数日後


山本は小谷、横山、上西とで

食堂で昼食をとっていた


「花火大会?」

山本が定食を食べながら言う

「せや、この日曜日京都では有名な花火大会があんねん」

小谷が花火大会のチラシを山本に見せる

「けっこう打ち上げも多いし、みんなで行こうかって話になってん」

その隣で横山も定食を食べながら言う

「私はゆいはんと2人でもええんやけどなー」

横山の隣にいる上西が横山にもたれかかる

「だめ!」

小谷はむっとして横山を自分の方に引き寄せる

「なんやねん!こんなときくらいデートしてもええやろ?」

上西はそういって横山の腕をつかみ自分のほうに引き寄せる

「あかん!なんか不純行為するんみえみえやもん」

「なんやて!そんな軽い女ちゃうわ」

小谷と上西は横山を間にはさみ

言い合いをする

上西は横山に惚れており

大学でもかなりのアプローチをかけているのだ

さすがに由依さまと呼ぶことは横山が拒否したため

ゆいはんで呼び名はおさまっている

ちなみに小谷がルームシェアをしていると知った時の荒れようはひどかったため

横山が渋々1日デートをしたくらいである

「あのー2人とも・・・ご飯食べれんからそれくらいにしてくれんかな」

横山は箸と茶碗をもったまま苦笑いをしていた

(相変わらずやなー・・・)

山本はそんな様子をもぐもぐと口を動かしながら見ていた

小谷と上西の小競り合いはもはや定番になっており

山本も動じなくなっていた


「お待たせー」

そこに渡辺が現れ

山本の隣に座る

「あ、みるきー遅かったやんか」

横山は助かったと、ほっと顔を緩ませる

「うん、ちょっとね」

渡辺はにこっと笑ってごまかす

(ちょっとってなんやねん・・・)

山本はそう思い、ムッとする

「あ、なにこれー?花火?」

渡辺はテーブルに置かれたチラシを手に取る

「せやねん。この日曜にあんねん」

横山が言う

小谷と上西はまだにらみ合ったままだった

「えー行きたーい♪」

渡辺はきらきらとした目をして言う

「みんなで行こうって話してたんや」

山本が言う

「そうなんや。あ、どうせなら剣道部でいける子みんなで行かへん?」

渡辺の提案に

さすがに小谷、上西も横山の腕を引っ張るのをやめ

渡辺の方を見た

「え・・・うん。ええんちゃうんかな?」

小谷が苦笑いをしながら言う

「な、みんなで行った方が楽しいやん。決まりー♪私、男子の方にも声かけて見るね」

渡辺はにこにこと笑う

「え・・・?」

山本は固まる

「さ、私もご飯注文してこよーっと」

渡辺はそういうと財布を持ってその場を離れた

「「「・・・」」」

小谷、横山、上西は無言で山本を見つめる

「な、なんやねん」

その目線が痛くて山本はしどろもどろになる

「こりゃ、完全に捨てられるで」

「そうやなぁ。堂々の男連れてきていい?宣言やもんな」

横山の背中で先ほどまで言い合っていた

小谷と上西がひそひそ話をする

「聞こえてるわ!なんやねん!」

山本がムスっとしてつっこむ

「・・・しっかりしーや。彩」

横山はそう言って冷静に味噌汁を啜っていた