気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

2015年10月

◆実は…

わたくし今東京におります(*^^*)

ハロウィンイベントに参加というわけではありませんが

サクラ大戦というゲームのライブを見に来ています(^-^)/

もうかれこれ19年…

若い子はしらないだろうなぁ(^_^;)

もうずっとずっと大好きで

でも一番の全盛期に私はまだ小さくて

東京に行くこともできず

DVDを見て楽しむ在宅ヲタでした

その影響か今もAKBグループとかも在宅メインですけども…笑

でも、今年はやりたいことをやるっていう目標でしたし

異動してない今が一番融通がきくので

もう行っちゃえと勢いで来ちゃいました笑

なんかいろんな年齢のかたがいて

19年いろんな人に愛されたきたんだなぁと

続けること、愛されること

何て素晴らしいんだと作者は勝手に感動していました

しかもめっちゃいい席で声優さんたちが目の前に

あぁもう来てよかった(T-T)

なんかゲッターズ飯田さんが10年好きだと思えていたら本物だといっていたんですが

うん、本当だよ(・∀・)

私、胸を張って大好きだと言えます笑

ちなみに2日で三公演あって

二公演見る予定だったんですが

東京で働いてる友達が急遽仕事の都合で会えなくなったので

夜もライブも参加してきます笑

もうこうなりゃ制覇だべ笑(・∀・)ノ

社会人って素晴らしい…

小さい頃の自分を思い出してそう思うのでした笑

ちなみに昨日は酒のみすぎて

今日の体調は二日酔いぎみ…

そこは社会人として節度をもたなあかんなと反省します…(-_-;)

更新はしますのでご安心くださいね(・∀・)ノ



今、話したい誰かがいる25

彩ちゃんのことを好きだって思ったのは

中学の時、初めてバスケの試合を見に行った時だったと思う

コート内を走り回ってシュートを決める彩ちゃんは

いつもと違って真剣で

ドキッとした

あれ?これって私・・・

好きなんかなって思った

友達としてやなくて

恋愛対象として・・・って思った

でも、おばあちゃんに

『彩とずっと一緒におってくれへん?』

そう言われたのをふと思い出して

友達のままの方がええんかなぁって思った・・・

そんな気持ちを胸に秘めたまま

彩ちゃんと一緒に居た

幸い、彩ちゃんは色恋沙汰とかには興味なくて

部活バカやったから

私は安心していた

でも・・・

押し込めていた気持ちは

年々強くなっていった・・・

そして

さっき頬にふれられたことで

私の中のストッパーが外されてしまった・・・


ごめん、おばあちゃん・・・

私、このまま友達として傍におるん

無理かも・・・


そんなことを思いながら日々が過ぎ


「好きなやつおるんか?」

帰り道、彩ちゃんにそう聞かれた

いやいや、どんだけ鈍感やねん

私ずーっと片想いしてんねんけど・・・

彩ちゃんのそういうところに

ムッとした

そして

少し驚かせてみようかな・・・

そんな意地悪な考えが浮かんだ

「・・・好きな人、おるよ」

「え・・・?」

彩ちゃんは案の定驚いたリアクションをした

目の前に・・・

そう言いたかったけど

やっぱり、言えなかったから

笑って誤魔化した


そして

夏休みに入り・・・

「私・・・河野と付き合ってんねん」

高校2年の夏にそう言われて

私は勝手に失恋してた


夏休みに入る前から

なんとなく彩ちゃんの態度が違っているのは感じてた

花火大会やって浴衣着ていくし

一緒に帰ってくれんし

前より・・・一緒におる時間が減っていた


私の告白は

あの帰り道にした

名前も出さない淡い想いになってしまった

・・・そんなん嫌や

そう思ったら

「前、私好きな人おるってゆうたやんか」

「おう・・・」

「・・・それな・・・彩ちゃんや・・・」

勝手に口が彩ちゃんの名前をだしていて

ハッとした

「ってゆうたら・・・どうする?」

私はとっさにそうつけ足した

だって・・・

引かれるのが怖かったから

拒絶されるのが怖かったから

「え・・・」

驚いた彩ちゃんの表情に

私は焦って

「なーんて。驚いた?」

そう冗談っぽく言った

誤魔化したかった

本当の気持ちを言ったことを・・・

「な、なんや驚かすやな」

そう言われて

あぁやっぱり、無理なんやって思った

だから

「私より先に彼氏できたおかえしや」

そういって笑った

私は・・・嘘をついた

「美優紀やってすぐできるやろ」

「その人がOKしてくれたらええな」

彩ちゃんの何気ない言葉が

私の胸をえぐり続けていた

私は泣きたい気持ちを堪えて

いつものように笑うことに努めた・・・

私は1日で2度、勝手に失恋した・・・


――――

それから

私は変わらず彩ちゃんの傍に居た

もちろん、友達として・・・

彩ちゃんは私の前では河野君の話しせぇへんかったから

まだ気が楽だった・・・


そして

あっという間に夏休みが明けて

いつもの学校生活が始まった

でも

そんな日々はすぐに終わった

彩ちゃんのおじいちゃんが倒れたって

聞かされたから

今、話したい誰かがいる24

そして

大会が近くなった頃

書道室ではなく体育館で練習をしたいという声が上がった

本番さながらの練習をするためだ


顧問と相談し

使用許可はとった

でも、体育系の部活も総体が控えてるから

あとは交渉してくれというものだった

とりあえず、候補はバスケ部の時間帯だった

バレーとかバトミントンはポールなどの設置をするから

譲ってもらうのが申し訳なかったのと

うちの部長が女子バスケのキャプテンと仲が良かったっていうのが理由


ということで

私らは

交渉をしに体育館へと向かった


「ディフェンスー!もっと腰落としてー!」

「ファイトー!!」

体育館はボールの音とコート内を走り回る音でにぎわっていた

「うわーやってるー。なんか体育会系って感じー」

「ほんとだねー」

私らは体育館の入り口のドアからその様子を見ていた

2つに分かれたコートの入り口側は女子が使っていた

今、試合中らしく

キャプテンもコート内に入っているので話しかけることができなかったのだ

「バスケ女子ってなんでこんなにかっこいいんだろうねー」

「うん、わかるー」

私の横でそんな話しがされていた


そやで、かっこええんや

私の目は彩ちゃんを追っていた


シュッ!

「しゃっ!」

彩ちゃんのドリブルシュートが華麗に決まり

「うわー山本さんかっこええー!」

「すごーい」

部員たちがはしゃぐ

・・・なんかむっとした

彩ちゃんは中学からバスケを初めて

めきめきと上達していた

試合も何度か見に行ったことあるやけど

普段とは違う真剣な顔がかっこええなーって

思ってた

ビーーー

タイマーが鳴り

試合が終了したのか

部員たちがコート内から出て

休憩を始めた


「絵美ー。ごめん、ちょっといい?」

部長がキャプテンに話しけるために体育館内に入る

「お、美優紀。どないしてん」

彩ちゃんは私を見つけて近づいてきた

「うちの書道部も体育館使わせてほしくて・・・交渉に来てん」

私は部長同士が話しをしているほうに目をやる

「そうなんや」

彩ちゃんはスポーツドリンクを飲む

首にはタオルをかけ

汗でぬれた髪の毛がどれほどコート内を走り回っていたのかを物語っていた


・・・かっこええやん


試合を見に行くことはあっても

練習中の彩ちゃんを見ることってなかったなぁ

そんなことを思っていると

「・・・おい。美優紀。またついてんで」

「え?うそぉ?ちゃんと鏡みたもん」

「いやいや、ほれ・・・ここ」

そういって

彩ちゃんが手がスッと

私の頬に触れた

ドクン・・・

心臓が大きく跳ねた

「ほれ、やっぱり墨や。今度から横もちゃんと見ぃや。って・・・すまん。汗でのびてしもた。あー・・・タオル・・・は私の汗ついてるし微妙か。なんか拭くもん・・・」

彩ちゃんは自分の首にかけているタオルを取ろうとしたけど

苦笑いをして辺りをきょろきょろと見渡していた

「い、いける。ちょっとトイレで落としてくる」

「あぁ。そやな」

私はそういって慌ててその場を離れた


ドッドッドッ・・・

心臓の音が頭の中にまで響いていた

私はトイレに駆け込み

鏡を見る

顔は・・・真っ赤になっていた


「・・・っ」

何よ・・・

いつも、ついてるってゆうだけで

場所も教えてくれへんのに

なんで、今日は触ったんよ・・・


ドクドクドク・・・

心臓の音は

全然治まってくれない

それに

さっきから

私の頬に触ってきた彩ちゃんの顔が

焼きついて離れなかった


はぁ・・・

あかんなぁ・・・

そろそろ誤魔化すん限界かも

私、彩ちゃんのこと

めっちゃ好きやわ・・・

今、話したい誰かがいる23

それから

私は約束通りずっと彩ちゃんと一緒に居た

まぁ約束とかそんなん意識してなかったけど

もう2人で一緒に居るのことが当たり前になっていた


そして

私らは高校生になった


「俺、渡辺さんのこと好きやねん。付き合ってください!」

「え?」

体育館裏というベタなシチュエーションの中

私は一人の男子生徒に頭をさげられていた

「あ・・・えっと。ごめんなさい」

「・・・あ、ご、ごめんな。気にせんといて!」

男の子は顔を赤らめながら私に背を向けダッシュで走り去っていった

「はぁ・・・」

私はため息をつく

高校にはいってこれで何度めだろうか・・・

高校生になったら彼女が欲しいと思うんかなぁ

それにさっきの子そんなに話したことないし・・・

私のことやなんも知らんやろうに・・・

そんなことを思いながら

私は部活に行くために歩き出した


「あーみるきーおそいでー」

「あ・・・ごめーん」

書道室にはすでに部員たちが集合していた

今日は部の話し合いがあると言っていたのをすっかり忘れていた

「じゃあみんなそろったし始めるわねー」

顧問の先生が立ちあがり声をかける

そして、1枚の紙を私たちに見せた

「書道パフォーマンス大会っていうんが、この夏から大阪でもやるみたいなん。どう?みんな出てみぃへん?」

「あ、知ってるー大きい筆で書くやつですよね!」

「めっちゃかっこええやん!やりたい!」

「賛成ー」

みんな、めいめいに声をあげる

「やるやるー!」

私もテンションが上がって

手を挙げて叫んでいた

告白されたことなんて

もうすっかり忘れていた



それからというもの

私らの練習の日々が続いた

なんせ初の試みやから

構成や音楽

大筆を使う練習とか

やることいっぱいあって

帰る時間が遅くなってた

でも、めっちゃ楽しくて

充実した毎日だった


「美優紀ー。今おわったんか?」

「彩ちゃん」

自転車置き場でバスケ部と鉢合わせる

「一人か?」

「うん、大筆の練習してたから」

私は大筆でメインの字を書くのを任されていたから

皆の足を引っ張りたくなくて、いつも一人で遅くまで練習していた

「一緒にかえろー」

私はそう言って彩ちゃんに近づく

「おう、ええで。ほな、みんなおつかれさーん」

「「おつかれー」」

彩ちゃんは部員に挨拶をすると

私と並んで

自転車を漕ぎだした


信号待ちで私らは止まる

「・・・おい。美優紀・・・また墨ついてんで」

外灯に照らされた私の顔を彩ちゃんはまじまじと見る

「え?うそ?」

私は慌てて顔を押さえる

「まぁ帰るだけやからええて」

そういって彩ちゃんはニヤッと笑い

どこに付いているかは教えてくれなかった

・・・そういうとこ、いじわるやねん

「もう、どこー?」

私はむすっとして頬を押さえる

「あはは、全然ちがうわ」

「だからゆうてやー」

そんな話しをしながら

家に帰るのが日常になっていた

今、話したい誰かがいる22

私が小さい頃、両親が離婚した

お母さんは看護師で

夜勤もあるから

お父さんの家の方に預けられたりすることが多かったんやけど

すれちがいとか、嫁姑問題とかそういうのが原因だったらしい

小学校に入ると

一人で留守番する練習が何度か続き

1年後に私は転校することになった


マンションの一室で

私は窓を眺めていることが多かった

知らない街だったけど

友達はすぐにできた

話しをしてたら皆私の方を向いてくれるから

一緒に居てくれるから・・・

物ごころついた時からそんなことを思っていたと思う・・・

きっと、寂しかったんだと思う

だから気づいたら人見知りとかしなくなってた

いっつもにこにこ笑って、話しして

そういうのがもう癖みたいになってた

でも・・・

皆夕方になると

家族が迎えに着たり

遅くなると怒られるからって

慌てて帰って行った

私は必死で話しを続けたけど・・・

そういうときはあしらわれて終わってしまった・・・

結局、夜

私はひとりぼっちで家に居た


そんな時・・・

夜遅くなっても

公園のブランコに一人で居る子を見つけた

それが

彩ちゃんやった


私とおんなじ子がいる!

そう思って嬉しくて

ずーっと話しかけてた

でも、彩ちゃんはしゃべってくれなくて

結局おじいちゃんが迎えに来てた・・・

でも、おじいちゃんは私を家まで送ってくれた

なんか、一緒に帰ってるって気がして

すごく嬉しかった

だから

毎日毎日、彩ちゃんの隣で話し続けた


そして・・・

シーソーに乗って話しをした日

彩ちゃんは両親が事故で亡くなってたってことを話してくれた

彩ちゃんは

ずっと、寂しかったんや・・・

立場は違うけど

やっぱり・・・似てるんやって思った


それから

彩ちゃんは私を家に呼んでくれるようになった

誰かが「おかえり」って言ってくれるのが

素直に嬉しかった


ある日

彩ちゃんちに向かう途中のお寺の前で

偶然、彩ちゃんのおばあちゃんに会った

「おばあちゃん!こんにちは」

「あら、こんにちは」

「今から遊びに行こうとおもっててん」

「あら、そうなんや」

「おばあちゃんは?」

「ん?私はここに用事があんねん」

そういってお寺の脇にある墓地に目をやった

「・・・なぁ、美優紀ちゃん。ちょっと会ってほしい人がおんねん」

「え?誰?」

「彩の親や」

そういっておばあちゃんは笑った

―――

私はおばあちゃんに連れられて

墓地にはいった

少し奥まったところにはいったところで

おばあちゃんは足を止め

「真、幸恵さん。今日は彩の友達連れてきたで」

お墓に向かってそう言った

墓石には

『山本家之墓』と彫られていた


おばあちゃんは

慣れた手つきで花を生けて

水を換えて

線香をつけ

手を合わせた

私も横に並んで見よう見まねで手を合わせた

「美優紀ちゃん。ありがとう」

「え?」

「彩の傍におってくれて」

そういっておばあちゃんは微笑んだ

「ううん。私、彩ちゃん大好きやもん!だから一緒におんねん!」

私はニコッと笑う

「・・・ありがとう」

そういっておばあちゃんは私の頭をなでてくれた

「あのな、ばあちゃん美優紀ちゃんにひとつ頼みたいことがあんねん」

「なに?」

「これからも彩と仲良くしてな。私らは年寄りやから、彩の傍にずっとおってやることはできへんねん。だから、美優紀ちゃん・・・私らがおらんようになった後も、彩と一緒におってやってくれへんか?あの子は強がって泣くんも我慢するような子やけど、ホンマは寂しがりややから・・・」

「うん!おるよ!ずっと、おる!だって私ら親友やもん!」

私は撫でられたことにテンションが上がって叫んでいた

それに、彩ちゃんと一緒におるってことは

私も一人になることはないってことやんな

めっちゃええやん!とか思ってた

そして

すっと小指を差し出す

「おばあちゃん約束しよう!」

「え?」

「ゆびきりげんまんすんねん!」

「美優紀ちゃん・・・」

おばあちゃんもそっと小指をだしてくれた

「ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本のーます!ゆびきった!」

私ののんきな声が墓地に響き・・・

「・・・ありがとう」

おばあちゃんはまたお礼をいった

でも、最後はなんかうまく聞き取れなかった

今思うと

涙をこらえてたのんかもしれん・・・

「ほな、かえろか。あ、彩には内緒やで」

「うん」

私らは並んで彩ちゃんが待つ家に向かった

◆こんばんは

ども、しゅうです(^∇^)

さて、今回の連載も相変わらずの長編・・・

本日からはみるきー目線になる第3部的な感じになります

連載は長いですが・・・

どうなるんだろうとドキドキしていてくれていたらいいなーと

思いながら書いております

皆さん嫌にならずにお付き合いくださいませ(^▽^;)


さて、明日は「今、話したい誰かがいる」の発売日でございます

私は、本日安定のフラゲです笑

いやー聞きながら小説書くために「乃木坂工事中」のライブで初披露された時の映像を何回見ていたことか・・・笑

やっと音源ゲット!(・∀・)

聞きながらドライブするのが一番イメージが湧きます(^∇^)

「悲しみの忘れ方」もすごく好きだったので今回収録されていて嬉しかったです

皆さま是非聞いてみてください

では、また明日の朝お会いしましょう(^∇^)

今、話したい誰かがいる21

「ん・・・」

私、渡辺美優紀は

ベッドの上で目が覚めた


視界の脇にはビニール製の分厚いカーテンが見える

そうか

ここは無菌室やった・・・

「はぁ・・・」

私はため息をつく

今日は朝から

最悪だった・・・

身体もだるいし・・・

ご飯も食べれない・・・

彩ちゃんに連絡しようと思ったけど

むかむかしてメールを打つことすらも苦痛で出来なかった

そしたら、案の定

無菌室に移動させられた



彩ちゃんとこの会社の新薬

飲みだしてから調子よかったのに

内臓的にアウトだったらしい

私は全然平気やったんやけど

ただでさえ抗がん剤治療してるからって

先生が許してくれなかった

しかも薬没収されて

飲まなあかんときだけ渡されるっていうシステムになってしまった・・・

彩ちゃんが来る時はなんとか調子いいようにふるまってたけど・・・

それ以外の時間は寝てることが多かったから

抗がん剤で体が弱ってきてるんやって感じてたけど・・・


私はむくっと起き上がる

昼間に飲んだ吐き気止めがようやく効いてきて

起き上がるのは苦痛じゃなくなっていた

そして

枕元にある携帯に目をやる

そして、ロックを解除し

写真のフォルダーを開く・・・

指でスクロールし画像をめくっていく

島田のお好み焼き屋で大きな口を開けてお好み焼きを食べようとしている彩ちゃん・・・

その間抜けな顔に私はクスッと笑う

また指でスクロールし

彩ちゃんとお寺で撮ったツーショット写真になった

彩ちゃんはまたぽかんとした顔をしていた

・・・こんな顔も

もう、見れんようになるんやなぁ・・・

「・・・おりたかったなぁ・・・友達でもなんでもええから・・・ずっと・・・」

彩ちゃんの傍に・・・

ポタっ・・・

携帯の画面に私の涙が落ち

彩ちゃんの顔が歪んでいた


―――――

再発と知らされた時は

衝撃的だった

だって、嘘のように身体の調子がよかったから

治療、治療の毎日で

調子がいいっていうレベルがかなり下がっていたから

寛解して、治療が無い日々が続いて

治療していたころと比べたら

嘘のように身体が軽かった

まぁ・・・そりゃ口内炎とか微熱っぽいのはあったけど

それも日常茶飯事やったし

慣れてしまっていた


だから

私はその時思った

きっとこれが最後のチャンスなんだって

だから

私は好きなことがしたいっていった

治療は受けないって言った

受けたらきっと・・・

病院から出られなくなる

そんな予感がしていたから

けどお母さんは治療を薦めてきた

引っ越してまでずっと治療に付き合ってくれたお母さんの想いを

無下にすることもできなかった


だから

悔いの残らないように

会いたい人に会おうとおもった

やりたいことを今のうちにやってしまおうと思った


お母さんとずっと行きたかった温泉旅行にも行った

書道部の友達、大学の友達・・・

皆いろんなところに就職してたから

連絡をとって会った

田崎先生が強いステロイドの薬をくれたから

旅行も苦ではなかった

そして・・・

最後は

彩ちゃんに会おうと決めていた

東京におるっていうんは聞いてたから

入院する前に・・・って思ってた

でも、その前に

大阪でおばあちゃんに会っておかなければいけないと思った・・・

おじいちゃんのお墓に手を合わせようと思った

だって

私は約束を守れなくなったから・・・

今、話したい誰かがいる⑳

それから

私は毎日美優紀の病室に通った

治療が終わったら、一旦点滴は外れるらしく

仰々しい点滴の機械が無くなっただけでも

良くなっているように思えた

そして

新しい薬も効いているのか

調子も良いらしく

美優紀は相変わらずにこにこしてた



そして

病院に通い出してから1カ月が過ぎ・・・

美優紀が2回目の治療を終えた頃

ばあちゃんの49日は3日後に迫ってきていた

上司の配慮で多めに休みをくれていた

仁おっちゃんに任しっぱなしも悪いから

私は明日に大阪に行き、終わった後の1日は大阪の家で居ようと思っていた

休みをくれたことはありがたいなと思ったけど

その間に美優紀が・・・

ということがふとよぎってしまう自分がいた

やっぱり49日終わったらすぐに帰ってこようかな・・・

いやいや・・・

何考えてんねん・・・

そんなことを思いながら

病院に向かう

エレベーターを降り

ナースステーションの前を通り過ぎようとした時

「あ、山本さん・・・だっけ?」

「え?」

そこには田崎先生が居た

「あ、お世話になってます」

私は慌てて頭を下げた

「丁度よかった・・・ちょっといいかな?」

「はい・・・」

私は先生に言われるまま

小さな部屋へとはいっていった

パソコンと椅子、テーブルでほとんどのスペースを奪われていて

圧迫感がすごかった・・・

先生はパソコン前に座り

私を椅子に座るよう促した

「この前受けたドナーの事なんだけど」

「は、はい」

私は身を乗り出す

「・・・残念だけど、適合しなかったんだ」

「・・・そう・・・ですか」

ドンッと重いものが胸にのしかかってきた気がした

わかってる

数千・・・いや数十万の確率だってこと

合う方が奇跡だってこと・・・

わかってる・・・

わかってるんやけど・・・

私は・・・

美優紀の役に・・・立てんかったんや・・・


「それでさ・・・渡辺さんなんだけど。しばらく面会出来ないんだ」

「え・・・?」

「ちょっと採血データが良くなくて・・・無菌室に入ってるんだ」

「無菌室・・・?」

「んー簡単に言うと身体がすごく弱ってて菌をもらいやすいんだ。僕らが普通に生活しててなんら問題の無い菌でさえ・・・白血病の人にとったら危険な物になっちゃうからね」

「美優紀・・・悪いんですか」

「・・・ごめんね山本さん。家族じゃないから君には詳しくは話せないんだ」

「そうですよね・・・すいません」

私はうなだれる

「でも・・・今から僕が話すことは、新薬を使った患者の状態報告だから」

「え・・・?」

私は顔を挙げた

「製薬会社の山本さんに聞いてもらおうかな」

そういって微笑んだ


「渡辺さんに使った新薬・・・最初はよかったんだ。体調も以前よりいいって言ってたし。血液データもそんなに低くはならなかったから」

「はい・・・」

「でもね、少し肝機能が上がってきてて・・・常用するのが難しくなってきたんだ。だから今渡辺さんにとってどれくらいの薬の量がベストかおし計っているっていう感じかな・・・無理できないから、血液データも前みたいに下がってきてしまってね」

「・・・美優紀、無菌室から出れますか?」

「・・・調子がよくなったら出れるよ」

「・・・ホントですか?」

「ごめんね・・・僕からはこれ以上何も言えない」

「・・・そうですか。ありがとうございました」

私は頭を下げると

スッと部屋を出ていった


「・・・」

私は廊下に出て

美優紀のいた部屋とは反対側の方に目を向ける

長い廊下の奥には

『無菌室』

と書かれたガラス張りの自動ドアらしきものが見えた

ガラス張りなのに

そのドア1枚で

病棟から・・・この日常生活の空間から

切り離されているように感じた



―――

「彩ちゃん!」

病院を出たところで

美優紀のおばちゃんが後を追って出てきた

「ごめんな、何の連絡もせんで。今日、私用事があって、さっき戻ってきたんよ・・・その間に変わってたみたいで・・・」

「いえ、仕方ないですから」

「・・・ごめんな。美優紀、きっとしんどくて連絡できんかったんやと思う」

「いえ・・・。また、メールするって言っといてください」

「わかった・・・。ホンマにごめんな」

「いえ、いいんです」

私は一礼し、去ろうとしたが

「彩ちゃん、もうすぐ大阪帰るんやろ?」

「はい・・・明日帰る予定です」

・・・正直、こんな状況で帰りたくないけど

「そうなんや。よかった間に合って・・・これ・・・」

そういって、おばちゃんは香典を差し出した

「いや、いいですよ。そんなん」

私は苦笑いをして手を振る

「ううん。受け取って。ごめんな、美優紀の事でバタバタしてて・・・すっかりおそうなってしもて」

おばちゃんは私に無理やり香典を握らせる

「で、でも・・・」

「ええねん。美優紀にとってハツ江さんはホンマのばあちゃんみたいやったから」

「あ・・・」

返そうとした私の手が止まる

「うちはお父さん・・・あ、美優紀のじいちゃんな。早くに亡くなってしもてたし・・・ばあちゃんも美優紀が1歳になる前に亡くなってしもたから・・・。それに、離婚もしてるし・・・じいちゃん、ばあちゃんって呼べるような人は美優紀にはおらんかったから」

「・・・」

「だから、すごく感謝してる。いつも美優紀がおじゃましても笑って賑やかな方がええからって言ってくれて・・・」

「おばちゃん・・・」

「それにね・・・私にとっても自分の親みたいやったから。慣れない土地でホンマに良くしてくれたから・・・だから少しやけど、受け取って」

そういっておばちゃんは笑った

その目にはうっすらと涙が光っていた

「・・・わかりました。ありがとうございます」

私は一礼して

香典を受け取った

―――

病院前でおばちゃんと別れ

私は一人、夜道を歩いていた

もう一気に冬が近づいてきて

冷たい風が容赦なく私の頬にささる


無菌室・・・か

中は一体どうなっているんだろう・・・

あ・・・確か『世界の中心で愛を叫ぶ』で見たな・・・

あんな感じなんだろうか


『セカチュー』といって流行ってたから

美優紀が見たいって言い出して

しぶしぶ映画館に行った・・・

正直、小学生だったから内容はあんまり覚えていない

でも・・・

『助けてください!!』

そう叫んでいた主人公の気持ちが

今は痛いほどよくわかる・・・


私は夜空を見上げた

外灯の光が強すぎて

星もうっすらとしか見えなかった

明るい地上から

阻害されているような・・・

気付かれていないような・・・

そんな風に思えた・・・


まるで

美優紀みたいだった


誰にも言わず

ひっそりと

ただただ病気に耐えて・・・

気付かれなくて・・・

無菌室にはいって・・・


この世界から

切り離されているようだった


「助けてください・・・」

私はぽつりと呟く

「助けて・・・ください・・・っ」

「助けてください・・・」

「たすけて・・・っ・・・くっ・・・」

私は手で顔を多い

ぼろぼろと涙をこぼしていた


なぁ神様

おるんやったら美優紀助けてや

頼むよ・・・

おねがいします・・・

私ではどうすることもできんから・・・

だから・・・

おねがいします・・・

もう・・・

大事な人

失いたくないんや・・・

今、話したい誰かがいる⑲

その夜――

私は美優紀の病院内にあるコンビニにいた

一応手ぶらもなんやから

なんか持っていこうと思ったのだ

でも

食べもんは・・・

食べれへんかもしれんし・・・

お茶か・・・?

いや、水か・・・?

でも水って味気なくないか・・・?

いや、逆にそれがええんか・・・?

そんなことを思いながら

かれこれ

コンビニで30分以上腕組して固まっていた


「あら、彩ちゃん」

その声に私はびくっとして振り向いた

「お、おばちゃん。こんばんは・・・」

「こんばんは」

美優紀のおばちゃんは財布を片手にニコッと笑う

「お見舞い、来てくれたん?」

「あ・・・はい・・・あ、あのっ。美優紀って今何食べれますか?それともお茶とか飲み物がいいんですかね?」

私はわたわたと

目の前にあったお茶と水のペットボトルをつかみ、見せる

「ふふっ。そんなんええのに」

おばちゃんはクスッと笑う

笑った顔は本当に美優紀にそっくりだ

昔より似てるな・・・


「でも、お茶とかの方が今はええかな。食べもんはちょっときつくなってきてるみたいやから」

「あ・・・そ、そうですか。じゃあ、そうします」

私は勢いで掴んだペットボトルをそのままレジに持っていこうと歩を進める

「今日な。新しい薬使わんかって先生に言われてん」

「あ・・・」

ピタッと私の動きが止まる

「美優紀の友達がすごい勢いで頭下げてたってゆうてたで。彩ちゃんのことやろ?」

「あ・・・あはは」

私は苦笑いをする

「でも、ありがとう」

「・・・」

「美優紀のために・・・骨髄検査も受けてくれたんやって?」

「あ・・・いえ・・・」

私はペコっと頭をさげる

「やっぱり、彩ちゃんにゆうてよかった。ありがとう。でも、無理せんでええよ」

「いえ・・・無理とかそんなん全然思ってませんから」

「そう・・・ありがとう」

「ほな、私これ買って美優紀んとこいきますんで」

「うん、じゃあ私はちょっとご飯食べてから行くから。ごゆっくり」

そういっておばちゃんは手を振った


―――

私は美優紀の部屋の前で

固まっていた

ノックするのをためらっていた・・・

なんて話ししたらええんかなー・・・

ん?そういやおばちゃんがドナーの話し知ってるってことは

美優紀も知ってるんか?

なんやめっちゃ恥ずかしいやんけ・・・

私の頭ん中はいろんなことでぐるぐると回っていた

いや、そんなん気にしてどうする

さっきから

廊下を通る看護師さんの目が痛いんや

さっさと入るで!

私はふるふると頭を振り

深呼吸をして

ドアをノックし、開けた


「あ、彩ちゃん」

美優紀は斜めに起こされたベッドに身を預けていたが

私を見るとパッと上体を起こす

「お、おう。こ、これ」

私はぎこちなくコンビニの袋を見せる

「あ、ありがとーでもそんなんええのにー」

そういって美優紀は袋を受け取った

「いや・・・だって手ぶらってのもなぁ」

「ふふっ。変なとこ真面目やねんから。座って」

「お、おう」

私はパイプ椅子に腰かける

「調子・・・どうや?」

「うーん。今はいけるよ。でも、もうすぐ抗がん剤の投与が終わるから・・・この後からって感じやけど・・・」

そういって美優紀は笑った

「そうなんや」

「うん、なんや長いこと治療してきたら自分の体の事わかってきてなー」

そういって美優紀はまたずーっとしゃべり続けていた

私はいつものようにへーとかふーんとか答えていた

なんか聞けば聞くほど

ブルーになる内容なのだが

話している美優紀本人はそんな様子を微塵にも感じさせないほどにこにこしていた

「でな、抗がん剤おわって少ししたら新しい薬使うんやってー」

「へー・・・」

その言葉にドキッとする

「彩ちゃん、田崎先生と会ったんやろ?ゆうてたで、彩ちゃんとこの会社の薬使うーって」

「そ、そうなんや」

「ちょっとでもマシになってくれたらええなー。むかむかしたらご飯食べれんのやもん」

美優紀は口をとがらす

あれ・・・?

ドナーの話しは美優紀にはいってないんかな?

まぁ確かにまだ合うかどうかわからんから

おばちゃんだけに話したんかもしれんな・・・

美優紀にその話しは言っていないことを知って

私はホッとした

「彩ちゃん?もー聞いてる?」

「え?あ、あぁ。聞いてるで」

私はハッとして苦笑いをする

「絶対聞いてなかったやろ」

「き、聞いてたわ」

「あれやろ?うちの薬つかうって話しやろ?」

「その後、私なんてゆうた?」

「え・・・?」

「ほらーやっぱりきいてないやん」

「う・・・」

「罰として、明日も来てな」

そういって、美優紀はいたずらっぽく笑った

「・・・」

その表情にドキッとした

「・・・罰やなくても来るわ」

「え・・・?」

「退院するまで・・・毎日来る。面会時間、間に合うようにマッハで仕事終わらして来るからな」

「彩ちゃん・・・うん!」

美優紀は

後ろにニコッって効果音が見えそうなくらいの

満面の笑みで私を見た


反則やでそれ・・・



今、めっちゃ抱きしめたいって思ったわ・・・

今、話したい誰かがいる⑱

ピピピピピ・・・

「ん・・・」

いつもの携帯アラームが鳴り

私は目を覚ます

昨日泣きながら帰ってきて

スーツのままベッドに突っ伏して

気付けば眠っていた

「あー・・・」

私は皺だらけのスーツをみてため息をつく

そして

スーツを脱ぎ棄てると

洗面所に向かった

「あー・・・こっちも酷いわ」

私の顔は

昨日どんだけ泣いたねんってくらい

目が赤かった

でも、出勤せんわけにはいかんし・・・

私は勢いよく

冷たい水で顔を洗った

―――

とりあえず寝れなかったとか

体調があんまりよくないんですとか適当に誤魔化しながら

私は病院をまわっていた・・・

ちなみに、今日も同僚は休みで

私は昨日と同じ病院周りになる

次は美優紀の病院か・・・

仕事中、昨日の美優紀の姿が頭から離れなかった

携帯で検索した白血病の情報によると

ぶつけたわけではないのに痣ができたり

治療に強いステロイド剤を内服するということが書かれていた

美優紀の腕にあった痣と

部屋で見つけた薬を思い出して

製薬会社に勤めてすこし病気に詳しくなっていたのに

気付けなかった自分に

また腹が立っていた・・・


・・・後悔ばっかりしても仕方ない

今は美優紀をどうやって支えるか

考えよう・・・

でも・・・

お見舞いに行っても良いんだろうか・・・

美優紀は嫌じゃないんだろうか・・・

それに・・・なんて声かけていいか

そんなことばかりがぐるぐる回っていた


そして

私らは美優紀の病院に着く

今日は昨日話していた先生がジェネリックの件について詳しく聞きたいらしい

私らは手続きを済ませ

医局へと向かう

あいにく先生は病棟に呼ばれてしまったらしく

私らはソファーのある談話室に通された

「あの・・・昨日の田崎先生・・・でしたっけ?何科の先生なんですか?」

「あー内科の先生だよ。血液内科。今日はジェネリックとうちで最近できたの免疫抑制剤の薬について話しするんだ」

そういって先輩はパンフレットを渡してくれた

そこには

白血病、悪性リンパ腫の患者に適応―

と書かれていた

私は目を見開く

・・・もしかしたら美優紀に効くかもしれない

私は食い入るようにパンフレットを見る


「いやーすいません。お待たせして」

そういって田崎先生が不精髭を触りながら現れた

「いえ、よろしくおねがいします」

先輩が立ちあがったので

私も慌てて立ち上がり、一礼する

「では、さっそく薬の事なのですが・・・」

そういって先輩は席に座り

先生と向かい合って話し始める

私も隣で話しを聞いていた

「で、ですね。今回開発されたこの薬は従来のステロイド剤よりも強くてですね、症状の抑制や骨髄移植の際のショック反応を押さえることが出来まして・・・」

私はその言葉にハッとする

骨髄移植・・・

そうだ

美優紀はまだその道があるじゃないか

私の血液型はB・・・

美優紀も・・・B型や!!


「あのっ!」

私は思わず声をあげて立ちあがっていた

2人とも驚いて私の方を見る

「お、おいっ!山本!」

先輩が制止しようとするが

私は田崎先生の目をじっと見つめていた

「何かな?」

田崎先生はニコッと笑う

「ここの内科に入院してる渡辺美優紀をご存知ですか?」

「ん?僕の患者だよ。知り合いなのかい?」

「はい。親友です。・・・小さい頃からずっと・・・」

「・・・そうか」

先生は目を細める

「あのっ。私の骨髄調べてもらえませんか?」

「え?」

「私もB型なんです!美優紀もBやし・・・適応するのはすごい確率だってわかってます・・・でも・・・」

美優紀の

役に立ちたい・・・

そう言おうとしたけど

涙が勝手にでてしゃべれなくなってしまった

「山本・・・」

「・・・そうか。じゃあ、検査してもらおうかな」

そういうと先生はPHSを取り出し

何やら話しをする

「うん、じゃあよろしく」

そういって電話を切り

「じゃあ、外来受付行ってもらえるかな?」

「え・・・?」

「検査。ちょっと採血させてもらうね」

そういってニコッと笑った

「あ・・・ありがとうございます!」

私は深々と頭を下げた

――――

数十分後

私は医局へと戻っていた

腕には採血をされたあとに貼られた絆創膏があった

「・・・」

しばらく押さえていたが

もう血も止まってるだろう

私はめくり上げていたシャツを戻し

スーツに袖を通した

検査は本当に早くすんだ

血を取るだけだったのだ

でも、結果が分かるのはしばらく時間がかかるらしい・・・

コンコン・・・

「失礼します」

私は中に入る

中ではまだ薬についての説明がされていた

「お、お帰り」

「ありがとうございました」

私はまた頭を下げる

「ううん。いいんだよ。それに、なんか嬉しくてねー」

「え?」

「友達でドナーにならせてくれなんて言う人、滅多にいないから。本当に大切なんだね・・・渡辺さんの事」

「・・・はい」

当たり前や

だって・・・

好きだから・・・

大好きだから・・・

失いたくないから・・・

「うん、わかった」

先生は私の顔をしばらく見つめ

ニコッと笑った

「渡辺さんにさ新薬の使用について話してみようかと思うんだ」

「え・・・?」

「まぁ同意書とかデータ取らなきゃいけないとかいろいろあるんだけど・・・試してみる価値はあると思うんだ。良くなる可能性だって・・・あるしね」

「・・・は、はい!おねがいします!!」

私はこれでもかってくらい頭を下げていた

「よ、よろしくおねがいします」

先輩も契約が決まったので慌てて立ち上がり頭を下げた


―――――

しばらくして

私らは駐車場に着く

「すいませんでした」

車に乗り込もうとした先輩に私は頭をさげる

「いいよ。勤務中に採血したのとかも内緒にしといてやる」

「あ、ありがとうございます」

「山本の熱さになんかぐっときちゃったよ。・・・治るといいな。その子」

「・・・はい」

そういって私らは

車に乗り込んだ
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