気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

2015年05月

わたくし事…

先日、マジすかの舞台を見に行ってきました!

私は18日の昼の部に行っていたのですが、ブログ読んでくださってる方でこの日行った方はいらっしゃるのでしょうか?もし、そうだったらなんか嬉しいなぁ笑


さて、わたくし…

初のAKBイベント参加にテンションあがりまくりでございました( ´艸`)

この日のためにハード勤務も乗り越えてきたと言っても過言ではない!(・∀・)

感想ですが

もうね・・・

玲奈はゲキカラでしたよ!

終始ゲキカラで貫くあの姿勢…ホンマに舞台人やなぁと思いました

席は遠かったのですが、なんとか肉眼で表情が見れる距離だったので

もう、ガン見(・∀・)

ええ、そりゃもう目線は玲奈をひたすら追いかけておりました笑

私、席が右端だったので

左斜めを見る感じになって

首痛かったけど

そんなことは、もうどうでもいい!って感じで見続けておりました笑

殺陣も多くて、迫力あって

メンバーめっちゃ頑張ったんやろうなーとか思ったら

感動してしまいました(TωT)

田野ちゃんも演技うまくて、いい味出してました

若いのにすごいなぁ…

ゆいはんも好きなので

私にとってはとても満足する舞台でございました

メンバーのマジの舞台…

心に響きましたよ

若い子に負けてられないなぁ

マジで生きなきゃなぁと

そんな風に思いました…

帰りは明治神宮にぷらっと寄ってきたんですが

ここでも荘厳さに感動…(ノ_・。)

本当に、日々精進しなきゃってここでも改めて思いました



で、私

剣道始めます(・∀・)

いきなりな宣言ですが…笑

毎日仕事して、ここで小説書いて、寝てって感じで

休日もだらだら過ごしてて

変化の無い日常で

なんか惰性で生きてるって感じだったんですよね

最近、久しぶりに道場行って

師範の剣道姿見て

私もあんな綺麗な剣道がしたいって思いました

学生の頃だったら、こんなにも感動しなかったんだろうな

部活でやってて、少し間をおいて見つめ直すと

こんなにも違うのかって、自分自身驚きました

なので、自分を見つめ直す意味でも

もう一回始めようと決心しました

目指せリア充!笑

来年は友人と地元のマラソン大会にでる約束もしましたし

身体作っていこうかなと思っております(^∇^)


あ、もちろん小説も書きますよ!(^∇^)

個人的には乃木坂がソフトボールのドラマするって知って

テンションあがりまくりです(・∀・)

なので7月は「初恋の行方とプレイボール」の続編を書こうかなと思います

すぐに影響される私…笑

続編で結構書いているので

もう初プレ(←略した)は初プレで「じゅりれな小説」から抜き出してテーマとしてそれでまとめようかなーとか思っております

「あの日の約束」も続編書くつもりなので抜きだそうかなー…

でも、6月はその間にじゅりれな小説一本書けたらと思います(・∀・)

あとがきで散々悩んでたのに

決めたら決めたで早い私…(^▽^;)


では、みなさま

次回作まで少々お待ちください☆

あとがき

『友達』をよんでいただいて

ありがとうございました(^∇^)

関係ないですけど

作者はこの話し書いてて

無性にシュークリームが食べたくなって

買ってきてました笑



さて、今回は初の切ない系・・・

いかがだったでしょうか?

「友達」を聞いた時

なんとなく結婚式のイメージが出てきたんですよねー

友人の結婚式で歌うような感じのメロディーというか・・・

「君となら歩いてゆける」

そう、それは友達だから・・・

「私だけが辛いんじゃない」

「なんだか安心した」

そう、それはお互いが恋愛感情を持っているから・・・

「君が良く分かる、私と似てる」

そう、だから友達としていることを選んだ・・・


とか、まぁそんな意味で歌詞書いてないと思うんですけど

作者の裏読みってことで笑

小説読み終わった後に

聞いてみてください

がらっと曲の印象が変わるはず


よく友達以上恋人未満なんて言葉がありますよね

やきもきする距離なんだけど

もしかしたらこのままの関係が一番いいのかなとか

個人的には思うんですよ

付き合うっていうことを始めちゃうと

いつかは別れがくるけど

友達って離れることはあっても別れるってことにはならないんですよね

不思議だ・・・


ほら、中村中さんの『友達の詩』ってあるじゃないですか

あれも切ないですよねー

友達から恋人になる

それは

友達という関係を壊すということ・・・

それは

とても勇気のいることで

勢いだけでは越えられない壁があるということ

なら、いっそ

友達でいるほうがいい・・・



今回の彩と菜々は友達でいるということを選びました

いくつもの分岐点がありましたね

彩がキスをしたときに菜々が起きていたら

年末に彩が熱を出した時に菜々を部屋に入れていたら

菜々がキスをしたときに彩が起きていたら

・・・2人がもっと早くにお互いの気持ちに気づいていたら


どれが正解なんてないんですよね

恋愛はその時のタイミング

私はそう思っています

未来は見えないからこそ

過去にした選択を後悔するものです

でも、選んだ選択肢を正解にしていくように

人生は歩んでいかなければいけないのかなとか思う

今日この頃です

私もいっぱい後悔しますけど

まぁあれはあれでよかったのかなとか

そういう運命だったのかなとか思うようにしています


でも、怖いからといって

前に進みださないのも

後悔になっちゃうので

基本私はやって後悔するタイプの方なんですけどね(^▽^;)

人生険しい方が成長するもんだと

最近ひしひしと感じます




さて、次は何か書こうかなぁ・・・

『初恋の行方とプレイボール』の続編も考えてますし

じゅりれなの新しいのも考えてますし

さやみるきーは今回のさやななの話ベースの分しか考えてなかったから没かなぁ・・・一応ストーリーは違うんですけどね(-"-;A

川栄も卒業しちゃうし

横栄を早めに書いちゃわなきゃとか思ったりもしているんですが


目指せ6月更新ですかね(・∀・)

でも、無理やったら7月・・・

あー・・・夏になるとスポーツ小説が書きたくなっちゃうからなぁ

甲子園が始まる時には初恋の行方とプレイボールを書きたい・・・



とりあえず、悶々としている作者に

気長にお付き合いください(^▽^;)

友達31終

―――
「おう、なかなかのスピーチだったじゃねぇか」

珍しく、木野チーフが会場の裏に居た

「すいません。無理言って」

「いいんだよ。ま、コンクール辞退したいって言われた時は少し驚いたけどな」

「はは・・・」

私は苦笑いをする

あの日、私は木野チーフにコンクールを辞退したいと告げた―――


「そりゃまたいきなりだな。理由は?」

「ウエディングケーキを・・・ちゃんと作りたいからです」

「・・・」

木野チーフは黙って私を見つめる


「大事な人の結婚式なんです・・・。私はその日、コンクールの作品より、山田のウエディングケーキを精一杯作りたいんです!気持ちを込めて・・・最後の最後まで・・・。指導していただいたチーフや佐々木さんたちにも申し訳ないんですけど・・・すいません!」

私は勢いよく頭を下げる

「・・・そうか」

木野チーフは私を見つめ

手にしていた残りのシュークリームを口に放り込んだ

もぐもぐと口動かし、飲みこむと

少しして口を開いた

「うん。やっぱり、お前コンクールにはむかねぇな」

「え・・・?」

「誰かの事を思って作る。作り手にとって、それは一番大事なことだ。でも、大会とかコンクールとかってなると、いかにうまく表現するかとか技の競い合いになっちまうだろ?気づいたら、いつの間にか自分をいかによく見せようかってなっちまうからよ・・・」

「チーフ・・・」

「だから俺は前にも言ったんだ。お前はコンクールにはむかねぇって。お前はさ、誕生日ケーキとかをオーダーメイドでつくるのとかに向いてんだよ。その点に関しちゃ、ウエディングケーキはぴったりだけどな」

木野チーフは私を見つめる

「ったく・・・言ったからには最後までちゃんとやれよ。・・・最高のウエディングケーキ作ってやれ。」

「はい!」

「じゃあ、今日はもう帰って寝ろ。当日に倒れたら意味ねぇぞ」

「はい!」

「じゃあ、俺は帰る」

木野チーフは私に背を向け

出口に向かう

あと数歩で厨房から出るというところで

木野チーフは振り返り

「山本。シュークリームをうまかったぜ。おまえんちのケーキ屋、今度ちゃんと場所教えてくれよ」

そういってニッと笑った

「チーフ・・・ありがとうございます!」

私は深々と頭を下げた


こうして、私はコンクールを辞退し

山田のウエディングケーキを精一杯、気持ちを込めて作った・・・


―――


「「わぁぁぁっ!!」」

会場はまだケーキを囲んで盛り上がっていた

「でも、よかったのか?式でなくて」

木野チーフは幕の隙間から式の進行を見つめていた

「いいんです。私、あの場にパティシエとして・・・あのケーキを作った人としてでたかったんです。それに・・・」

「ん?」

「一番いいのができたから・・・。私、満足してるんです」

「・・・そうか」

「じゃあ、私、仕事戻りますね」

私はそう言って会場を後にした



―――――――


「いやーまさか山本がおるとは思わんかったなー。コンクールどないしたんやろなぁ?」

「うん・・・そうやね。どないしたんやろ?」

ケーキ入刀が済み

金屏風の前に座る私に

右隣りに居る創太が話しかけてきた

私は、動揺を誤魔化しながら笑っていた

その後も式は進み

カットされたウエディングケーキが私の前に運ばれてきた

そして・・・

その横には

彩のシュークリーム・・・

私は運んできたスタッフさんを見る

「新婦には特別に、いつものサイズを・・・だそうです」

そういってニコッと笑った

「えー。ええなー」

創太が口をとがらせる

「彩、サービスしてくれたんかなぁ」

私は泣きそうになるのをこらえて笑う

そして

一口食べて

「え?な、菜々・・・?どないしてん?」

隣で創太が動揺していた

「・・・うぅ~・・・」

私はシュークリームを食べながら涙を流していた

その味は


今まで食べた中で一番おいしかった


3年間食べ続けてきた私が思うんや

間違いない


私は、さっきの彩の顔を思い出す

スピーチの時

片方の眉が斜めに少し傾いてた

それは、彩が泣くのを我慢してる時のサインって知ってる・・・

だから

私も泣くん必死に我慢してたのに・・・

彩のあほ・・・

もう、涙止まれへんやん

私は泣きながら

シュークリームを頬張り続けた


ありがとう・・・

彩・・・

さっき、目ぇ合った時な

彩も私と同じ選択を選んだんやなって

そう思ったんや

やっぱり・・・

私ら似てるな・・・

そういう不器用なとこ・・・


――――


会場を出ると

さっきのにぎわいが嘘のように静まりかえっていた

ローズに戻る前に

私は職員通路を抜け

外に出る


ポケットから小銭を取り出し

いつもの自販機で缶コーヒーを買い

その横のベンチに腰掛けた


・・・山田はもう、シュークリームを食べたんやろか?

あのシュークリームは最高の出来やった

きっと・・・

父さんも納得してくれるやろ・・・

これも全部・・・

「山田のおかげやな・・・」

私は視線を横に向け

嬉しそうにシュークリームを頬張る山田の姿を思い出して

微笑んだ


・・・大好きやで、菜々

これからもずっと・・・

「友達として・・・な。」

そう呟いて

ぐっとコーヒーを飲む

見上げた空は

雲ひとつない青空が広がっていた



それは

なんとなく

今の私の気分と重なった


今夜は

誰かさんみたいに

晴れてくれてありがとうって、月に感謝してみようかな・・・



FIN

友達30

―――――

そして、迎えた6月26日・・・

結婚式当日

式は滞りなく進み

披露宴会場はにぎわいを見せていた

「では、いよいよウエディングケーキの登場です!」

女性司会者の声を合図に

ウエディングケーキが新新婦の前に出る

「「わぁぁぁっ!!」」

歓喜の声と拍手

カメラのフラッシュが激しく光る

「それでは、このケーキを作ったパティシエの方に登場していただきましょう」

その声を合図に

私の体はスポットライトを浴びた

「ええっ!」

「あ・・・」

新郎新婦が驚くのを尻目に

私はマイクを手に取る

「えー・・・このケーキを作らせていただいた、パティシエの山本彩です」

そう言って、新郎新婦・・・

・・・佐藤と山田を見て、一礼した

「このウエディングケーキは、元々新婦、菜々さんからアイディアをいただきました。彼女はシュークリームが好きで・・・私が作ったのを食べていつも嬉しそうに笑ってて・・・。だから、今日は皆さんが菜々さんの様な笑顔になれるように、心をこめて作らせていただきました。ケーキにシュークリームを乗せて、それがバラに見えるように生クリームでデコレーションしています。ケーキの一番上にはパティシエ姿の創太さんと、ウエディングドレスを着た菜々さんが乗っています」

私は山田を見つめる

その隣には佐藤・・・


ええねん

これが一番ええねん


言うで・・・


私はマイクをぎゅっと握り


「創太さん。菜々さん。結婚、おめでとうございます。・・・末永く、お幸せに。」

精一杯の笑顔を2人に向けた

一礼して顔を上げた山田の顔は

口がへの字になっていた

その顔の意味を、私は知ってる

涙こらえてる顔や

・・・ったく

そのへの字口やめんかい

こっちやって

必死にこらえてるんや

ていうか、嬉しいんやったら素直に泣けや


あれ・・・?

もしかして・・・

辛いのは

私だけじゃ・・・ない・・・?


「山本さん、ありがとうございました。では、いよいよ新郎新婦のケーキ入刀です!皆さんシャッターチャンスを逃さないように、どうぞ前にお越しください」

司会者がそう言うと

出席者は一斉に携帯やデジカメを持って

ケーキの前に集まってきた

私はすっと身を引き

会場の端でそれを見つめる


あぁ・・・あかんな

やっぱり私は

何もかも気付くんが遅いねん


「おめでとうございまーす!」


パチパチパチ・・・!

パシャッ、パシャッ!


司会者が声高らかに祝福し

皆が拍手して

写真撮って

その中心に

佐藤と山田がいる・・・


山田は、もう

にっこり笑っていた


・・・これでええんや


なぁ、山田

もし、お前が私と一緒の気持ちやっても

きっと

今と同じ状況を選ぶやろ?

だって・・・失いたくないから・・・

仲のいい「友達」として

ずっと傍にいたいから・・・


ふと

山田と目が合った


その瞬間

山田の想いが

私の心の中に入ってきた気がした

うん・・・そうか・・・

やっぱりな・・・

やっぱり

私ら

似てるんかもな・・・



気づいたら

私は、自然と微笑んでいた

「・・・」

まだ写真撮影が続いている2人を見つめながら

私はすっと幕の裏側に引っ込んだ

友達29

数日後

私は体調も回復し

仕事に復帰していた

「山本、ちょっとこっちこい」

「はい」

木野チーフに呼ばれて

私は厨房の奥にある部屋に入った

「お前、コンクール当日にウエディングケーキ作るんだって?」

「え・・・」

私はぎくっとした

近々、木野チーフには言おうと思ってたんやけど

熱でダウンしてたから言うのがすっかり遅くなってた・・・

「・・・その顔は図星だな」

「・・・すいません。言うのが遅くなって。でも、なんで・・・」

「まぁ、プランナー情報だ。そんなのはスッと入ってくんだよ」

「はぁ・・・」

そういうもんなんか?私は首をかしげる

「で、どんなやつ出すんだ」

「えっと・・・それは・・・その・・・」

私はもごもごと口ごもる

「・・・あのシュークリーム乗せてるやつか?」

「あ・・・」

私はドキッとして、固まった

「・・・そうか。あの子か」

「え?」

木野チーフはそう呟いて

目を細めた

「なぁ、山本。シュークリーム作ってくれよ」

「へ?」

「うちの店のじゃねーぞ。おまえんちのやつな」

「え・・・でも・・・今はコンクールに向けてケーキを」

「いいから作れ。今日は残業なしで皆帰らすから。以上。」

「は、はい!わかりました」

木野チーフに睨みで

私はピシッと背筋を伸ばし、頭を下げて部屋を出た

―――

そして、仕事終わり

私は木野チーフに言われた通り

シュークリームを作っていた

「・・・ホンマに久しぶりやな」

生地をこねながら

山田・・・今日、残ってるかな・・・

そんなことを、ふと思った

「しゃっ・・・」

中のカスタードクリームを作り終え

私はオーブンの中のシュー生地の具合を確認する


その時

小さい頃の記憶が蘇ってきた

『お父さん。お母さん喜ぶかなぁ』

私は店の厨房で、父さんに抱えられながらオーブンの中を見ていた

『そりゃ彩が作ったからなー。お父さんのよりうまいでー』

『えーホンマー?』

私は嬉しくなって、父さんの顔を見る

『せや。だって、このシュークリームには彩の気持ちがこもってるからな』

『きもち・・・?』

『そうやなぁ・・・彩はこのシュークリーム、お母さんが食べた時おいしいって言ってほしいって、笑顔になってほしいって思って作ったやろ?』

『うん!だって今日はお母さんの誕生日なんやもん!』

『そうや。そうやって思って作ったんが気持ちを込めるってことなんや』

『んー・・・?うん。』

『ええか、彩。お菓子でもなんでも、作るってことは相手がおるってことなんや。だから、大事な人のことを思って作ったらめっちゃおいしくなんねんで。・・・気持ちを込めること、それが一番大事なんやで・・・って、今の彩にゆうても難しいか』

そういって、父さんは私の頭を撫でて笑った


「・・・っ」

こんなときに

やっと思い出すなんて・・・

私は俯き

ぐっと拳を握る

私・・・

シュークリーム作ってる時

山田にあげようって・・・

おいしいって言ってほしくて・・・


ただ・・・

あの笑顔が見たくて・・・


『私、結婚式で一番好きなんがケーキ入刀やねん。初めての共同作業ってなんかいいなーって・・・。だから、そんな幸せな瞬間をいっぱい見たいって思ったんがプランナーになった一番の理由。』

新人研修の時、そう言って照れくさそうに笑う山田の横顔を

私は隣で見つめていた


あぁ・・・そうか・・・

私はきっと・・・

あの時から

山田に惹かれてたんや

自分でも気づかへんほどの

淡い・・・想い・・・


ビーッ、ビーッ・・・


目の前のオーブンが

終了を告げた・・・




―――

「おう、できたか?」

少しして、木野チーフが厨房に姿をみせる

「はい」

私はシュークリームを差し出した

「・・・」

木野チーフは私の顔を少し見た後

何も言わずにシュークリームを食べる

「ふーん・・・」

一口食べた後

中のクリーム量とか生地の食感とかを

確かめるように、シュークリームを見つめる・・・

「あの・・・チーフ。急にこんなことを言って申し訳ないんですが・・・」

「・・・なんだ?」

木野チーフはもぐもぐと口を動かしながら

視線をシュークリームから

私に移した

友達28

プランナー室に戻った私は

事情を話して、残業することなく

一目散に職員寮を目指した

「はぁ・・・はぁ・・・」

彩の部屋の前で

私は息を整える

何話したらええんやろ・・・

久しぶりに会うし・・・

さっきまで、心配で心臓がバクバクしてたのに

今は彩に会うことに緊張していた

でも、迷ってても仕方ない!

私は鍵を差し込んだ


「・・・彩ー」

私はそっと部屋に入る

彩はベッドで寝息を立てていた

「寝てるんか・・・」

私は少しほっとして

床に座る

ベッド前にあるテーブルには

スケッチブック、メモ帳、色鉛筆・・・

床にはケーキの雑誌が散乱してて

ゴミ箱には丸められてた紙がいくつも捨てられていた

もう・・・どんだけ悩んでるん?

私はスケッチブックに目をやる

「・・・」

そして、それをそっと手に取った

なんか盗み見てるみたいやけど

私は当日行かれへんし・・・

もし、彩がイメージしてるんがどんなんかわかったら

何か手伝えることがあるんかもしれへんし・・・

私はそんな言い訳をしながら

表紙を開く

スケッチブックは何度も書き直しては修正を加えた後が見えた

そして、数枚めくった後

「え・・・」

私は手を止めた

そこには

ちいさなシュークリームが何個もちりばめられた3段のウエディングケーキの絵が描かれていた

いくつものシュークリームはいろいろなクリームで色づけされ

右端にはシュークリームがバラに見えるように

生クリームのデコレーション方法を拡大図のように大きく描いていた

そして

次のページをめくり

「あ・・・」

私はまた声を漏らす

そこには、前のコンクールで彩が作ったデザインのケーキが描かれていた

『前のコンクールの時、いいデザインのがあってな。俺はそれでいけって言ったんだけど・・・このケーキを見せるのはそういうところじゃないとか言い出してな』

私は、先ほどの木野さんの言葉を思い出す

じゃあ・・・彩が使わなかったデザインって・・・

もしかして・・・

ブーッ!ブーッ!

私の鞄から携帯が鳴る

「っ!」

私は慌てて鞄から携帯を取り出す

幸い、彩はまだ寝ていた

電話は創太からだった

「もしもし・・・?」

『あ、菜々?昼間は電話でれんでごめんなー』

「ううん。ええよ」

『あの、ウエディングケーキの件なんやけど』

手早く切りたかったのに

創太が先に口を開く

『俺、作らへんよ』

「え・・・そうなん?」

『あ、もしかして俺のがよかった?でも山本に頼まれたからなー・・・2次会のケーキは俺が作ろうかなぁー』

「え・・・」

私は混乱する

彩に頼まれた・・・?

「創太。彩に頼まれたってどういうこと?」

『あ、やべっ・・・』

饒舌な創太がしゃべらなくなった

口止めされてたのをうっかりゆうてしもたんやな

「言って」

『う・・・実はな。元々俺、厨房借りて作るつもりやったんやけど・・・山本に頼まれてん。ウエディングケーキ作らせてくれって・・・』

「え・・・でも、彩はその日コンクール・・・」

『コンクール前に何とか作るからって。だから頼むって・・・なんか勢いすごくてな。まぁ山本おらんかったら菜々と結婚できんかったし・・・俺も譲ってん』

「・・・」

私は振り向いて

ベッドに寝ている彩に目をやる

「創太ごめん。また後でかけ直す」

私は携帯を素早く耳から離し

電源を切った

そして、スケッチブックを手に取り

パラパラとめくっていく・・・

スケッチブックの後半は

人形の絵が描かれていた

パティシエの服を着ているのは創太・・・?

ウエディングドレスを着てるのは・・・私?

私はページをまためくる

そこには先ほど見たシュークリームのケーキのてっぺんに

人形を置いた絵が描かれいた

次のページは

同じケーキが描かれてて

よく見るとバラの配置とかを変えていた

「・・・」

ページをめくっても、めくっても

イラストは3段のシュークリームを乗せたケーキばっかりだった

「・・・」

私は彩を見つめる

『私、シュークリームのウエディングケーキ食べてみたいで』

いつものベンチで、何気なく言った言葉を思い出す

そして

『・・・一番に見せたい相手がいるんだとよ。その人のために作りたいからって頑なに譲らなくてな・・・』

木野さんの言葉も・・・



「なによ・・・」

そう呟いた私の視界は

一気に滲む

なによ・・・

なによそれ・・・

あんな何気ない私の言葉・・・

律儀に守って・・・

「・・・っ!」

私はスケッチブックを抱きしめ

スーツには、ぽたりと涙が落ちた


彩に創太を紹介された時

彩は私の事を友達としかみてないんやって

何も思われてないんやって

現実に引き戻されたんやで

それで、ここで創太との話し断ったら

頼まれた彩も困るんかなって思って・・・

とっさに返事してた


創太は面白くて、いろんなとこでデートもした

でも、告白された時

彩の顔が頭から離れなかった

それに、初メインの仕事に響いても困るから

12月まで待って言った

式が成功したら

彩のこと、きっぱり諦めようって・・・

私はコンクールの時に彩を抱きしめれたからもう十分やって・・・

だから・・・

創太と付き合おうって

そう決めてた


式は無事に終わったけど

その後

熱がでて倒れて・・・

彩が来てくれて・・・

気持ちが揺れて・・・

でも・・・

決めてたから・・・

私は・・・

「彩とは友達でおるって」

決心してたから・・・

だから・・・

創太の電話の後

彩に自分の口から付き合うって言って

決別してんで・・・


創太からプロポーズを受けた時も

嬉しかった・・・けど

・・・どうしても、彩のことが頭から離れへんかった

せやから、プロポーズを受けた翌日

私は彩んところに行ったんやで

彩はやっぱり残ってたんやけど

何ていっていいかわからんくて

シュークリーム食べたいって間抜けなことしか言えんくて・・・

それに、彩は6月にあるコンクールに向けてケーキ作ってて

頑張ってて・・・

私と会う時間が少なくても

何も思わんのやなって

そう思った・・・

だから、私も踏ん切りつけて

創太のプロポーズを受けた

式を6月にしたのはジューンブライドに憧れてるってこともあったけど

彩が大会を理由に参加することができんって言ってくれるかもしれんって思ったから・・・


なぁ・・・彩・・・

覚えてる?

ホテルの新人研修で

初めて彩と会った時な

人見知りして、様子を見てて・・・

そんな不器用なところが

何となく私と似てるなって思ってんで

でも、一番似てるって思ったのは・・・


『でも山本さんってどうしてホテルに就職したの?パティシエっていろんなお店もあるし、選び放題なのに』

『それに大阪出身なのに東京就職だしねー』

グループの他のメンバーからそう言われて

彩は照れくさそうに私の方を見る

『・・・私も、ケーキ入刀のシーンが一番好きで・・・。皆が写真とって祝福して・・・ファーストバイトして・・・だから、そんな人生の一番幸せな時間に自分が作ったケーキがあると思ったら嬉しいなって・・・』

そういって、照れくさそうに笑う彩の顔を

私は今でも覚えてんで・・・


私はベッドで寝ている彩の顔を見つめた



あぁ・・・そっか・・・

私は・・・

あの頃から、ずっと・・・


私は、そっとスケッチブックをテーブルに置いて

ベッドに近づく


なぁ彩・・・

もし、私が気持ち伝えてたら

受け入れてくれてた?

私が熱出した時、もっと彩に甘えてたら・・・何か変わってた?

それとも、年末に彩が熱出した時に

私が無理やりにでも部屋に入ってたら・・・



なぁ・・・?

どれが正解だったんかなぁ?


「・・・っ」

私はぽたぽたと落ちる涙をぬぐい

息を整える


でも・・・

彩とはずっと仲良くおりたいねん

もし付き合えたとしても

別れてしもたら・・・

その時はもう、友達には戻れんから・・・


でも・・・

でもな・・・

ごめん・・・

一回だけ・・・

一回だけ・・・許してや


ギシッ・・・


私はベッドに手を付き

彩の唇にそっとキスをした

「・・・」

ゆっくりと唇を離し

彩の顔を見る


・・・彩は、起きなかった


ホッとしたような

残念なような

複雑な気持ちだった

でもな

寝てるんなら

最後に、私の想い言わせてや

「・・・彩。大好きやで・・・」

そう・・・

ずっと・・・

これからも・・・私、彩のこと・・・

「・・・っ」

私はそっと彩の部屋から出て

鍵をポストに入れた

ガシャン・・・

耳障りな鍵の落下音の後は

周りがいやに静かに思えた

コツコツコツ・・・

力なく階段を上り

自分の部屋に入る

バタン・・・

「・・・っ。くっ・・・」

戸を閉めたとたんに涙が一気にあふれてきた

私はしばらく

玄関から動くことができなかった

友達27

昼の部が終わり

会場の片づけをしていると

「山田さん。ちょっと」

川崎さんが私に声をかけてきた

「はい」

「ちょっと今からローズに行って来て」

「へ?」

「木野さんが話しがあるんですって。山本さんのことで」

「え?・・・わかりました」

私は困惑しながら

ローズへと足を進めた

休日はカフェを利用する人が多く

店員さんたちは慌ただしく動いていた

「すいません。木野さんいらっしゃいますか?」

「あ、ちょっとお待ちくださいね」

店員さんは厨房に向かい

しばらくして

「おう、山田さん・・・だな?」

厨房からぬっと木野さんが出てきた

「は、はい。そうです」

「・・・実はな。今日、山本がめまいを起こして倒れたんだ」

「えっ!」

私の心臓は早鐘のように鳴り

血の気が引いていく

「そんな顔すんな。病院に連れて行ったけど、大事にはいたってないから。なんか熱もあったみたいでよー。自分でも気付かなかったんだとよ。で、診断は過労からくる発熱だろうってさ。睡眠時間聞いたら、あいつ3、4時間しか寝てなくてよ。コンクール前だからって無理しすぎなんだよ・・・」

木野さんはため息をついた

「で、山田さんに頼みってのはこれだ」

そういって、木尾さんはすっと私の前に腕を伸ばし

手を開く

その手から何かが落ちてきたので

私はとっさに両手で受け止めた

「これ・・・」

私の掌の中には

鍵があった

そして・・・そこに付けられているのは見覚えのあるキーホルダー・・・

私は顔をあげて、木野さんを見る

「山本の部屋の鍵だ。病院から部屋までうちの臼井って奴が連れてってんだが・・・。山本んちの鍵をうっかり持って帰って来ちまってよ。しかも、臼井のやつ子供を保育園に迎えに行かなきゃいけなくてな・・・帰る時にこの鍵の事に気がついたらしいんだ。だから、俺に託してもう帰っちまってよ」

「はぁ・・・」

「あとは男どもしかいねーし。さすがに鍵渡すわけにもいかねぇからよ・・・知佳がこの前、山田さんが山本と仲いいって言ってたの思い出してな」

知佳というのは川崎さんの名前だ

「わかりました」

「山本に言っといてくれ。無理しすぎだって。・・・いい加減意地張るなって」

「意地・・・?」

「あぁ。去年のコンクールの時、山本が描いたデザインの中でいいのがあってな。俺はそれでいけって言ったんだが、このケーキを見せるのはコンクールじゃないとか言い出しやがってよ」

「え?」

「・・・一番に見せたい相手がいるんだとよ。その人のために作りたいからって頑なに譲らなくてな。でも、今こうしてデザインで悩んで寝る間も惜しんでるんなら使えってんだよな・・・」

木野さんはぶつぶつと口をとがらせる

きっと、彩の事を本当に心配してくれてるんやろうな・・・

不器用だけど、その優しさが伝わってきた

・・・40代の魅力っていうか、木野さんの魅力が少しだけわかった気がした

「すいません、チーフ・・・よろしいですか?」

厨房から、おずおずと男性スタッフが声をかける

「おう。じゃあ、よろしく頼むな」

木野さんはそう言って厨房に戻っていった

私は鍵を握りしめ

ローズを後にした

カッカッカッカッ・・・・!

ヒールの音がホールに響く

私は全速力でプランナー室を目指していた

私が必死に走っているのを

受付のスタッフや宿泊客が見ていた

でも

そんなのどうでもよかった

一刻も早く

彩の元に行きたかった

友達26

―――――

ホテルの一室はガヤガヤとにぎわっていた

「素敵な式でしたねー」

「ほんまー。私も恵美さんの手紙でうるっと来ちゃいました」

「えーほんとですか?」

花嫁を囲んで、私たちプランナーは話しをする

「山田さん」

「はい」

花嫁の恵美さんが私の名前を呼んだ

「本当にいろいろしていただいて、ありがとうございました」

そういって頭を下げる

「いえ、こちらこそ!素敵な式を見させていただいて、ありがとうございました」

私も深々と頭を下げる

「今度は山田さんの番ねー」

先輩プランナーの川崎さんがにやっと笑う

「えー結婚されるんですか?おめでとうございます!」

恵美さんはにこにこと笑う

「ありがとうございます」

私はそれに応えてにこっと笑った


「はぁー・・・」

午前の部を終え

つかの間の休息をとる

「どないしょぅ・・・」

私は打ち合わせで使用することが多いソファーにもたれ、俯く

・・・結局、私の口から彩にちゃんと言えてないままや

私の彼氏である 佐藤創太からプロポーズを受けたのは

今から1か月前の3月・・・

現在、4月半ばになるのに

彩に結婚すると報告してないままやった

創太の口からもう言われてるやろうけど・・・

でも・・・自分の口で言わなあかんよな・・・


創太と付き合いだしてから

彩と一緒に居る時間は目に見えて減っていった

仕事で忙しかったっていうんもあるんやけど

創太の誘いをむげに断ることもできなかった・・・

彩も相変わらず夜遅くまで残ってたから

すれ違いの日々が続いてた

もちろん、顔を合わせれば話しはしてたんやけど・・・

なんとなくお互いぎこちなくなってた気がする



「ん・・・」

私はふと

大きな窓ガラスから見える庭に目をやった

そこには

教育係の井出さんと

新しくウエディングプランナーとして入ってきた2名の新入社員の女の子が

必死にメモをとっている姿があった


あんな時もあったなぁ・・・

そういえば

ホテルの合同新人研修で

初めて彩と会ったんよな

50音順やったから隣になって・・・

確かちゃんと話したんはグループワークの時やったなぁ・・・



「山田さん」

「は、はい」

いきなり後ろから声をかけられて

私はドキッとする

「もー・・・午後の部終わったからって気を抜かない」

「はいっ」

川崎さんは私の前のソファーに座る

「じゃあ、打ち合わせしましょうか」

「は、はい」

「山田さんの結婚式の事をね」

「あ・・・はい」

私はこくんと頷いた

結婚式まであと2カ月・・・

普通はじっくり時間をかけて引き出物とかえらんだり

ドレス選んだりするんやけど

なにせ私らは時間が足りないから

毎日こうして打ち合わせをしてる

川崎さんは私の指導係で

喜んでメインプランナーになってくれた

1年目にケーキを倒した時に

手早く対処してくれたのも川崎さん・・・

あの時はホンマに怖かったけど

今はいい先輩や・・・

後から聞いた話

実はパティシエの木野チーフは川崎さんのこと好きやったみたいで

彼女の頼みとならばと

木野チーフが素早く対応したらしい

そのおかげなのか2人は今付き合ってる

木野さん強面やのに、実は優しいねんなー

まぁ私は40代の人の魅力ってのはあんまりよくわからへんけど・・・


「あ、ウエディングケーキって彼氏が作るの?」

「へ?」

「いやいや、だってパティシエでしょ?もし希望があるんだったら木野さんに連絡して厨房貸してもらうようにするけど・・・」

「あ・・・そうですね。じゃあ聞いてみます」

私はソファーから立ち上がり

川崎さんから少し離れたとこで創太に電話をかける

でも繋がらなかった

私は携帯を耳から離すと

『ウエディングケーキって創太が作る?』と手早くメールを送った

「ごめんなさい。繋がらなくて」

そう言いながら川崎さんの元に戻る

「そう、じゃあこれは保留ね。決まり次第教えて」

「はい」

「あと、曲なんだけど―」


川崎さんは話し続ける

私はそれをぼんやりと聞いていた

他の人の結婚式は力入るのに

なんでこんなに力入れへんのやろう・・・

友達25

てな訳で

私は結婚式に参加しないことになった

正直言うと

佐藤と山田のキスシーンを見なくて済むからよかったと思っていた



「おう。やってるか?」

「お疲れ様です」

厨房に木野チーフが入ってきたから

私は一礼する

「で、デザイン決まったか?」

「あー・・・えっと」

「なんだよ。まだなのか」

「すいません・・・」

「前のコンクールの時の・・は・・・つかわねぇか・・・」

木野チーフは私の顔を見て

ため息混じりに言う

「すいません・・・」

「謝ってばっかりいねぇで、さっさと決めろ。もう時間ねぇぞ」

「はい」

「じゃあ、今日もやるか」

「よろしくお願いします」

私は頷いて

頭を下げた


そんなこんなで

家ではデザイン考えて

夜は遅くまで佐々木さんやチーフに指導してもらって

とかしてたら

あっという間に日々は過ぎて行った


「イチゴもっと切ってくださーい」

「生クリームまだ?」

「はい!もうすぐできます」

私はそう言ってカシャカシャと音をたてて生クリームを作る

今日は土曜日

相変わらず厨房は戦場と化していた

「ん・・・?」

下を向いて一心不乱に生クリームを作ってたら

一瞬視界がぐにゃっとゆがんだ

「・・・っ!」

それから力が入らなくなって

私はとっさにボウルから手を離し

調理台に手をつく

けど・・・

もう、腕に力が入らなかった

そして

視界が暗くフェードアウトしていく

「おい!山本!」

「しっかりしろ!」

そんな声が

うっすらと聞こえた・・・

友達24

でも、それから

山田はローズに姿を見せなくなった

というかホテル内で会うこともほとんどなかった

でも私は

仕事忙しいんやろなー。また時間合う時にシュークリーム食べてもろたらええかなー。とか

気軽な感じで思ってた


―――

「・・・」

私は部屋で机に向かい

眉をひそめていた

机の上にはスケッチブック・・・

今回のケーキのデザインをどうするか

頭を抱えていた

スイーツは見た目も重要視されるから

どんなデザインにするかでパティシエのセンスがわかる

「はぁー・・・私、センスないわー」

そう呟きながら

私は書いては消して、ゴミ箱に投げて、ため息ついて寝そべって・・・

と、いうことを何度も繰り返していた

そして、あっという間に夜が来ていた

ブーッ・・・ブーッ・・・

携帯電話が鳴る

相手は佐藤・・・

またのろけ話やったら、速攻気ったんねん

そう思いながら、電話に出る

『もしもし、山本!?』

「お、おう・・・」

佐藤はやたら興奮気味やった

『俺、パリに行くんや』

「はぁ!?」

いきなりの発言に私は叫ぶ

『ははっ!今年の9月になー。今、小杉さんがパリで修業してる店の人が去年のコンクールの審査員でなー。俺も向こうで修業してみないかって言われてん』

「えー!すごいやん」

パティシエにとってパリは憧れだ

私だってもう少し貯金に余裕ができたら、パリでいろんな店回って

食べ比べとかしてみたい

『でな・・・』

「うん」

『俺、菜々と結婚する』

「え・・・」

佐藤の口から出た言葉に

私は言葉を失った

『もしもし?山本?なんやねん。今度は驚いて声でぇへんのか?』

「あ、あぁ・・・あーびっくりした。ホンマかそれ?」

私は動揺を悟られないように話すけど

胸の奥が痛くて

バクバクしてて

鼻の奥は何かが込み上げて来るようなツンとした感覚に襲われていた

正直、携帯を持つ手だって力が入らない

『パリに行ったら最低2、3年は帰ってこんし。その間、菜々を一人待たせるわけにもいかへんやろ?せやから、この前プロポーズしてん』

「・・・そうなんや。でも、いきなりすぎへんか?」

『まぁさすがに待ってくれって言われたけどな。でも、OKくれてん!この前はお互いの両親と食事もしたしなー』

「へー・・・」

それで、最近山田の姿が見えんかったんか・・・

『ホンマ、山本には感謝せなあかんわ。ありがとう』

「いや、私は連絡先教えただけやし」

『でな、6月に結婚式すんねんけど・・・出れるか?』

「え?今4月やで。もう2カ月しかないやん」

『うーん。まぁいきなりやからなぁ。菜々は6月に結婚式するん夢やったみたいやし。しかも、奇跡的に1枠あいてたんや!あ、場所は菜々の職場やから、山本も休みとってやー』

「大阪やないんや・・・」

『うーん。まぁ悩んだんやけど、菜々の希望でな』

「そうなんや。で、日にちは?」

『6月26日の日曜 午前の部』

「え・・・」

私は言葉に詰まる

『もしもし?』

「すまん。佐藤・・・その日、コンクールやねん」

『えーーー!!』

今度は佐藤の方が驚いて叫んでいた
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