病院を出て

街道を玲奈と中西は走る

「あー駄目だっ!」

信号が赤に変わり

2人の勢いを止めた

「あーもう・・・」

中西は肩で息をしながら

信号が変わるのを今か今かと待っていた

「はぁ・・・はぁ・・・」

玲奈はその横で息を整えていた

ふと横を見ると

信号待ちをしているのに

後ろを向いている人がいた

玲奈はその人の視線を追い

振りかえる

そこには商店街の入り口にある電気屋があった

何台ものテレビが街道の方に向けられ、いろいろな番組が映されていた

信号待ちの時間つぶしになるのか

玲奈の隣にいた人以外にも

画面を見ている人が多くいた

「あ・・・」

玲奈はその中のひときわ大きいテレビだけ

皆の視線が集まっていることに気づく

そのテレビには野球のグラウンドが映し出されていた

そして

マウンドにいるピッチャーが

スッと構える

「・・・」

その動作に

玲奈は息を飲む


「玲奈ちゃん!ほら、早く!」

「へ?・・・は、はい!」

そのこれに、玲奈は一気に現実に引き戻される

ピッポッ、ピッポッ・・・

ガヤガヤガヤ・・・

引き戻された瞬間、一気に音が耳に入って来て

玲奈はくらっとした

(いけない・・・急がなきゃ)

玲奈はふるふると頭を振り

慌てて人ごみをかき分けながら中西の後を追った


『さぁ、東京リリーガル対神戸ストークスの対決。春のリーグ戦もいよいよ大詰め、これで優勝が決まります』

テレビからは、そんな音声が人ごみにまぎれて聞こえていた