薄明かりの街灯と


三日月に照らされながら


2人はしばらくの間抱きしめ合っていた



「・・・りんちゃん」


ぽつりと宮澤が声を漏らす


「・・・何?」


「・・・好きだ」


「・・・っ」


柏木はぎゅっと力を込める


宮澤もそれにこたえるように抱きしめる



それがYESという合図だと


不思議と理解できた




「・・・りんちゃん」


そっと体を離し


柏木の頬に触れる


「・・・」


宮澤に真剣に見つめられ


柏木は動けなくなっていた


ゆっくりと


2人の距離が縮まり




ピリリリ・・・



「おわっ!」


いきなり宮澤の携帯が鳴り


柏木と宮澤は距離を取る


宮澤はあわてて携帯に出る


「もしもし?」


『もしもし?佐江か』


電話は秋元からだった


「なんだよー才加。こんなタイミングで電話掛けてくるー?」


甘いムードから一気に現実に戻され


宮澤はムスッと口をとがらす


『はぁ・・・やっぱりな』


電話口の秋元の声は呆れていた


「な、何?」


『佐江、今お前勤務中なんだぞ。ごまかせるのもそろそろ限界だから戻ってきてくれ』


「あ、やべっ!」


宮澤はサーっと青ざめる


『その声だとうまくいったってことだろ?悪いが柏木さんとは勤務終わりにもう一回会ってくれ』


「わ、わかった。すぐそっちに向かう」


そういうと宮澤は携帯を切った


「仕事?・・・もしかしてまだ勤務中?ごめんなさい」


宮澤の様子を見て


柏木も申し訳なくなりおろおろとする


「いいんだ。私が追いかけたくて無理言ったから」


そう言って宮澤は笑い


柏木の真正面に立つ



「りんちゃん」



「何?」




「私の彼女になってくれますか?」



そう言って宮澤は両手を広げる


「・・・うんっ」


柏木は宮澤の胸に飛び込む


「やったー!!」


宮澤は柏木を抱き上げ


くるくると回る


「ちょ!ちょっと!佐江ちゃん」


柏木はその行動に驚きつつも


満面の笑みの宮澤を見て微笑んだ


宮澤は柏木を下すと


「素直になれなくてごめん。大好きだよ。出会った時から、惹かれてた・・・」


そういって照れ臭そうに笑う


「うん。私も・・・大好きだよ」


柏木もにこっと笑い


唇を重ねたのだった