1期生の集まりに私は参加しないことにした

芸能界復帰ということもあり、いろいろと立て込んでいたというのもあるけど・・・

彩ちゃんの話をみんなとしてたら泣いてしまいそうだったから・・・

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話は数日前にさかのぼる



なかなか返事をせずにしびれを切らしたのか

里香ちゃんから電話がかかってきた

『参加できそう?』

『ううん、ごめん』

『そうかぁー復帰とかで忙しいかぁ』

『うん・・・まぁ・・・ね』

『・・・もしかして、彩となんかあった?』

『え・・・』

『その反応はあったんやな。おうたん?』

里香ちゃん、鋭すぎ

『うん、実はボイトレのスタジオ一緒やって、駅で偶然会ったんよ。それで、お茶してたんやけど急に彩ちゃん機嫌わるくなって・・・』

『まじか・・・うわぁ。で、彩からそのあと連絡きてんの?』

『ううん。きっと私がなんも言わずに復帰宣言したからかなぁ。なんかそんな感じの口調やったし』

『そっか。でも、卒業コンサートには参加するつもりなんやろ?』

『うん、そのつもりやで』

『わかった。みるきー私らで彩へのサプライズは考えとくから、協力してくれる?』

『うん、もちろん』

そういって、電話は切れた

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そして、今私は復帰準備の真っ最中だ

あわただしい方が、何も考えなくて済むからちょうどいい

でも、『僕はいない』の練習もしなきゃいけないから

その時は、鏡にうつる自分の隣に

彩ちゃんがふと見えてしまう時がある・・・

はぁ、こんなんで本番いけるんかなぁ・・・

ーーー

某日、大阪のとあるカフェにて・・・

岸野はソファーに座り、スマホを片手にきょろきょろとあたりを見渡していた

今日は打ち合わせの日なのだ

カフェの2階を貸し切っており、幹事の岸野は早めに到着していたという訳だ

「わー久しぶりー」

「りかにゃーん」

1期生のメンバーが続々と集まってきた

もちろん、全員参加という訳ではない

「みんな久しぶりー。座って座って」

岸野はメンバーを促しながら

「これ、寄せ書きのやつなー。コメントよろしく」

手際よく説明し、ペンを渡していく

みんなワイワイと話しながら、近況を話し合う

彩が卒業するときは必ず駆けつける

みんな言わずとも思っていたことだと、岸野は感じていた

そして

「りかちゃーん」

小谷・・・もとい三秋里歩が大きく手を振ってやってきた

その後ろにはまーちゅんもいた

「おー里歩ー、まーちゅんひさしぶりー」

岸野も手を振り、迎え入れる

「俺らがんばるでー」

「私久しぶりやから今レッスンつらいー」

ちなみにゆっぴは今日は来られなかったらしい

「ちょ、里歩、まーちゅん。実は話しあんねん」

岸野はちょいちょいと手招きをし、2人を端に呼ぶ

「なに?どないしたん?」

「彩がまたやらかした」

「はぁ?」

「どうやらみるきーと喧嘩したらしいわ」

「まじか・・・」

「彩、全然素直やないな」

小谷と小笠原はため息をついた

もちろん彩がみるきーのことを好きだというのは言わずと知れていることである

「みるきーの卒業の時はうまくいってたと思ったんやけどなぁ。でも、まじめに恋愛禁止を守って告白せんかったしな」

「おそろしいほどに真面目やな」

「まぁさやねぇらしいよな」

「で、彩も卒業する今私らがひと肌ぬがないかんと思うねん」

「ええで。どうする?」

小谷はぐっと親指をたてる

「でもどうすんの?」

小笠原がたずねる

と、そこに

「百花ー!」

きゃーっと黄色い声が響く

そこにははにかみながら片手を軽く上げる百花の姿がいた

「なんやますますイケメンやな」

「はーかっこええわぁ」

眉をひそめる小谷とは裏腹に小笠原はきらきらと目を輝かせていた

「百花ーこっちこっち」

岸野は木下を手招きし

「考えてくれた?」

「まぁ、しゃあないな。あの2人世話やけるわ」

木下はぽりぽりと頭を掻きながらいう

「さっすが百花!ありがとうな」

岸野は木下の首に腕を回し、抱き着く

「おぉー産後やから乳がすごい!」

「そやで、2サイズアップやで!」

きゃいきゃいと盛り上がる2人をよこに

「で、どういうことなん?」

小谷が声をかける

岸野は小谷のほうを向き

「まぁ私らが背中押したところで素直にいくとはおもえんから、ここは目には目を恋愛のこじれには恋愛をってな」

「「?」」


首をかしげる小谷と小笠原をよそに

岸野は満面の笑みを浮かべていた