「彩ちゃんのとーなりっ!」

「わっ!」

新幹線の窓側に座っていた私の横に

みるきーが勢いよく腰掛けてきた

「なんや、指原さんとこやなくてええんか?」

私は眉をひそめる

ここ最近、選抜の仕事が忙しい

東京、名古屋、大阪・・・

いろんなところを飛びまわっている

みるきーとはNMBの仕事も一緒だから

新幹線とか、バスとか移動の時は隣になることも多い

だから、こんなときは他のチームの人と座りたいんじゃないんだろうか?

「彩ちゃんは私が隣なん嫌?」

「いや、別に・・・嫌やないで」

「ふーん。知ってる?最近さやみるきーがないって世間が寂しがってんの」

「・・・どないせぇゆうねん」

私はまた、ため息をついた

「こうするん」

「な・・・」

みるきーは私の方に顔を寄せ

カシャ

慣れた手つきで自撮りをする

「えへへー。これ、あげんねん」

みるきーは得意気に画面を見せる

画面には眉をひそめた私とばっちり決め顔のみるきーが写っていた

「へいへい、おすきにどーぞ」

私はそういって寝る体制に入る

後ろでは他の選抜メンバーの話声が聞こえる

いいBGMだ・・・

「もー彩ちゃんいっつも寝るやん」

「いやいや、移動の時に寝なもたんって。体力回復してんねん」

「アリナミン飲んでるんやろ?」

「ゼロセブンな」

「あはは」

こうやってテンポよく会話ができるのは

関西人として気持ちがいい

私はシートにもたれ

ちらりとみるきーの横顔を見る

嬉しそうに携帯をいじっている・・・

ツイッター更新してるんかな・・・

そういえば・・・みるきーとこうやって隣になるんって実は久しぶりなんちゃん?

選抜同士やけど

お互い仕事別で、現地集合とかが多かったし

なんか、移動ってゆーたらみるきーが隣みたいなとこあったから

すっかり忘れてた・・・


『彩ちゃんのとーなりっ!』


みるきーが嬉しそうに座ってきたのを思い出して

クスッと笑ってしまった

ホントは、隣になりたくて

椅子取りゲームみたいに勢いよく私のところ目指してきてくれたんちゃうか・・・?

なんや

そんなん

めっちゃかわええやん


「なに?」

みるきーが私の視線に

首をかしげる

「なんでもない。世間のさやみるきーファンの反応が楽しみやな」

「うんっ」

そういってみるきーはニコッと笑った


あぁ・・・あかんなぁ・・・

めっちゃ好きやわ・・・


その笑顔にすべてをもっていかれた

いや・・・前から・・・

私の気持ちはみるきーに奪われている

ツーショットの写真が減ったのは

お互い忙しくなったっていうんもあるけど

単純に・・・照れくさかったから

ドキドキして・・・

顔が赤いんばれるんちゃうんかとか

そんなん思ったら

撮れるもんも撮れんくなった

正直、雑誌の撮影は大変だ・・・


「・・・」

そんなことを思っていたら

みるきーがうとうとし始めた

おいおい、人にはすぐ寝るやんとか言うくせに

自分の方が先寝始めてるやん

私は心の中で突っ込みをいれながら

みるきーの顔を見る


好きや・・・

そう言えたら、楽なんかな?

でも・・・NMBのツートップとして走り続けた2人は

知らない間にライバルに見られるようになった

支え合える存在・・・

本当のところはそんな関係

性格も全く違うのに・・・

惹かれるのはどうしてなんだろう・・・

こうやって隣に来てくれたから

もしかしたらみるきーも・・・って

それは、惚れた奴のいい解釈でしかないか・・・


そう思っていたら

新幹線の振動で徐々にみるきーの身体が傾き

トン・・・

私の肩に頭を乗せる

「・・・」

甘い香水の香り・・・

私の・・・好きなにおい

今は

こんな関係が一番ええんかもな


私はそっとみるきーの頭に顔を寄せる


ええねん

私、今、寝てんねん


そう自分に言い訳しながら・・・



――END――