気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

2015年11月

◆なんか・・・

こんばんは、しゅうです(^∇^)

ちょいと息抜きに

ベストアーティスト2015を見ていたのですが

SKE「前のめり」歌ってましたね

いやー歌の前からAKBグループが集合してるところをみて

衣装が「前のめり」だったから

センターは珠理奈なんだろうなぁと思っていたのですが・・・

なんだろう

珠理奈がセンターで歌うと

「前のめり」がすごく切なく感じてしまうのは・・・

あーもう玲奈ちゃんは居ないのねーとしみじみ思ってしまうと同時に

歌詞も珠理奈が玲奈の事を思いながら歌っているように聞こえてしまってね・・・

でも、みんな頑張ってんだなーとも思い

私も頑張るって思ったからには気合いれなあかんなーと

改めて思いました(・∀・)

今、まさに走り出したところですしね(^∇^)

クリスさんとKABA.ちゃんいなかったら

切なさの方が勝っていたかもしれない笑

しかし、なんであの二人とコラボしたんだろう・・・笑

そして、浜田ばみゅばみゅの曲が頭から離れない・・・

衝撃的でしたわ笑


さ、仕事もろもろ頑張りますか!(・ω・)/

皆さまも急に寒さが増しましたので

風邪などひかれませんように・・・




しゅう

◆お詫び

ども、さっそく再登場しました

しゅうです(^▽^;)

過去の作品で初恋の行方とプレイボール 3年後 をふと読み返しておりまして

わたくし、重大なミスを犯していることに気がつきました・・・

岸野さん重複問題(・_・;)

もともと彩の中学の同級生ってことで出していたのに

作者、すっかり忘れておりました・・・

なので、少し修正しております

気になる方は8話を読みなおしてみてくださいね

では、失礼いたしました(;´▽`A``

◆お知らせ

どうも、しゅうです

みなさま、いつも私の小説を読んでいただいてありがとうございます(^∇^)

さて、この短編2作をもちまして

3カ月くらい執筆活動をお休みさせていただきますm(_ _ )m

今やっていることが

案の定詰まってきておりまして(^▽^;)

たまにぷらっとブログとか書きに現れるかもしれませんが

続編ものの小説は休止します

書きだすと止まらないので・・・(・_・;)

とりあえず落ち着くまで、待っていただけたら嬉しいです(;´▽`A``

最近、読者登録をしてくださる方が多くて

気付けばえらい人数になっておりますねΣ(・ω・ノ)ノ!

本当にありがとうございますm(_ _ )m

最近、このブログみつけたよーと言う方は

まだ読んでいない小説とかがありましたら

この機会に読んで待っていただけたら嬉しいです



では、みなさま

今年も、もう1カ月弱

風邪などひかれぬよう

元気にお過ごしくださいませ(^∇^)



気ままな詩人  しゅう

あとがき

『時計』を読んでいただいてありがとうございました

今回も槇原さんの曲です(^∇^)

『どうしようもない僕に天使が舞い降りてきた』という曲です

この曲もめっちゃ好きなので

聞きながら書きました(^∇^)

今回は玲奈ちゃんにヤキモチをやかせたかったんです笑

喧嘩って付き合っていく上で逃れられないし

してわかることもあると思うんですよねー

昔はよく喧嘩してました(;´▽`A``

今はそんな気力すらありませんが笑

喧嘩して本音が言える

そうやって関係性が築かれていくのではないかなーと思います

では、読んでいただいてありがとうございました(^∇^)

時計

「もう知らないっ!」

「わっ!」

勢いよく投げつけられた枕から

羽が舞いあがる

「珠理奈のバカ!」

そういって玲奈ちゃんはドアを閉めて

部屋から出ていってしまった

ドアの勢いで

部屋の枕の羽たちはまた宙を舞う


「はぁ・・・何やってんだよ私・・・」

私、松井珠理奈は頭を抱え

羽が散乱した床にぺたんと座った

今夜はついに

彼女である玲奈ちゃんを怒こらせてしまった

私はワンルームの部屋のベッドの方に視線を向ける

「あ・・・玲奈ちゃんもっていったんだ・・・」

私はぽつりと呟く

喧嘩の原因は

枕元におかれていた目覚まし時計だった

高校時代の初めての彼女がくれた時計・・・

『珠理奈は朝起きれないから』

そういってプレゼントされた

それからずっと使っていて

別れた後も

その音で目が覚めるのが習慣だったから

大学生の今もずっと使っていた

最近はセットしていても鳴らない時がある

まぁ高校生のプレゼントの値段なんて知れてるし

寿命かな。なんて思っていた

まぁ、でも

鳴る確率の方が高いし

時計としては使えるし

いいかって思って

ずーっと使い続けていた


ある日

玲奈ちゃんが泊った時に

朝、目覚ましが鳴った

――

「珠理奈・・・?鳴ってるよ」

「あ・・・うん」

私はそう言いながら

止めずに玲奈ちゃんの方に身体を寄せる

昨日の情事の後なので

2人とも生まれたままの姿だった

「んー・・・」

私は玲奈ちゃんの胸に顔をうずめる

肌の感覚が心地よかった

「もう・・・だから、鳴ってるってば」

「んー・・・」

私はもそもそと手を伸ばし

目覚まし時計の上にあるスイッチを押して止める

「もう、なんで今日休みなのに目覚ましつけてるの?」

「んー・・・昨日鳴らなかったからそのままだったんだよ。今日はちゃんと鳴ったなぁ」

私はそう言いながらまた玲奈ちゃんを抱きしめる

「鳴らないのにつかってるの?」

「んー・・・まぁずっと使ってるからなんかそのままなんだよねー」

朝のまどろみのなか

私はまだうとうとしながら答える

「ふーん・・・そうなんだ」

「うん、高校のときの彼女がくれたんだー。なんかもうその音で起きるのになれちゃって・・・」

「・・・そう・・・なんだ」

「うん」

そういって私はまた眠りに落ちた

「・・・結局起きてないじゃん」

そう玲奈ちゃんが言った

この時

気にもとめていなかった

玲奈ちゃんのトーンが変わったことなんて・・・

――

それから

玲奈ちゃんは次の日が休みの時は目覚まし時計のアラームが切れているか

必ずチェックするようになっていた

そして

今日・・・

「ねぇ・・・珠理奈。この時計、変えない?」

そう言われた

「え?まだ使えるし大丈夫だよー」

私は呑気に答えていた

「・・・大事なんだね」

「んー大事っていうか・・・慣れって言うか・・・」

「・・・」

玲奈ちゃんはぎゅっと拳を握り

「バカっ!」

そういって枕を投げつけてきた

そして

今、部屋は枕の羽で大惨事になっているのだ


「あーもう!どうすんだよこの部屋!!」

私はイラッとして頭をわしゃわしゃと掻く

『大事なんだね』

そういった玲奈ちゃんの顔を思い出す

切ない

今にも泣きそうな顔・・・

「・・・もしかして・・・」

私はハッとして

バタバタと靴を履いて

外に出た


「はっ・・・はっ・・・」

外灯に照らされた薄暗い道を私は走る

枕の羽が点々と落ちていて

それを頼りに追いかける


ホントは探してほしい・・・


残された羽がそう言っているように聞こえた・・・


玲奈ちゃんは大学の1つ上の先輩だった

私の完全に一目ぼれだった

玲奈ちゃんを追ってサークルに入って

猛アタックをかけて

恥ずかしそうに「いいよ」って言ってくれた顔は今でも覚えている

それから

もうすぐ1年・・・

土日はお互いの家を行き来して

キスしたり

抱きしめたりするのが

挨拶みたいになっていた


でも・・・

私はちゃんと玲奈ちゃんを見ていたんだろうか?

頼りになるお姉さん

そんな感じで甘えていただけなのかもしれない

玲奈ちゃんがどう思っているのかを聞く前に

いつも私の思いや考えばかりを押しつけていた気がする

「くそっ!」

私は苛立ちながら

羽を追う

この道は・・・

きっとあの空き地だ

そう思い、スピードを上げた


―――

「はぁはぁ・・・」

私は肩で息をしながら

空き地にたどり着いた

玲奈ちゃんは・・・

やっぱり居た

「・・・玲奈ちゃん」

その声に反応して

玲奈ちゃんは私の方に振り返った

手には

目覚まし時計があった・・・

「あの・・・」

「珠理奈はさ」

私の言葉を遮って

玲奈ちゃんが口を開く

「勘違いしてるんじゃない?」

「え・・・?」

「私は珠理奈のお姉さんじゃないよ」

ドクン・・・

胸が痛んだ

そして

玲奈ちゃんはすっとお辞儀をした

その他人行儀な行為が

私の胸をさらに締め付けた

「え・・・?」

私が声を上げると同時に

目覚まし時計が宙を舞った

でも、私は玲奈ちゃんの顔から眼をそらすことができなかった

まるで

誰かを見送るように

そっと微笑んでいた

ガシャン!

目覚まし時計は

地面に落ち

画面にはヒビが入っていた


「・・・ごめんなさい」

玲奈ちゃんハッとして

目覚まし時計に近づこうとした

「いいんだ!」

私は玲奈ちゃんを抱きしめる

「・・・っ。ごめんなさい。私・・・嫌なヤツだよね」

「ううん。そんなことない」

私は首を振る

「私ね・・・珠理奈が初めての恋人だし・・・付き合うっていうのよくわかんなくて・・・珠理奈に嫌われたくないって思ってた。でもね・・・」

玲奈ちゃんの声がくぐもる

「この時計、珠理奈の前の彼女がくれたんでしょ?どんな人だったのかな?同い年で私より話しあったのかな?とか・・・そんなことばっかり思って・・・これ見るたびもやもやして・・・でも・・・気にしちゃダメだってずっと思ってたけど・・・」

「玲奈ちゃん・・・ごめん」

私はぽつりともらす

「でもね、前の彼女と玲奈ちゃん比べたことなんてないよ。玲奈ちゃんが一番大好きだし。大事だし。愛してる」

「珠理奈・・・」

「私が悪いんだ。そんな玲奈ちゃんの思いも気付かないで。ごめん・・・ほんとにごめん。」

「こんな私でも・・・嫌いにならない?」

「ならないよ。むしろ私の方が聞きたいよ」

「え?」

「玲奈ちゃんの気持ちもわからないようなやつ・・・嫌いになってない?」

私はそう言いながら

涙が滲んできた

壊れた目覚ましより

もっと

玲奈ちゃんの気持ちが痛かったから・・・

「なんで珠理奈が泣くのよ」

そういって玲奈ちゃんは目に涙をためてクスッと笑った

そして

「私が一番?」

そう尋ねてきた

「うん」

「大事?」

「もちろん!」

「こんなヤキモチ妬きでも?」

そういって顔を赤らめる玲奈ちゃんが

たまらなく愛おしかった

「うん。そんな玲奈ちゃんもぜーんぶ好きだよ」

私は玲奈ちゃんの髪についていた羽をそっと手に取り

頬に触れ、キスをした



君はきっと

こんなどうしようもない私に

舞いおりてきた天使なんだ・・・

だから

もっと努力するよ

君がずっと傍で笑っていてくれるように・・・



帰ったら部屋の掃除は

私が全部するから

一緒に帰ろう・・・


――FIN――

あとがき

『モンタージュ』を読んでいただいて、ありがとうございました

モンタージュというのは

警察が犯人捜索のために書く似顔絵の事です(^∇^)

槇原敬之さんの曲が元ネタのなですが

作者は槇原さんの曲がすごく好きなのです(・∀・)

中高生の時くらいから聞いていたのですが

聞かない期間が長くても

ふと、また聞きたくなってしまうのが槇原さんの魅力だと思います

最近、この曲が頭の中に流れてきて

勢いで短編を書きあげてしまいました笑



私の書くさやみるきーは幼馴染設定が多いので

今回は店員さんと大学生にしてみました笑

まぁ、ピュアな片想いっていうのは変わりませんが・・・(^▽^;)

そして、NMBのライブでまーちゅんが登場したのもあり

俺らのみんなでワイワイするっていうのを書きたかったのです(^∇^)

作者はコーヒーが好きなのでよくカフェに行くのですが

喫茶店とかカフェの店員さんって

なんで可愛い人が多いんでしょう・・・笑(・∀・)




もしよければ槇原の曲も聞いてみてくださいねー(・∀・)

では、読んでいただいてありがとうございました(^∇^)

モンタージュ

「次は―――」

電車の中で独特のアナウンスが流れる

私、山本彩はそれを合図に立ちあがり

電車を降りた

駅の改札を出て

少し歩くと

坂道が見える

「・・・」

ドキドキした

そして

坂道を登る前からドキドキしている自分に

半ばあきれながら

歩を進めた

坂を登ると

そこには小さな喫茶店があった

最近でいうスタバとかカフェ的なのではなく

純喫茶店という風貌だ

元々、ここは私の住んでいるところとは反対方向だ

でも、私はここ最近この店に通っている

アイスコーヒーとスコーン

それが私の定番になっていた

そして、参考書を広げ勉強する

そのスタイルがもう定着しつつあった

落ち着いて勉強ができるから・・・そう言いたいところだけれど

むしろ逆だ・・・

そわそわして、落ち着かない・・・

でも、私はそれを言い訳に

今日もまた

この喫茶店のドアを開ける


―モンタージュ――

3か月前

「彩ーー!ちょっと聞いて!」

大学のサークル仲間の小笠原茉由が今にも泣きそうな顔で私に詰め寄ってきた

「ど、どないしてん」

私は思わず身体をのけぞらせる

「サッカー部の武田くん。彼女おったんや」

「あー・・・そうなんや」

私は苦笑いをする

茉由は恋多き女性で

最近ではその武田ってやつに熱を上げていた

「さっき偶然女の子と手ぇつないで歩いてるんみてん・・・あれ彼女やわ絶対」

「そ、そうかぁ」

私は時計をちらっと見る

次の講義が始まる時間が迫ってきていた

「すまん、まーちゅん。また後で話し聞くから」

私は手を合わせ謝る

「えー!私のこの悲しい思い聞いてよ!」

「いや、里歩とか岸野とかおるやろ?それにゆっぴやって・・・」

服をつかまれ

私は苦笑いをする

里歩、岸野、ゆっぴ・・・

この3人も同じサークルの仲間だ

全員同学年で意気投合して

通称「俺ら」

という飲み会でちょっとしたネタを披露する

変なお笑いユニットみたいになっていた

「いや、皆今日は別キャンパスで講義やし」

「あー・・・そっか」

「私こんな時に限って、もう今日講義ないねん」

「いや、だっだら帰ったらええやん」

「こんな気持ちで一人でおったら余計虚しいやん!」

「えー・・・」

そんな話しをしていると

講義が始まるチャイムが聞こえてきた

「げ・・・」

「はい、彩。今日はサボりけってーい」

「いやいやいや」

「ええやん、今日は次の講義で最終だったんやろ?」

「まぁ・・・そやけど」

「お願い!ちょっとつきおうて!」

茉由は手を合わせ、私に詰め寄る

「はぁ・・・しゃあないなぁ」

私は諦めてため息をついた

「ほんま!?ありがとう!」

茉由は嬉しそうに私に抱きついてきた

おいおい・・・

もう、立ち直ってるんちゃうか?


――――

「で、なんでこんなとこまで移動すんねん」

私は駅前で眉をひそめる

茉由が連れてきたのは大学から2つ離れた駅だった

「だって、大学近くやったら学生いっぱいおるやん!彼女見てしもても嫌やし」

「その彼女も講義やろ・・・」

「ええの!他の人が聞いてるかもしれへんし、そんなん思ったら思いっきり話しもできんやん」

そういって茉由はすたすたと歩き出した

「へいへい・・・」

私もしぶしぶそれに続く

真っ直ぐ歩いていると

坂が見えてきた

坂を登る手前に『渡辺珈琲店』と書かれた看板があった

どうやら喫茶店らしい

「あ、ちょうどええやん。ここ行こう」

「あぁ、そうしよか」

茉由の提案に、私は頷いた

この駅って降りたことないし

どこに何があるかとかも知らんから

どこでもええか・・・

私らは矢印に導かれるように坂道を登る

坂を登りきると

その喫茶店はあった

外観も古く喫茶店という名にふさわしいたたずまいだった

「わーなんか純喫茶って感じやなぁ」

「そうやな」

そんなことを言いながら

私らはドアを開けた

カランカラン・・・

「いらっしゃいませ。2名様ですか?」

細身の中年女性が出迎えてくれた

白いYシャツに黒いパンツ・・・うん、喫茶店って感じや

私はアイスコーヒー

茉由はミルクティーを注文した

「あーあ・・・武田君、彼女おらんとおもったんやけどなぁ・・・」

茉由はそういってうなだれる

「サッカー部って結構人気なんちゃん?まぁ、しゃあないって」

「あまい!ちゃんと調査して彼女おったけど別れたってきいてたもん」

「え?そうなん?でもまたすぐに彼女できるとかチャラいんちゃん?逆によかったんちゃうか?」

「そうかなぁ・・・。でもかっこええねんで。あのボールを追いかける姿・・・」

茉由はきらきらと目を輝かせながら上を見る

「へいへい・・・」

ったく・・・失恋してんのに何思いをはせとんねん

そう思いながら

水を飲もうとグラスを口に近づける

その時

「おまたせしましたー」

店員の声が聞こえて私は顔をあげる


肩を少し越えた長い髪に緩やかなパーマがかかった

細身の若い女性がそこに居た

「アイスコーヒーとミルクティーになります」

そういって、微笑んだ

「・・・」

私は生まれて初めて

自分の耳が赤くなっていく音を聞いた・・・

「アイスコーヒーの方は・・・」

そういって店員は私の方をみる

「あ、わ、私です!って冷たっ!」

慌てて返事をしたので

私は手にしていた水をこぼしてしまった

「あ、大丈夫ですか?」

店員は私の方に近づく

「あ、だ、大丈夫です」

私はおしぼりで服にしみ込んだ水を拭く

「今乾いたタオル持ってきますね」

そういって店員は手際よく

アイスコーヒーとミルクティーをテーブルに置き

足早に去って行った

「何やってんねん彩ー」

茉由は呆れたように私を見る

「ちょっと手がすべったんや」

「・・・ふーん」

茉由はにやにやと私を見つめていた

「お待たせしました」

店員は乾いたタオルを持って再び現れた

「あ・・・す、すいません」

顔を近づけられて

私はとっさに俯いた

濡れた服をあらかた拭き

私は気持ちを落ち着かせるためにコーヒーを飲む

「あの店員さん可愛いなぁ。アイドルでもいけんちゃん?」

茉由はそういって

カウンター奥で食器を拭いているさきほどの店員を見る

「そやな・・・」

私もちらっと見る

そして、不覚にも目が合ってしまった

「あ・・・」

彼女はニコッと笑う

私もあわててぺこっと会釈をした

「ほー・・・」

茉由はまた目を細めて私を見つめていた

―――

失恋話からたわいのない話まで

ひとしきり話した後

私らはレジに向かった

レジには先ほどアイスコーヒーを持ってきてくれた店員さんがいた

茉由はつき合わせたからと奢ってくれた

私はレジを打つ彼女の横顔をぼーっと見つめていた・・・



「あの店員さんってあそこの店の娘さんかな?」

坂を下りながら茉由が言う

「え?」

「だって、あれ家族経営やろ?絶対。カウンターに座ってた常連っぽい人が奥さんとかみゆきちゃんとかゆうてたやん。顔やって似てたし。」

「・・・どんだけ耳ええねん」

「人間観察がすごいってゆうてくれる?」

「へいへい・・・」

みゆきちゃん・・・

それがあの人の名前か・・・

名前がわかって

すこし茉由に感謝した

「・・・彩、惚れたやろ?」

「は?な、何ゆうてんねん」

その台詞にドキッとする

「ええって、ええって。私別に偏見とかないし。恋多きまーちゅんの観察眼をなめたらあかんで」

そういって私の肩を叩く

「あ、あほか!私は別にそんなんや・・・」

「ふーん。じゃあ私の話しもそこそこにあの人が動くたびに目で追ってたんはどこのどなたかなぁ?」

「な・・・」

「これは、りぽぽらに報告せなあかんな」

「ちょっ!ちょっとまてぇ!私はそんなんや・・・」

「いけるいけるー。みんな偏見ないし。岸野なんて高校んとき女の子と付き合ってたってゆうてたし。相談乗ってくれるって」

「は?なんやそれ!?いつそんなんゆうてん!」

「え?この前の飲み会。彩、酔い潰れて寝てとき」

「なんやて・・・」

私は混乱する

というか・・・

これが恋と言うものなんだろうか・・・?

・・・

彼女の笑顔が脳裏をよぎる

ドクン・・・

いつもと違う心臓のリズムは

もう、認めろと言っているようなものだった・・・


――――

「マジかっ!!誰や!?どんな子!?」

「彩ホンマいよん?いやー!!私も見たいー!」

「大丈夫、彩が好きになった人なら私、全力で応援する」

その夜、私の下宿先のアパートで

岸野、ゆっぴ、里歩はそれぞれのリアクションを見せる

「な?ゆうた通りやろ?」

茉由はそういって笑った

「で、どんな子や?」

岸野は私をはがいじめにする

「え・・・えーっと・・・髪は肩より長くて・・・」

「「うんうん」」

「背は私くらいで・・・」

「「うんうん」」

「色白で・・・」

「「うんうん」」

「顔は・・・」

誰に似てるってゆうたらええんやろ?

思いつかない・・・

私は微笑んだ彼女を思い出して

また顔が赤くなった

「うわー彩、顔赤いで」

「マジやなマジ」

「肝心の顔が気になるんですけどー」

皆、私の反応が面白いのか

テンションが一気にあがり

さらに詰め寄られた

・・・っていうか

なんやねん、この取り調べみたいな状況は・・・

「そんなんゆうても、誰に似てるとか思いつかへんし」

「・・・よっしゃ!りぽぽ!紙もってきぃ」

「ラジャー」

岸野の指示に里歩はぴしっと敬礼をし

自分の鞄からルーズリーフを1枚ぬきだした

「なにすんねん?」

「似顔絵や」

岸野がニヤッと笑う

「はぁ?」

「大丈夫。彩の証言を元に書くから」

そういって里歩はまた親指を立てる

手にはシャーペンが握られていて

既に準備万端だった・・・

「はい、じゃあ目はどんな感じ?一重?二重?」

おいおい・・・

犯人捜しやないんやから・・・

苦笑いしながらも

岸野に聞かれるがまま答えていた

茉由も証言に加わり

一応、私らの証言を元に

渡辺珈琲店の『みゆきちゃん』ができあがった

「ほー」

「これが噂のみゆきちゃんか」

「ふーん」

「言っとくけど、全然似てへんからな」

そういって、私は苦笑いをした


――――

岸野達もその喫茶店に行くとい言い出したが

私は断固拒否した

行ったらうるさくして迷惑がかかるし

彼女をみられるのは

なんかめっちゃ気恥かしかった・・・

「まぁ、みゆきちゃんに会うんは彩が紹介してくれた時にせぇへん?」

茉由のナイスフォローで岸野らには場所を知られることなく

難を逃れた

その後・・・

私は何度もあの喫茶店に足を運んでいる

確かに彼女は行くたびに居て

従業員も母親とおぼしき女性と2人だった

家族経営って言うんはホンマかもしれへんなー・・・

私は、茉由の観察眼に感心していた

そして・・・

気付けば3カ月が経っていた

「なんか・・・ストーカーみたいやなぁ・・・」

きもいなぁ・・・自分

呟いて、余計に自分に嫌気がさした

カランカラン・・・

いつもの音が鳴り

私はいつもの席に座る

そして

「いらっしゃいませ」

いつもの彼女が水をもってやってきた

「あ・・・あの」

「アイスコーヒーとスコーンですね」

そういって彼女は笑った

「え?」

私はその発言に目を丸くした

覚えてて・・・くれてたんや

「あ、今日は違います?」

「い、いえ・・・それでお願いします」

私は慌ててぺこっと頭を下げた

「いつもありがとうございます」

「あ・・・は、はい」

「少々お待ちください」

彼女はそういってカウンターの方に歩いて行った

「・・・っ!しゃっ!」

私はしゃべれたことが嬉しくて

小声でテーブルの下でぐっとガッツポーズをとった

みとれよ岸野、里歩、ゆっぴ・・・

あんな似てない似顔絵じゃなくて

ちゃんと本人を目の前につきつけたんねん

私はカウンターの向こうに居る

彼女を見つめる


私のハートを奪った犯人は

電車で二駅のところで

今日も笑ってる


――FIN――

あとがき

『今、話したい誰かがいる』を読んでいただいてありがとうございました(^∇^)

相変わらずの長編でしたが

皆さんに多くのいいねをいただいて

嬉しい限りでございますm(_ _ )m

作者自身もこれほど長くなると思っていなかったのですが

美優紀サイドの想いとか過去に何があったのかというのを書いたほうが

物語の裏側がわかって、より入り込みやすくなるのかなぁと思い

気付けば40話くらいになってしまいました・・・(^▽^;)



ラストは悩みましたが

やっぱりハッピーエンドがいいなーと思い

こんな感じに落ち着きました

最後、公園で彩が美優紀に言った台詞は

皆さんが想像してくれたらいいなーとおもって

あえて書きませんでした

そして

今回はエピローグという形で美優紀サイドのラストも書いてみました

いかがだったでしょうか?

個人的には39話の終わりにシーソーが揺れたところから

『今、話したい誰かがいる』が映画のエンディングのように流れて

今までのシーンが回想されながら

歌が終わった後に

場面がかわって

エピローグの話しになるって感じのイメージです



好きな人の傍に居る

「おかえり」といってくれる誰かが居る

なんでもない日常がある

それってすっごく幸せなことだよなーと

書きながら思っていました


皆さんには

『話したい誰か』が居ますか?


では、この辺で・・・

読んでいただいてありがとうございました(^∇^)

今、話したい誰かがいる エピローグ

私らは公園を出て歩く

「えへへー」

私は上機嫌で彩ちゃんと腕を組んでいた

「・・・」

彩ちゃんはちょっと照れくさそうにしてたけど

まんざらでもない顔をしていた


そして

私らはおばあちゃんたちのお墓に花を生け

手を合わせる

おじいちゃん、おばあちゃん・・・

この前、検査結果返ってきてん。異常なしやったで。

私・・・治ったで

だからな

これからも彩ちゃんと一緒におれるよ

約束・・・守れそうやで

―――

「美優紀」

熱にうなされもうろうとする意識の中

低い男の人声を聞いた

ぼんやり目を開けると

「わかるか?・・・父さんや」

そう言われた

「おとう・・・さん?」

私の中のお父さんはもうシルエットくらいの感じで

顔をはっきりと思い出せなくなっていたから

理解するまでに時間がかかった

「母さんから大阪におるって聞いてな。すまん・・・何も知らんで・・・こんな時にだけ会いに来て・・・」

ええよ・・・

私はしゃべらない代わりにゆっくり首を振る

「あのな・・・こんな時にって腹立つかもしれんけど・・・」

そういってお父さんは私の視界から消え

代わりに

女の子が現れた

まだ幼さの残る顔・・・

「・・・お前の妹や。・・・母さんは違うけど」

衝撃的だった

妹・・・?

私の・・・?

ぼんやりとする意識の中で

妹と言われる女の子の顔だけは

はっきりと見えた

「美優紀の話ししたら、会いたいっていってくれたんや」

「そう・・・」

「ほれ、名前いいなさい」

「渡辺・・・美沙紀です」

「美沙紀ちゃん・・・」

私はその名を呟く

なんや私と名前似てるやん

そう言えば・・・私の名前ってお父さんがつけたってゆうたな・・・

もう、名前のレパートリー少ないで・・・

私はクスッと笑い

「美沙紀ちゃん。ありがとう・・・私、一人っ子やったから妹がおるってわかって・・・嬉しいよ」

「・・・私も!お姉ちゃん・・・ほしかったから・・・」

そういってうつむく

「そっか・・・よかった」

あれ?

なんや・・・ちょっと私と似てる?

私は美沙紀ちゃんとお父さんを見比べ

あぁ・・・私、お父さんとも似てんねや・・・

そんなことをぼんやりと思いながら

意識が遠のいていった



そして・・・

私はそのまま熱にうなされ

5日間も生死の境をさまよっていたらしい

でもぼんやりと

彩ちゃんが来てくれているということは分かっていた

それに・・・

手を握っていてくれた感覚も・・・


目が覚めて

炎症反応も下がった時

医者には奇跡だと言われた

しばらくして状態が安定すると

東京の元いた病院に私は転院という形になった

田崎先生や病棟の看護師さんに頭を下げたら

「ドナーが見つかったから、もういなくなったりしちゃダメだよ」

そう言われて

ハッと顔をあげた

「妹さん・・・適合したよ。だからこれから移植に向けての治療だからね」

そう言って田崎先生は笑った

奇跡が・・・起こった


それから治療が始まり

無菌室生活の日々が続いたけど

苦にならなかった

だって

明日がくるってわかったから

希望があるって知ったから・・・

―――

そして

骨髄移植を受け

私は今こうして

彩ちゃんの隣に居る・・・



なぁ、おばあちゃん

やっぱり

おばあちゃんが助けてくれたんかな?

約束守らせてくれるために・・・

私はお墓を見つめる

お父さんと美沙紀ちゃんが来た日は・・・

おばあちゃんの49日の日だった

お墓に入る前に・・・

最後に

私に生きる希望を与えてくれたような気がした

「ありがとう・・・」

私はフッと笑った


「ん?なんかゆうたか?」

私の呟く声に

彩ちゃんは反応し首をかしげた

「ううん、なんでもない。じゃあ、かえろっか」

「島田のお好み焼きは?」

「んーそれは晩。なんか家に帰りたくなっちゃった」

そういって、私はまた彩ちゃんの腕に抱きつく

「な・・・」

彩ちゃんはまた顔を赤らめていた

ええやん

私、返事ずーっと待ってたんやから

これくらいしたって


「いこっ」

「・・・おう」

私らはまた歩き出した

「・・・えへへ」

いつもと何ら変わらない風景なのに

今はすべてが違って見えて

幸せな気持ちだった


あ・・・せや・・・

おばあちゃん

1つ謝まっとかなあかんわ

彩ちゃんと友達として一緒におるっていうんは出来んくなってん

でも・・・ええよな

友達よりも、もっと近い距離でおるから

これから先もずっと・・・

どんなことがあっても

2人なら乗り越えて行ける気がするから

だから

私らはずっと一緒におるよ・・・


あの家で・・・


ガラガラ・・・

「あ、ちょっと待って」

私は彩ちゃんを制止し

一足先に玄関に入って振り向いた


「おかえり」


「・・・ただいま」


あぁ、やっぱり・・・

傍におれるって

幸せや



――FIN――

今、話したい誰かがいる39 終

それから

1年が経ち――

そして・・・春が来た


「はい、これ献血してくれたお礼」

そういっておばちゃんの看護師さんは私にジュースを差し出した

「あ、ありがとうございます」

そういってぺこっと頭を下げる

「若いのに感心ねー。うちの息子も見習ってほしいわ」

そういって豪快に笑う

「あはは・・・」

私は苦笑いをして

その場を後にした


献血を終えた私は

花屋で菊の花を買い

また歩き出す

「あーあかん・・・抜きすぎた」

くらっとするめまいのようなものに襲われ

私はふらふらと家の外壁に寄りかかる

すこし先にはいつもの公園・・・

とりあえずあそこで休もう・・・

そう思い

よろよろと歩を進めた

私は公園のベンチに座り

回復を待つ

「あー・・・だいぶマシになってきた・・・」

そう呟いて

空を見上げた

視界の端には桜の木が見える

いいアングルだ・・・


「・・・」


美優紀が白血病になったと知ってから

私は献血に行くようになっていた

B型やし

回りまわって美優紀に使われるかもしれん・・・

そんなことを思ってた

で、今はもう献血車を見ると習慣でしてしまうようになっていた

まぁ・・・もう美優紀に使われることはないけど

どっかの誰かのためになるんならええかなーなんて思ってる

ちなみにドナー登録もしている

今のところまだ何の連絡もないから

それだけ適合するのが難しいということがわかる


「・・・」

私は視線を戻し

目の前にあるシーソーを見つめる

小さい頃の私らがシーソーに乗っている姿をぼんやりと思い出す


私はスッと立ち上がり

シーソーに近づく


「あーやっぱり!ここにおった!」


その声で私は振り返る


「美優紀」


そこには腰に手を当てて頬を膨らます

美優紀が居た

「もー花買ってくるってゆうてからどんだけかかってんの」

美優紀はつかつかと私の方に歩み寄る

「あーすまん、すまん」

私は苦笑いをする

「もー。罰として島田のお好み焼きおごってな」

「いやいや。献血してたねん。献血。善良な市民に飯奢らす気か?」

私は服をめくり肘にある絆創膏を見せる

「あ、ほんまや。でも、ええことやけど私を待たせてたんに変わりはないもん」

そういって美優紀はぷいっとそっぽを向く

「機嫌直せや」

「引っ越し屋さん、もう来て荷物置いてったで」

「げ・・・もうそんな時間か?」

私は公園の高いポール上にある時計を見る

「さっき来てん。予定より早く着いてしもたって。せやから来てから一緒に花買いに行こうってゆうたのに」

「あー・・・そうなんや。すまんなぁ」

私は苦笑いをする

「結局、私が全部したんやから」

美優紀はじろっと私の方を見る

「・・・」

あーあ

もう、こりゃ奢らな機嫌は直らんな




あの日

美優紀は大阪の病院で本当に危なかった

でも、奇跡的に回復して

無事、東京に戻った

そして

もうひとつ

奇跡が起きた

美優紀のドナーが見つかったのだ

その人は

美優紀の妹だった

といっても

母親は違うけど・・・

どうやら美優紀の親の離婚の原因は

父親の不倫だったらしく

しかも子供が出来ていたらしい

だから『大人の事情』だったのだと後からおもったりもした・・・

大阪に美優紀が居ると聞いて

大阪に住んでいた父親は会いに来たらしい

その時に、美優紀の妹も会いに来てて

ドナーになると言ってくれたそうだ


美優紀は『私、妹おったんやでー。ええやろー』とかゆうて、のん気に笑ってた

今も時々、妹とは会っているらしい

その神経に私はただただ感服していた


東京に戻ってからは

骨髄移植に向けての治療が開始され

無事、移植が終わった

最近行われた移植1年後の検査でも問題なし

美優紀は完治したのだ


私は美優紀が完治したら

決めていることがあった

それは

大阪に帰ることだった

美優紀の骨髄移植の際に

田崎先生はうちの新薬を使ってくれたから

営業で契約をとりつけた私と先輩は

社長からえらく評価されたらしく

異動についても希望もすんなりと聞いてくれた

あの家は、ばあちゃんとじいちゃんの思い出も詰まってるし

仁おっちゃんも1時間かけて掃除しにきてもらうんもええ加減悪いしな・・・



美優紀に大阪に戻ると言ったら

美優紀はついてくると言い出した

田崎先生も快く大阪の病院への紹介状を書いてくれたらしい

美優紀のおばちゃんも『美優紀の好きなようにしたらええよ』といって

了承してくれた

おばちゃんは、しばらく東京に残ってこれからどうするかゆっくり考えるらしい

そんなこんなで

今日、私は美優紀と大阪に帰ってきた


家で引っ越し業者を待っていたけれど

待ってる時間が長くて

落ち着かなくて

外に出てしまったのだ

献血をしてしまったのは予定外だったけど・・・


まぁどうしてそんなに落ち着かなかったのかは理由があって・・・

って・・・

菊の花やもってたら微妙やな・・・

私はきょろきょろとあたりを見渡し

シーソーの上がっている方に花束を置く

そして

美優紀を見つめた


あぁ・・・どうせなら洒落た花束も買っとくんやった・・・


美優紀に好きだと言われていたけれど

結局、私は返事をしていないままだった

『元気になったら言う』

そう言ったきりだった・・・

大阪に行くと決めた時に

『一緒に住まへんか?』って言うつもりだったのに

美優紀が先に『一緒に住む』って言ったもんだから

美優紀のペースになって

ムキになって

言うタイミングを完全に逃してしまっていた


でも

今日こそ決めるで

もう1年以上・・・

いや・・・

好きだと気づいたあの日から・・・

ずっと・・・待たせてごめんな

「なぁ、美優紀」

「ん?」

「美優紀が元気になったら・・・言いたかったことがあるんや」

「うん・・・」

「あのな―――」

ビュゥゥゥ・・・

その時

私の台詞と同時に

春風が吹いた

「・・・っ!」

桜の花びらが舞い散る中

美優紀は目に涙をため

勢いよく抱きついてきた


私は

ぎゅっと抱きしめる

今、美優紀がここに居る幸せをかみしめながら・・・




花束が風で揺れ

かすかに

シーソーが動いた・・・







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