「え・・・」

携帯のニュースに『速報!山本彩卒業発表』と書かれた記事を見て

私、渡辺美優紀は固まっていた

私全然聞いてないんやけど

と、言いながら私自身彩ちゃんに何にも言ってなかったから人のことは言えんか・・・

「・・・あほっ!」

自分にも非があるけど、なんかむしゃくしゃして携帯をソファーのクッションに向かって投げる

トン・・・

クッションに跳ね返りスマホ画面が上を向き

卒業の文字が強調されるように映る

「・・・あーもう!」

私はソファーに突っ伏す

2年前、何も言わずにNMBを去っていった

でも、それは彩ちゃんの近くにいるのがつらくて

自分が何をしたいのかわからなかったから

でも、お互いの気持ちを知って

なんか、離れてても大丈夫って思った

きっと、彩ちゃんは変わらず思ってくれるから・・・

変な自信があった

卒業後すぐは海外に行ったりして随分と気持ちが落ち着いた

仕事、どうしよう・・・

そう思い、昔の夢だった助産師を考え、オープンキャンパスにもこっそり行ったりした

でも・・・

「あれ、みるきーやない?」

「え?ほんま?」

そんな声が方々から上がり、人だかりができてしまい

「校内での騒ぎは困ります」

と、冷たく言われそれ以来大学や人が多いところに行くのを避けるようになった

・・・やっぱり、芸能人として出てしまった以上一般人に戻るのは難しいんかな

そんなことを日に日に考え

テレビで歌って踊る彩ちゃんを見ると、一緒にいた時とはまた違った感情が沸いた

あの時は、近いのに遠かった

でも・・・今は・・・

「本当に・・・遠い」

そうつぶやいた私の頬には一筋の涙がつたっていた