チュンチュン・・・

そして、朝が来た

カラカラカラ・・・

マンションのドアを開け、こそこそとする人影が一人・・・

「ちょっとみなみ!」

「!!」

その声で人影はびくっと身をのけぞった

そう、正体は高橋みなみだったのだ

ここは、前田と2人で暮らしてくマンション

ちなみに、宮澤、篠田たちも階は違うが同じ場所に住んでいる

「家まで窓から出入りしなくてもいいでしょ!?それに、どこいって・・・」

つかつかと高橋の方に前田は歩を進めるが

「くさっ!」

思わずのけぞった

「あ、あはは・・・ただいまー」

高橋は苦笑いをする

「どこいってたのよ。もう、はやくお風呂入って」

鼻を指でつまみながら前田は言う

「わかってるよー。だから起こさないように窓から入ったのに・・・あーあ」

高橋は肩を落としながら移動する

「で、どこいってたのよ」

「夢の島」

「え?」

「夢の島に、大事な宝物を探しに・・・ね」

そういって、高橋はニヤッと笑った


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サッ・・・サッ・・・・

店の前を美優紀の祖母が箒で掃いていた

トトトッ

目の端に黒いものがうつり

祖母は視線を向ける

「おや、サヤどこ行ってたんだい」

店に入ろうとする前に声をかけられ、サヤはぴくっと止まる

「・・・おや。何くわえてるんだい?」

そういって、祖母は近づき

「あら・・・」

トトトッ

サヤはぷいっとそっぽを向いて中に入ってしまった

「あの子・・・昨日のこと、どこかで見てたのかねぇ」

そういって、祖母はくすっと笑った


「おい」

「ん?」

眠っていた美優紀は体の重みで目を覚ます

ぼんやりと開けた目には黒猫が移っていた

「もう、ほったりすんなよ」

「え?」

そう言って、胸に何か白いものを置いて去っていった

「何?」

美優紀は訳が分からずその白いものを手にする

「あ・・・」

それはプリクラだった

以前、サヤカが見つけて勢い任せに捨ててしまった・・・

「サヤカちゃん・・・これ・・・見つけてくれたんや」

美優紀は微笑んだ

が・・・

「ん・・・くさっ」

布団から生ごみの匂いがするのだ

「あーーーー!」

美優紀は先ほどサヤカが布団の上にのっていたことを思い出す

「な、なに?」

下で寝ていた吉田もその声に驚いて飛び起きた

「くさいねん」

「は?」

「サヤカちゃんがくさいねん」

「どういうこと?」

「サヤカちゃん、ここではサヤっていう猫でくらしてるんやけど・・・さっき布団の上に乗ってきてん。で、出て行ったあとくさかったねん」

「え?ほんまに?猫とかなれるん?すごいなぁ」

そういって、吉田は布団の匂いを嗅ぐ

「うわっ、生ごみくさっ!」

「やろー?でも、きっとこれを探してくれててん」

美優紀の手には大阪時代に2人で撮ったプリクラがあった

「これって・・・」

「アカリンが来る前に、サヤカちゃんがみつけて私勢いに任せてほってしもたん・・・それを・・・探してきてくれたんや」

「ふーん・・・ええとこあるやん」

吉田は自分のカバンをごそごそとあさり

「私も、ちゃんともってるで」

そういって、手帳を見せた

そこには同じプリくクラが張られていた

「アカリン・・・」

「じゃあ、お礼せなな」

「え?」

「その前に・・・」

吉田はニヤッと笑った


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「お、おい!なにすんねん!」

風呂場で声を殺しながらサヤが言う

「あかん、動かんといて。くさいんやから」

「そうそう、きれいにせななー」

2人はシャンプーとシャワーヘッドを持ち

にやにやと近づく

「う・・・うわぁぁぁぁぁ」

ガタン!バタン!

「おやおや、元気だねぇ」

風呂場の方から聞こえる音を聞きながら祖母は店で微笑んでいた