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花火が終わり

2人は横山たちと連絡を取り

待ち合わせ場所に向かった

「・・・ふふっ」

渡辺は胸の奥がくすぐったくなり

歩いている山本の腕にきゅっと抱きつく

そして自分の指にはめられた指輪をみて

にやにやしていた

「にやけすぎて顔おかしいで」

「ええの。だって嬉しいんやもん。やきもちやいてくれたみたいやし」

「なっ・・・別に妬いてへんし」

「えへへー」

ムキになる山本を見て渡辺はにこにこと笑う

「でもなー彩ちゃんが心配してるようなことは全然ないねんで」

「・・・でもずいぶん仲良さそうやったやん」

「ふふっ・・・あれはな・・・」

渡辺がそう言いかけた時

「あっおった。彩、みるきー」

2人の姿をみつけた小谷が手を振る

「もーどこ行っててん。みるきーみんな誘っといて彩と2人でおらんようになるんやから」

小谷は口をとがらせる

「でも、他の女子は佐藤君に夢中やったけどな」

上西も横から言う

「まぁええやん」

横山はふっと笑うと

「なかなかやるやん」

そういって山本の肩を肘でつついた

「なっ・・・」

山本は真っ赤になる

「あーみるきー指輪してるやん」

「ほんまやいつの間に!?」

「えへへーさっきー」

渡辺は小谷と上西に指輪を見せながらにこにこと笑っていた

山本は照れて左手をズボンのポケットに入れるが

小谷と上西の手によって引き剥がされる

「ペアやな」

「えーええなぁ」

「な・・・なんやねん。もうええやろ」

2人にじろじろと見られ山本は照れてしまう

その時

「あーみるきーおったー」

「けいちゃん!」

佐藤が渡辺の姿を見つけてこちらに走ってきた

山本はぐっと身構え

「おい。悪いけど美優紀にこれ以上つきまとわんといてくれるか」

そういってキッと佐藤を睨む

「ちょっ。彩ちゃん・・・」

渡辺は焦る

佐藤はそんな山本を見つめ

「・・・やーだー、みるきーのお相手めっちゃかっこええやーん」

「へ・・・?」

その独特の喋り方に山本の力が抜ける

「もーせやから心配せんでええってゆうたのに・・・」

渡辺はくすっと笑い

佐藤の隣に立つ

「佐藤君はなー心は乙女やねん」

「ごめんなさーい。なんかさっきはいっぱい人がいたから素が出せなくって」

佐藤はてへっと笑う


「は・・・?はぁぁぁっ!?」


山本以外の3人も思わず声を上げる


「けいちゃんどうやったー?」

「ありがとー。みるきーのおかげで連絡先聞けたわー」

「ほんまー?よかったー。わたしもなーこれ見て―」

そういって渡辺は指輪を見せる

「えっ!もしかしてペア?ええなーよかったなーみるきー」

「そうやねん」

2人は手を取り合いきゃっきゃとはしゃぐ


山本はその様子をぽかーんと口をあけて見ていた


渡辺と佐藤は同じ文学部で

渡辺は野生のカンで隠していた佐藤のオネエに気づいたらしい

そこから2人は意気投合し

一緒にいることが多くなったらしい

そして佐藤が剣道部の吉田のことをカッコイイと言って気にいっていたため

渡辺が剣道部員たちを花火に誘い

そこで佐藤と吉田を会わせ仲良くなってもらおうという作戦を立てていたらしいのだ


帰り道に

その説明を聞き

山本はますます力が抜ける

「いらん心配やったみたいやな。彩」

横山が隣で肩をポンと叩く

「もーせやから心配せんでええってゆうたのにー」

渡辺は笑う

「うっさいわ。そういうことははよ言えや」

「だってそんなこと彩ちゃんなんも聞かへんかったやん」

「う・・・」

山本は言葉に詰まる

「やっぱり聞いときゃよかったな」

そういって横山は笑った

「うっさい」

山本はむすっと口をとがらせる

「でもええねん。こうしてやきもちもやいてくれたしー指輪もこうしてプレゼントしてくれたし」

渡辺はにこにこと笑う

「付き合って2年やろ?いままで指輪がなかった方がおかしいねん」

「せやなーペアリングは女子の憧れやもんなー」

上西と小谷はじーっと山本を見つめる

「わるかったな。てか、なんやねん。いつもやいやいゆうとるのに、こんなときは意気投合しやがって」

山本はバツが悪そうに言う

「まぁええやん。でも、みるきーが指輪してるってなったら勝手に失恋する男たちもおるやろなー」

そういって横山は笑った

「えーほんま?」

渡辺は頬に手をあてて笑う

「なにまんざらでもない顔しとんねん」

山本は横目で渡辺を見ながら口をとがらせたのだった