そして、ライブ当日


私は卒業することを告げた


お客さんの悲しむ顔、応援してるって叫ぶ声、拍手・・・

こんなにも目で、耳で、体で・・・お客さんたちの入り混じった感情を感じた日はなかった


でも、なんか言えてすっきりした


ーーー


「さやねぇ!」

公演が終わると美瑠たちが目に涙をためながら抱きついてきた

「ごめんな。言ってなくて。でも、美瑠なら大丈夫やから」

頭をなでながらなだめる

「「さやかさん!」」

他のメンバーたちも目に涙をためながら私の方を見つめていた

「みんな・・・」

「ちょっと。私にも何にも言わんってどういうこと」

そこに吉田がつかつかと割り込んできた

目には涙がたまっている

「だって、言ったら顔に出るやん」

「そうやけど・・・でも・・・」

吉田はぐっと唇をかみしめる

「っ!・・・さやかの・・・あほっ!」

そういって吉田も抱き着いてきた

「さやかさん!」

他のメンバーも次々に抱き着いてくる

「ちょ・・・ちょっとまてぇ」

苦笑いしながらそれを受け止めていた

ーーー

メンバーをなだめながら、これからのこと、NMBのことについて話し

メンバーを楽屋へ戻るよう促した

「さて・・・と」

キャプテンとして今日やるべきことはやったかな・・・

そう思いぐっと伸びをして、開放感に浸る

「彩」

「ん?」

吉田の声に振り返る

「まさか・・・みるきーにもこのこと黙ってたん?」

「え・・・まぁ・・・」

「あーあ。しらんで」

普段よりワントーン低い声で吉田がニヤッと笑った

「え・・・」

その顔に嫌な予感がした