呼んでいいからー。だって山本さんっていうんもなー」

「は、はぁ・・・」

山田の勢いに乗せられ山本は思わず頷く

「で、できる人?」

「ま、まぁ・・・高校の時は友達とバンド組んでたりしてて」

「えーホンマ?ちょっとバイトせぇへん?土曜日の夜に演奏会を予定したいねん」

そういって手を合わせる

「えーでも・・・そんなたいそうなんできませんよ。クラッシックなんとかできませんし」

「ええよ。なんやっけあのー流し的な感じで。レパートリーの中から弾いてもろたら。」

カタカタカタ・・・

ジュー・・・

話しに夢中になり

ヤカンの注ぎ口からお湯が噴き出し、コンロに勢いよく落ちる

「あーあかん、あかん。とりあえずコーヒー淹れるわな」

「あ、はい・・・」

山田は山本に背を向けてコーヒーを淹れ始めた

(・・・流しって何歳やねんあの人は)

そんなことを思いながらぼーっと山田を見る

(うーん・・・あの感じは私より確実に年上やな。30くらいか・・・?店やるぐらいやし・・・)

「お待たせー」

そういってコーヒーを山本の前に出す

「いただきます」

そういってずずっとコーヒーを啜る

ほろ苦い味がスッと消え、後味の良いコーヒーだった

「うまい・・・」

普段インスタントコーヒーしか飲まない山本だが、このうまさは理解できた

「えへへー伊達に何年も修行してないねんで」

そういって山田はにこにこと笑う

「いや、なんか衝撃です。流行りますよ絶対」

「ホンマ?ありがとう。ほな、演奏よろしく」

「へ?」

「流行るためにはいい音楽もいるから。な?」

「は・・・はぁ」

そういって半ば強引に約束を取り付けられたのだった

不器用太陽-1年後、夏-④

数日後――

早朝

山本は市場に来ていた

「ふぁー」

あくびをしながら並べられている魚や野菜を見て回る

いつもは父親もいるのだが

旅行に行くと決まった日から母親のテンションは下がることなく

一人で店を回せるかどうかチェックをされ続け

今日は一人で仕入れをしてこいとのお達しなのだ

「ったく・・・初めてのお使いやないねんから」

そう呟きながら、ポケットにつっこんでいたリスト用紙を出し

目を通す

「ねーちゃん危ないでー!」

「すいませーん」

「おい!危ないって」

「へ?きゃー!すいませーん!」

「ん?」

遠くからそんな声が聞こえて山本は顔を上げる

そこには、にぎわう市場を通る小型のフォークリフトから逃げ回っている一人の女性がいた

(見ん顔やな・・・ていうか避けてんのかあれ?当たりに行ってるで)

山本はそんなことを思いながら買い物を続けていた


買い物をあらかた終え

最後に野菜を扱っているところに足を運ぶ

「えーそうなんですか?」

「すまんなーねーちゃん。ていうか、どうやって入ってきたんや?」

いつも野菜を買っているところで一人の女性が話しをしていた

「あ・・・」

その女性は先ほど市場を走り回っていた女性だった

その独特の甲高い声はにぎわっている市場の中でもしっかりと聞きとれるほどだった

「沢口さん、おはようございます。どないしたんですか?」

山本は不思議に思い、声をかける

「あー彩ちゃん。おはよーさん」

そういって野菜を売っている男性はにこっと笑う

山本はこの1年で市場の人たちは顔なじみになっているのだ

「いやー。このねーちゃん、自営業とかしてないのに市場に来てたみたいでなー」

そういって沢口はその女性を横目で見る

山本もつられて、女性を見る

Tシャツにジーパンというラフな格好、髪をひとつにくくり

大きな目が印象的な女性だったが

一番印象的なのはその独特な声だった

「え?自営業はしてますよ。というかやる予定でこの市場に下見に来たんですけどー」

「いやいや、個人商店とかって意味や。ねーちゃんは喫茶店ゆうてたやん。料理とかして出す店とかはここでは買われへんねん。入館証なかったら入れへんねんけど」

首をかしげる女性を見て、沢口は補足する

「でも、前働いてたところの近くの市場では買えましたよ」

「うーん・・・市場にもいろいろあるんやろうけど。ここは卸市場やから、そういう業者だけやねん」

「・・・わかりました」

そういって肩を落とす

「まぁせっかくやし見学してったらええわ。あ、彩ちゃん、今日はええトマト入ってるで」

「ほんまですか」

そういって山本は箱に入っているトマトを見る

「ほんまや、めっちゃええですねー」

この1年で父親に目効きを鍛えられていたので山本はいい出来のトマトをみてテンションが上がる

「じゃあこの箱とー。あ、あと、このキュウリも」

山本は品定めをしながら購入していく

「・・・」

その女性は立ち去ることなく、山本の行動をじーっと見ていた

「・・・あ、あの・・・何か?」

熱い視線を感じて山本は苦笑いをする

「決めた」

「へ?」

「あの、私の店に仕入れしてくれませんか?」

そういって山本の手を握る

「へ?」

「おーええやん。ねーちゃんいい目効きやわー」

そういって沢口は笑う

「え?いや、でも・・・配達場所とか・・・」

「あ、大丈夫です。ここから近いですし。」

そういって女性はお構いなしに話す

「あ、あの・・・だから・・・」

「あ、私山田菜々っていいます。」

そういってニコッと笑った


―――――

「ふー・・・これで全部やな」

山本は市場で買った品をバンに積み込み、フッと息をつく

「すいません。お手伝いもせんで」

山田は申し訳なさそうに頭を下げる

「いや、ええですよ。これも仕事ですから」

そういって山本は苦笑いをする

山田は何もしないのは悪いと言って荷物を持とうとしたのだが

よろよろとおぼつかない足取りのため

気が気でない山本は手伝いを断り、自分でてきぱきと荷物を運んだのだ

「でも、どうやって入ってきたんですか?」

「え?んー・・・どこから入ったらええかわからんくて、ここかな?って思ったらいっぱい物積んであるところやって、真っ直ぐ歩いてたら市場の中に入っててん」

「・・・それ多分、市場に商品運ぶ生産者の入り口やと思うんですけど」

「えー?そうなん?」

山田は驚く

「まぁ・・・買うときはこういうの見せんと売ってくれませんしね」

そういって山本は首から下げている入館証を見せる

「へーそうなんや。なんや市場もいろいろあるんやなー」

「じゃあ、あとで配達に行きます。住所教えてもらってもいいですか?」

「んー・・・」

山田はバツが悪そうな顔をする

「どないしたんですか?」

「いや、まだ店自体開店してなくって・・・まだたくさん仕入れしてもらう状況やないねん」

「そうなんですか?」

「うん、予定ではもうオープンしてるはずやったんやけど、手続きとかいろいろ手間取ってしもて」

山田はぽりぽりと頭を掻く

「・・・」

市場の事があるのでなんとなく山本は理解した

「でも、市場に来てたってことは料理するつもりやったんでしょ?配達しますよ。うち肉とか魚とかも取りあつかってますし、個人的に家に配達したりもしてるんで、気にせんといてください」

「ほんま?もーめっちゃええ人やー。ありがとー!メニュー決めるために試作品作ろうとおもててん」

山田は両手を組んできらきらと山本を見つめる

「えーっと・・・じゃあ地図かいてもらってもいいですか?」

山本はメモ帳を取りだす

山田はそこに地図を書き、電話番号を下に書いた

「あーなんとなくわかりますよ」

そこに書かれていたのは同級生の小笠原の家がある近くだった

「え?ほんま?」

「はい、隣町やし。国道沿いの本屋の裏ですよね?手前の信号まがって入ってくとこ」

「そうそう!いやー話しわかるわー」

山田はにこにこと笑う

「じゃあ、またいきますんで。遅くなりましたけど。これ」

そういって名刺を手渡す

「はーい。おねがいしまーす。」

山田はぺこっと頭を下げた

不器用太陽-1年後、夏-③

家に帰った山本はレジカウンターで伝票整理をしながら頭をわしゃわしゃと掻く

「その後ろ姿も板についてきたな―」

そういって父親が声をかける

「そりゃどうも・・・あ・・・」

山本は振り返り、どこまで計算していたかわからなくなってうなだれる

「あ、ごめん」

「・・・」

山本はじろっと父親を見る

「その顔ももう何回も見たわ。あとはやっとくから風呂入れ」

父親は苦笑いをする

「・・・そうするわ」

山本はため息をついて奥にある居間に入って行った

「お先ー」

居間では先に風呂に入っていた母親がアイスを食べながらテレビを見ていた

「へーい」

山本はそのまま通りすぎようとしたのだが

机の上の旅行冊子を見て足を止めた

「どっかいくん?」

「あーそうそう。言うん忘れてたんやけどなー。お父さんと旅行行こうとおもて」

母親はにこにこと笑う

「ふーん。いつ?」

「8月の終わり」

「へー1カ月後か。でも、いきなりやなー」

「配達行ってたら井上さんの奥さんにおうてな。ツアー申し込んでたんやけどおじいちゃんが入院してしもて行けんようになってしもたんやって。せやから代わりに行ける人さがしてたみたいやねん。そういえばもう銀婚式も過ぎてもうたし。彩ももう店本格的にやりだして1年やろ?せやからゆっくり温泉もええなーとおもてなー」

そういって母親はパラパラと冊子をめくり、山本に見せた

「へー・・・」

山本は母親の斜め前に座り、冊子に目をやる

そこには二泊三日の温泉ツアーが書かれてた

「美優紀ちゃんも手伝ってくれてるし、店頼める?」

「あー・・・まぁ3日くらいやったらいけるんちゃう?」

「ほんま?彩、ありがとう!お父さん!旅行いけるってー」

母親はいそいそと冊子を手にレジカウンターにいる父親の方に行ってしまった

「どんだけ嬉しいねん」

山本は苦笑いをしながら、風呂場へとむかった

――――

「はー・・・」

風呂につかりながら山本は天井を見つめていた

「旅行か・・・もう何年も行ってないよなー・・・」

ぽつりと呟く

自営業のため、家族旅行というものは数える程度しかないのだ

しかも小学生の頃で、日帰りとかできても1泊くらいのものだった

中学以降は旅行に行くこともなく、両親は毎日働いていた

山本は店で働いている両親の後姿を思いうかべる

「・・・まぁ親孝行やな」

そう言って顔を両手でぬぐい

「あ・・・」

ふと閃き

少し顔を赤らめた

―――

「旅行?」

横山の店で仕事を終え

山本の車の助手席で渡辺が首をかしげる

「なんや井上さんとこの代わりに行くらしいわ」

「へーそうなんや。ええんちゃう?おばちゃんらずっと働いてるし」

井上さんという名前で通じるほど、この田舎町はほとんどが顔見知りで話しが速い

「おう。でな、来月3日間一人で店せなあかんから・・・その・・・」

「ん?」

「と・・・泊りにけぇへんか?」

「彩ちゃん・・・うん!」

そういって渡辺は山本に抱きつく

「わー!運転中や!」

「えへへーだって嬉しいんやもん。その日はゆいはんとこも休みもらうなー」

渡辺は焦る山本にはおかまいなしで、抱きついたまま話す

「お、おう・・・」

山本は車を道路の端に止め

「美優紀・・・」

「ん・・・」

渡辺にキスをした

「「・・・」」

ゆっくりと2人は離れる

「ほな・・・帰るで」

「えーもうちょっとええやん」

渡辺は抱きついてダダをこねる

「あーかーん。明日も朝早いし・・・それに人通るかもしれへんやんか」

山本は渡辺を引きはがし

ギアをドライブに入れようとするが

渡辺がその手を制止する

「この時間はここ通る人おらへんもん」

「・・・しゃあないなぁ」

そういってもう一度山本は軽くキスをした

「ほれ、帰るで」

そういって車を発進させる

「もー・・・でも今日は彩ちゃんから提案してくれたからええか」

「なにが?」

「お泊り」

「・・・」

山本は照れくさくて前を見たまま黙る

「下着どんなんがええ?」

「なっ・・・!」

山本は驚いてハンドルを切り、車が揺れる

「もーあぶないよー。彩ちゃん」

「・・・この時間は車もめったに通れへんわ」

「さっきとゆうてること違うんですけどー」

「う、うっさいわ」

「えへへー楽しみやなー」

渡辺は、照れてむすっとしている山本の横顔を見ながらにこにことしていた


「ほなまた明日ー」

「おう」

玄関前で手を振りながら2人は別れる

「・・・下着か」

車を走らせながら山本はぽつりと呟く

渡辺とは付き合っているのだが実家ということもあり

キス以上の事をしていないままなのだ

この旅行がチャンスだと風呂場で閃き

泊ることを提案したのだった

「まぁたまには・・・ええよな・・・うん。泊りの方が店も空けんでええし・・・」

よこしまな気持ちを親孝行という名目で正当化しようとぶつぶつと呟いていた

不器用太陽-1年後、夏-②

山本の父はスイカを切ると

自分が店番を担当するからと一切れのスイカを手に

女性陣を奥の居間へと促した

「あーやっぱり田中のばあちゃんとこはうまいよなー」

山本はスイカを頬張りながら笑う

「ほんまやなぁ。あまーい」

渡辺もにこにこしながらスイカを食べる

「彩、次の配達の時、お礼の品持って行くようにするから忘れんといてやー」

「はーい。あ、そういえば今年は孫さんがスイカ持ってきたんやってー」

「そうなん?銀二さんとこの?」

母親は首をかしげる

「うん、。なんや隣町で喫茶店するんやってー」

「えー行きたーいー」

渡辺は目を輝かせる

「どこでするんやろうなぁ?」

「私もおもてん。まぁ田中のばぁちゃんにまた店教えてってゆうてんねん」

「場所聞いたら一緒に行こな。彩ちゃん!」

「おう」

にこにこと笑う渡辺につられて、山本も笑った



「はーおいしかった。あ、美優紀ちゃん。帰りスイカ持って帰ってな」

2人よりも一足早くスイカを食べ終えた山本の母は渡辺の方を見る

「え?ええんですか?」

「一玉ももらったし。ほっといたら彩食べ過ぎてお腹壊すんわかってるから」

「なっ・・・!もうそんな子供ちゃうわ」

「親にとったらいつまでも子供や。小さい頃、田中さんとこで食べ過ぎて、家でお腹痛くなって泣いてたやないの」

「えーそうなん?かわええなー彩ちゃん」

「う・・・うっさいなーいっつもいらんことばっかり言いよって」

山本はむすっとしながらスイカにかぶりついた


―――

夕方

「うー・・・」

山本は腹をさすりながら配達用のバンの運転席に座っていた

「見事にお腹壊したなー」

そういって助手席で渡辺はくすっと笑う

「い、今はいけるわ・・・とりあえず、行くで」

山本は口をとがらせながら

車を走らせた

夕方と言ってもまだまだ明るい、海沿いの道を走りながら

渡辺の家へと向かう

山本は毎日、渡辺の送り迎えをしているのだ

送り迎えが始まった当初、渡辺は自分で行くと言っていたのだが

山本が譲らなかったのだ

一応、アイドルを辞めた後、渡辺は車の免許を取ったのだが

取り立てで危なっかしく、隣に乗っていた山本は田舎道で人がほとんどいなくてよかったと

ドキドキしていたほどだ

渡辺は朝から夕方まで山本商店の手伝い、夜は横山の店の手伝いで夜遅くなるので

2人きりになる時間はこの車の中くらいしかないから、というのが本当の理由なのだが

そういうことは、はっきりと言えないまま今は習慣になっているのだった


「えへへースイカ、お母さんらも喜ぶと思うなー」

ラップをされ袋に入れられた半玉のスイカが、後部座席でゆらゆらと揺れていた

「そうやなー。絶品やからなー」

「彩ちゃんが食べ過ぎてお腹壊すほどなー」

「う・・・」

そんな話しをしていると

Y字路の真ん中に渡辺が写っている看板が見えてきた

「・・・」

山本はちらっと渡辺を見る

「ん?どないしたん?」

「い、いや・・・美優紀の看板、いつまであるんやろうなぁ」

そう言って山本は視線を前に移し

しまったと思った

渡辺は自分の看板の前を通り過ぎる時、いつも少し寂しげな表情をしていた

だから、本当は芸能界に未練があったのだろうかと

山本は思っていたのだ

そんなことを聞いても、渡辺は首を横に振るだけだということは分かっていたので

口にしなかったのだが・・・

(あーもう、いつまでとか言い方最悪やん・・・)

ぽろっと出た台詞が、『いつまであるんやろうな』という言い方だったので

どうしてそのような言い方しかできないのだろうと

運転しながら後悔していた

「ほんまやなー。いつまであるんやろ」

「へ?」

明るい口調で賛同してきたので、山本は思わず渡辺の方を見る

「彩ちゃん、あぶないで」

「あ、あぁ。すまん・・・」

山本は慌てて前を見る

「美優紀は・・・その・・・芸能界にもう一回戻りたいとか思わへんのか?」

勢いで、核心に迫る

「へ?ないよー」

「へ?」

山本は驚いて思わずブレーキを踏みそうになったが、堪える

「やりたいこといっぱいさせてもうたし、満足してんねん。あの人は今?みたいなやつに出るくらいでちょうどええよー」

「そ、そうなんか?」

「うん、だって・・・」

渡辺の手が山本の左手に触れる

「こうして彩ちゃんの隣におれるんやもん」

「美優紀・・・」

山本はドキドキして運転どころではなくなっており

車は都心なら後ろからクラクションを鳴らされているようなスピードでのろのろと走る

「あ・・・ついてしもた」

「あ・・・あぁ」

残念そうな口調にハッとして山本はブレーキを踏んだ

―――

家に着いた渡辺はスイカを手に中へと入る

山本は家の前に車を止めて

再び渡辺が出て来るのを待っていた


しばらくして渡辺が家から出てきた

「・・・アイドルやったんやもんなぁ」

山本は、鍵を閉めこっちに向かってく渡辺を見つめる

「確かにかわええよな・・・」

普段は口にしないことをぼーっとしながら呟いた

「おまたせー」

「ん・・・。ほないこか」

山本はエンジンをかけ発進する

が、Uターンせずにそのまま直進する

「彩ちゃん、今日はこっちから行くの?」

「んー・・・まぁまだ時間あるし」

山本は照れくさそうに言う

「そうやねー」

車は急な坂を登る

坂を登りきったところには車が止まれる沿道がある

山本はそこに車を止める

「彩ちゃん?」

「・・・」

山本は渡辺の方を見て

何も言わずに固まっていた

「・・・海、きれいやな」

ぽつりと呟く

助手席の窓からはきらきらと輝く海が見えていた

「え?うん。そうやねー」

そういって渡辺も助手席の窓のほうを見る

「・・・ほないこか」

「え?それだけ?」

「・・・そうや」

山本は顔を赤らめながらアクセルを踏み

再び車は走り出した

(あかん・・・キスしようと思ったけど・・・明るすぎる)

山本は前を見ながら顔を赤らめていた

心臓の音だけが嫌に大きく聞こえる

「・・・もー」

そんな山本を見て渡辺は口をとがらせていた



「ほな、美優紀。また迎えにくるから」

「うん。ありがとう」

横山の店の前で渡辺は手を振る

「今日は店来る?」

渡辺は首をかしげた

山本は渡辺を送り迎えをしているので

横山の店で食事をしながら渡辺が終わるのを待っている日もあるのだ

「んー・・・あかん。伝票整理せなあかんから」

「そうなんや。今日はかまへんで?お父さんに迎えに来てもらうし」

「いや、それはあかん。迎えに来るから」

山本の口調が変わる

そこだけは譲りたくないのだ

「そう?じゃあおねがいします」

そんなムキになる山本を察して渡辺はくすっと笑った

「おう。ほな、仕事頑張りーや」

山本もニッと笑った

不器用太陽-1年後、夏-①

ブーーーン・・・

じりじりと照りつける太陽の下を年期の入ったカブが走る

カブは大きな看板が間にあるY字路を右に入り

ある家の前で止まる

「まいどー。田中のばぁちゃん配達に来たでー」

「いつもありがとう彩ちゃん」

腰の曲がった老人はひょこひょこと玄関に向かって歩いてくる

「ええよ。こちらこそいつもありがとう。いやー今日も暑いわ」

そういってヘルメットを取り、ニカッと笑った

この女性は 山本 彩

親が経営している山本商店を継ぐために現在勉強中である

「今日、美優紀ちゃんは?」

「美優紀は店番や」

「そうかぁ。ほなスイカ持ってって。年寄りには食べきれんから」

「そんなん悪いわ。それに、他もまわらなあかんし、今日バイクやねん」

「そんなん言わんと。今年は去年のより甘いでー」

「へー・・・」

甘いという言葉に山本の気持ちは揺らぐ

「助けると思って、な?」

そういって手招きをして山本を家の中に入れる

「そ・・・そういうことなら・・・まぁ・・・」

山本は照れくさそうに家の中に入って行った


「え?ばぁちゃん一玉も?ええの?」

冷蔵庫の野菜室からスーパーのビニール袋に入った大きなスイカを出してきたので山本は驚く

「ええねん。美優紀ちゃんと一緒やったらみんなで食べようとおもててんけどなー」

「あーごめんなぁ。でもおっちゃんとこのスイカって昔からおいしいよなぁ」

そういって山本は机に置かれたスイカに目をやる


山本がいっている「おっちゃん」というのは

田中のばぁちゃんこと田中 鶴江の次男、銀二のことである

ここから数十キロ離れた町で農業をしており、夏はスイカを育ている

そして、収穫したスイカを毎年実家に送ってきているのだ

面識こそないものの小さい頃から「銀二んとこのスイカ」といって出されているので

会っていなくても親しみがあるのだ


ちなみに田中家は三兄弟で長男は東京で仕事をしており

三男は大阪でサラリーマンとして働いているのだがいるのだが、この町に帰ってくることはほとんどないらしい

「みんな出て行ってしもてな。まぁ一人の方が気が楽やわ」というのが田中のばぁちゃんの口癖であるが

夫にも先立たれ、もうそんなことも言ってられない歳になってきているということを

曲がって小さくなった背中を見て山本は年々感じていた

「昨日、銀二んとこの孫がもってきてん」

「そうなん?」

そういえば毎年宅配便で送られてくるのに

今日はスイカが入っていたであろう段ボールが台所にないことに気づく

「なんや隣町で店するらしぃてな」

「え?店?なんの?」

「喫茶店らしいわ。古い家買ってどないやらーとかゆうてたわ」

「へー・・・」

山本はどこにあるのだろうかと頭に隣町の地図を浮かべていた

「もう開店するゆうてたわ。せっかくやからうちで一緒に住むってゆうてくれたんやけど。一人が長いから時々寄ってくれるだけでかまへんってゆうてん」

「へーそうなんや」

「たぶん彩ちゃんとそう歳変われへんと思うで」

「そうなんや。私24歳やけど、孫さんは?」

「あの子は・・・25歳になるんかな?もう孫もようけおるから何歳になったか忘れてしもたわ」

そういって笑う

「ははっ。そうなんや。でもすごいなー若いのに店するやなんて」

「なんや、高校卒業したあとはずーっと喫茶店で働いててん。せやからしたかったんちゃうか?」

「へー・・・また店教えてや。美優紀と行くわ」

「ありがとう。また孫にゆうとくわな。あ、せや。銀二、最近メロンも作るとか言い出して勉強しだしてるらしいから、作れたら彩ちゃん味見したって」

「え?ほんま?」

山本は目を輝かせる

「ははっ、ええ顔や。銀二にええ味見相手が見つかったってゆうとくわな」

「え、いや。そんなつもりでゆうたんちゃうで!」

山本は顔を赤らめる

「ええて、味の審査員は多いほうがええから」

そういって田中のばあちゃんは豪快に笑った

―――

山本はスイカを入れるスペースを確保するため、荷箱を整理する

「・・・まぁ、入るか」

そう呟いて苦笑いをした

「ほな、ばあちゃんありがとう」

玄関からスイカを抱えてニッと笑った

「また頼むなー」

「はーい」

そういって山本はよろよろとスイカを抱え

荷箱に乗せ

てきぱきと荷物を収納する

スイカの横にはペットボトルやビール瓶などの硬いものを置き

スイカの上に、つぶれたら困る惣菜物を置く

保冷剤は隙間にうまく差し込む

「おーやるやん、自分」

仕事を本格的に初めて1年、配達が主なので収納上手になってきた自分に惚れぼれしていた

「さ、配達の続きや続き」

そういって勢いよくアクセルを回した


―――不器用太陽‐1年後、夏- ―――

「ありがとうございましたー」

山本は玄関で頭を下げ

またカブにまたがり走り出す

「しゃ、これで終わったし帰ってスイカや、スイカー」

山本はブレーキをかけつつ傾斜のきつい坂を下りる

「ん?」

帰りに田中のばあちゃんちの前を再び通る時

見慣れない淡いピンクの軽自動車が、いつもはからっぽの車庫に止まっていた

「・・・孫さんかな?」

そう呟き、そのまま通り過ぎる


ブーーーン


山本はY字路から抜け、店へと続く真っ直ぐな道を軽快に走る

山本の走る後ろには

笑顔で写る女性の看板が

夏の暑さでゆらゆらとゆがんで見えていた

―――

「ありがとうございましたー」

エプロンをして店の前でお時儀をする一人の女性がいた

その顔は、先ほど看板で笑っていた女性と同じ人物だった

キーーッ

そこに山本が乗ったカブが止まる

「彩ちゃんおかえりー」

「おう、ただいまー。美優紀、今日はええもんもって帰ってきたでー」

そういって山本は親指で後ろの荷台を指す

「えー?なになに?」

そういって、女性はカブに近づく

この女性は渡辺 美優紀

山本とは幼馴染であり、この前まで現役アイドルだった人物である

3月に衝撃の卒業発表をし、現在は山本の店の手伝いと

同級生の横山結依の家族が営む小料理屋『縁』で夜は働いている

「じゃーん」

山本はカブから降りると荷台の蓋を開け

得意気に笑った

「わースイカや。田中のばぁちゃんとこ?」

「そうや。美優紀も一緒やったら家で食べようとおもてたみたいなんやけどな。今日は店番やゆうたら一玉くれてん」

「そうなんや。後でお礼ゆうとかななー」

「おう、とりあえず冷蔵庫入れるわ」

「うん」

そういって山本はスイカを抱え、2人は仲良く店の中に入って行った


「こういうとき、家が店やってて良かったって思うよな」

山本はコンビニに置いてあるような、ガラス張りの大型冷蔵庫の一番下にスイカを入れる

「職権乱用やな」

「ええねん」

そういって山本は上の段に入っている炭酸飲料を手にとり、ごくごくと飲む

「・・・職権乱用」

「これぞ自営業の強みや」

渡辺に釘を刺されて山本は苦笑いをしながらレジカウンターの中にある椅子に座り

扇風機を独占する

「あーずるいー」

そういうと渡辺は山本の隣にくっつき風に当たる

「そ、そんなにくっつくなや」

「だって風けぇへんもん」

「・・・そんなんゆうて、くっつきたいだけやろ」

山本はじろっと渡辺を見る

「えへへーばれた?」

そういって渡辺は山本の腕に抱きつく

「こ、こら、店やで。それにそんなにくっついたら汗つくで」

「ええもーん」



キキーッ

店の前に白いバンが止まり

二人は一気に離れる

「ただいまー。美優紀ちゃん店番ありがとう」

「はーあつー」

そういって帰ってきたのは山本の両親だった

「おかえりなさーい」

「おかえりー」

2人はぎこちなく笑う

「彩もおかえりーって・・・あんたまた店のもん勝手に飲んで」

山本の母は手にしていたペットボトルを見てムッとする

「ええやん。配達終わりは喉が渇くんや。あと、そこにスイカ冷してるでー」

「え?もしかして田中さんとこ?」

「うん」

「おーこりゃまたりっぱやなぁ」

そういって父は冷蔵庫のガラス越しにスイカをみて感嘆の声を上げる

「もーちゃんとお礼ゆうた?」

「ゆうたわ。なんや銀二のおっちゃんが今度はメロン育てるらしいで。また出来たら味見してってさ」

「えーメロン?」

隣で渡辺が目を輝かせる

「どうせあんた物欲しそうな顔したんやろ。なんでももらいよったら気の毒やわ」

「はぁ?してないわ」

「まぁ、とりあえず食べよか」

親子喧嘩が勃発する前に、父親は苦笑いをしてなだめていた

◆予定

どうも、しゅうです(^∇^)

研修もあらかた終わりまして、今小説をカタカタと書いております

今週の土曜日から連載開始できそうです

たぶん・・・(^▽^;)


前いってたように

写真集を買いました(^∇^)

今日休みなので宅配が来るように設定していた私笑

感想としては

さや姉はエロすぎる・・・

もうちょっと普段着な感じで撮ってくれてもよかったかなーと思ったり(。・ε・。)

普通にデートしてる感じとかのほうが個人的に好きなので

まぁ、あれはあれでよかったのですが・・・(●´ω`●)ゞ

個人的にヒットしてのはゆいはんのほうで

めっちゃちょかった!(・∀・)

私、ゆいはん好きなんですけど

そこまで推しって訳ではなかったんですが

表紙の写真をみて

なんでか、あーいいなぁ買おう

と、自然に思ってしまいました

なんか不思議な魅力がある人やなーと思います

で、写真集見てたんですが

めっちゃいい!(・∀・)

なんだろう、めっちゃテンションあがる!とかいうのではなく

心の奥からじわじわと「あーいいなぁ」と思える写真集でした

一青窈の「かざぐるま」という曲があるのですが

見ていたら自然とその曲が頭の中で流れてきました

着物姿のゆいはんにマッチしてる

聞いたことない人は是非聞いてみてください

ゆいはんの写真集を見るとなお良い笑


・・・うん、やっぱり横栄書こう笑

◆遅くなっております

更新遅くなってすいません

寒い日が続きますが、皆さんは体調崩していませんか?

インフルエンザに

怯えている、しゅうです(・_・;)

今、職場の研修に参加しておりまして

小説とは違うレポートをカタカタと書いております(´Д`;)

もうすぐ研修も終わるので、来週の末くらいから連載できたらなーと思ってます(^∇^)

関係ない話ですが、2月はさや姉、ゆいはん、そして乃木坂の七瀬の写真集がでるので

研修終わったら買おうかなーとかそんなことを思っております

NMBの大阪城公演も行きたかったのですが

研修のため、諦め

乃木坂の2月のアニバーサリー公演も仕事のため行けないので

せめてもの癒しをと思ております

でも一番は「マジすか4」が見たい・・・

関東ローカルが辛い(´・ω・`)


最近、横栄の画像できゅんきゅんしてしまったのがありまして

二人が向かい合って鼻ちゅーくらいの距離で写っているやつなのですが

ゆいはんの表情がマジで川栄のこと好きなんじゃねーのみたいな表情で

一人できゅんきゅんしてしまいました

横栄って需要あるのかしら?

ちょっとかいてみようかなー

私の小説の横山さんはいつもカップルをあたたかく見守るポジションの人なので

1回くらい主役にしてみてもいいかなーとか思ったり

ちなみに、もし書くとなったら

『あの日の約束』の続編的な感じで書こうかな

ずいぶん前に書いた小説なんですが、個人的に気にいってるんですよね

私、昔剣道してて

最近運動不足なので素振りでもしようと思って

木刀引っ張り出してきて振ってるんですが・・・

楽しいんですよねー(・∀・)

あー剣道好きやったんやなぁと思いました

小説で書くくらいやしね笑

まぁ研修のレポートが嫌で現実逃避してるっていうのもあるのかもしれませんが(^▽^;)

ただ、何年も寝かせている防具は見る気になれない・・・(-"-;A

学生の頃は毎日やってたから嫌だったんですけど

少し間を置くと、やりたいって言って始めたもんなー・・・と剣道を始めた最初のころを思い出しました

もう一度、汗流してみようかしら・・・とか思う社会人の日々です


では、みなさんもう少しお待ちくださーい(・∀・)
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