気ままな詩人

48グループの創作小説を書いています。じゅりれな、さやみるきーメインになります。SKE、NMBの支店推しです。苦手な方は退室ください。

小説 古柳

君の隣③ 終

高柳は家に帰り


部屋でひとしきり泣いた後


気持ちを落ち着かせ


また


いつものように日々を過ごしていた


「さーみんな張り切っていこー」


レッスンスタジオで高柳は気合を入れる


「おーおー、ちゅりは最近はりきってんなー」


中西は柔軟をしながら横眼で高柳を見る


「そりゃもうすぐナゴドだからねー」


木崎も柔軟をしながら言う


「・・・ふーん」


そんな会話の横で


古川はスポーツドリンクを飲みながら


高柳を見つめていた



――――――


「ふう・・・」


レッスンも終わり


着替え終わった高柳は


静かにロッカーの扉を閉じた


自主練習に没頭し


高柳しか残っていなかった


(体動かしてた方が余計なこと考えなくてすむからいいな・・・)


そんなことを思いながら


ロッカールームの扉を開け


静かな廊下を歩き


外に出る



「ちゅーり!」



「え・・・?」



関係者通路で待っていたのは


古川だった


高柳は思わず声を漏らす


「やっぱり、自主練してたんでしょ?」


そういって笑う


「え・・・てか、なんであいりんがいるの・・・?」


高柳は事態が飲み込めていなかった


古川は仕事で途中からレッスンを抜けていたのだ


「最近2人でゆっくり話してないとおもってね」


「う、うん・・・」


「だから、来ちゃった」


そういって古川は笑った


「あいりん・・・」


高柳は胸がきゅんとして


じんわりと心が温かくなるのを感じていた


「遅いけどご飯行こうよ。とりあえず歩きながら決めよう」


「う、うん」


高柳は古川の方に小走りにかけより


並んで歩き始めた


「・・・ぶえっくし!」


古川はくしゃみをして鼻をすする


「あいりん!風邪ひいたんじゃないの?」


高柳はあわてて古川の方を見る


「・・・もしかして、ずっと待っててくれたの?」


「あはは、いやー入館証忘れちゃってさーもう正面玄関も閉まってたし・・・もう少ししたらちゅり出てくるかとおもって」


そういって照れ臭そうに笑った


「だめだよ!もうすぐナゴドなのに!風邪ひいたらどうするの!?」


高柳は叫ぶ


「・・・ははっ」


古川は笑う


「なに?」


「いや、いつものちゅりだーと思って」


そう言って古川は嬉しそうに笑った


「え・・・?」


「最近なんか様子が変だったからさ。なんて言うか無理してるっていうか・・・頑張ってるっていうか・・・」


「あいりん・・・」


「KⅡのリーダー高柳明音はこうでなきゃね」


そういって高柳の頬を人差し指でつついた


その手はキンキンに冷えていた


「あいりん!手・・・」


「あー今日手袋忘れちゃって」


そう言って苦笑いをする




(・・・あ!)


高柳はハッとし


背負っていたリュックからごそごそと何かを探していた


「ちゅり?」


その様子を不思議そうに古川は見ていた


高柳の動きが止まり


くるっと古川の方を向き


「これっ!」


そういって包装された包みを渡す


「へ?」


「遅くなったけど・・・誕生日プレゼント」


「え?ケーキくれたじゃん?」


「いいから!」


「う、うん。ありがとう、ちゅり」


古川は嬉しそうに包みを開ける


そこには手袋が入っていた


「これ・・・もしかして?」


「・・・私が編んだの」


高柳はうつむき真っ赤になる


付き合ってもいないのに手編みとかもどうなのだと


悶々としていたため


編み終わっていたのに


いつまでたっても渡せずにいたのだ


赤色の手袋で甲には緑の毛糸でKⅡと書かれていた


「おーKⅡって刺繍まで・・・すごいなちゅりは」


ぱっと顔を上げると


そこには嬉しそうに手袋をしている古川の姿があった


「い・・・嫌じゃない?」


高柳はおずおずと聞く


「へ?なんで?」


古川のは不思議そうな顔をする


「え・・・だって・・・」


高柳はもごもごと口ごもっていると


「KⅡの刺繍入りとか最高じゃん」


そういって古川は笑う


「・・・うん。ありがとう」


その姿をみてホッとして高柳も笑った


「・・・ちゅり、手袋は?」


「え?あ、私も忘れてきちゃった」


高柳はぽりぽりと頭を掻く


「・・・じゃあ、はい」


そういって片方の手袋を差し出した


「え・・・でも、あいりんが寒いし」


高柳が迷っていると


「いいから、いいから」


そういって古川は高柳の右手に手袋をはめ


「こうすれば、温かいっしょ!」


高柳の左手を握り


自分のコートのポケットの中に入れた


「あ・・・」


高柳はドキドキして顔が真っ赤になる


「じゃあ、行こうか」


普段そんなことをしないので

古川も少し照れた様子で


歩き出した


「うん・・・」


高柳は


左手から伝わる古川のぬくもりが


とても優しく感じられた


「・・・ねぇあいりん」


「ん?」


「これからも私の隣にいてくれる?」


そうぽつりと漏らす


「何言ってんの?当たり前でしょ、いつだってちゅりの隣にいて支えるよ」


「あいりん・・・」


「なんてったって古柳なんだから」


そういってにこっと笑った


「うん!」


高柳も笑い


古川の腕に抱きつく


「わっ!どーしたちゅり!そんな萌え行動をするなんて!?」


思わぬ行動に古川は照れる


「ふふふ、たまにはいいであろう♪さ、ごはんごはん!」


照れ隠しにふざけながら高柳は笑っていた




きっと古川の発言は友達としてなのだろうけれど





いつかちゃんと想いを伝えれる日がきたら


その時も


隣であなたが笑っていてくれますように



君の隣に


ずっといれますように・・・






FIN


君の隣②

そして


プレゼントを渡すタイミングがないまま


古川の生誕祭がおこなわれ


紅白歌合戦など


バタバタとした日々を送っていた


何度も渡すタイミングは合ったのだが


いざ、渡そうとすると意識してしまい


渡すことができなかったのだ


苦し紛れに


クリスマスに作ったカップケーキを誕生日プレゼントとして渡し


誤魔化していた



1月――――


握手会のイベントで


2次元同好会がコスプレ合わせをしていた


中西は相変わらずのイケメンで


皆キャーキャー言っていた


木崎や都築も可愛さをふりまき


メンバーがより一層はしゃぐ


その中で


「ごめんごめん、髪型こんな具合でどうかなー」


そういって古川がみんなの前に現れる


「あ・・・」


高柳は思わず声を漏らした


金髪眼鏡の制服姿の古川に釘付けになる


「あいりんにあってるー」


そういって古川に近づいたのは松井玲奈だった


「え、そうですか?玲奈さんからそう言ってもらえるなんて嬉しいです」


そういって古川は顔を緩ませる


(なによ・・・デレデレしちゃって・・・)


そんなことを思いながら高柳は少し口をとがらせた


「ちゅりー写真撮ってよー」


そんな気持ちを知らない古川は


にこにこと高柳の方を見る



「あ、うん。わかった」


高柳は必死で笑顔を取り繕い


カメラを構え


ファインダーを覗く



(え・・・?)


高柳はカメラから顔をずらし


2人を見る



「どうしたの?」


古川は不思議そうに首をかしげた


「う、ううん。大丈夫。じゃあ撮るねー」


そういってシャッターを押した



―――――――


その日の握手会の帰り


高柳はとぼとぼと家までの道を歩いていた


「はぁ・・・」


夜空を見上げ漏らしたため息は


白い息とともにゆっくりと消えた



高柳は


首にかけられたカメラを手に取り


古川と玲奈の写真を見る


あの時


ファインダー越しにのぞいた二人は


とても小さく見えた


自分の手には届かないところにいるような気がして


慌ててファインダーから目を離したのだ


いつも隣に居ても


ふざけてばっかで


照れてそんなシリアスなムードにもできない


そんな自分が


今日は歯がゆくて仕方がなかった


いつかは


本当にあいりんは誰かと・・・


私じゃない誰かと


遠くにいってしまうのかな・・・



「・・・しかたないよね。こんな私の隣になんて・・・いつまでも居てくれないよね」


そう呟き


ぽたっ・・・


液晶画面に涙が落ち


古川の笑顔が


虚しくゆがんでいた



君の隣①

季節は12月


もう日付も変わろうかというころ


仕事帰りのロケバスの中で


SKEのメンバーはすやすやと寝息を立てていた


しかし


古川だけはそわそわと携帯を何度も見て


時間を気にしていた


その様子を


高柳は隣で薄眼を開けて見ていた


日付が変わり


古川はきょろきょろとあたりを見回す


が、誰ひとりとして起きてはいなかった


古川は黙って肩を落とし


ため息をつく


(ふふっ・・・)


高柳はそんな様子を横眼で見て


微笑み


「あいりん」


と、口を開いた


「ちゅり。起きてたの?」


「誕生日おめでとう」


そう言ってにこっと笑った


「ちゅりーありがとー」


古川はにこっと笑って抱きついた


「あはは、寝てると思ったー?驚いたでしょー」


そう言いって高柳も抱きしめ返す


「ちゅりだけだよーみんな寝てるんだもん」


「収録長かったから仕方ないよ」


「ま、仕方ないか」


そういって古川は携帯を見る


高柳はドキドキしながら自分の鞄に手を入れ


「あのね・・・」


そう言おうとした時


「はい、もう着くよー起きてー」


そういってマネージャーの大声がバスの中に響き渡り


メンバーがもそもそと起き始めた


「んー・・・あ!今日あいりん誕生日じゃない?」


「おめでとー」


皆、めいめいに声をかける


「みんなありがと―」


古川はバスの中で立ち上がり


手を振る


嬉しそうにはしゃぐ古川の姿を見て


高柳はそっと鞄の中でつかんでいたものを離し


ゆっくりと手を抜いたのだった



―――――


「はぁ・・・」


自宅に帰った高柳は


自分のベッドに倒れこみ


天井を見つめていた


「・・・結局渡せなかったな」


そうぽつりとつぶやく


鞄の中には


古川へのプレゼントが入っていたのだ


バスから降りた後


渡せばよかったのだが


メンバーに囲まれた古川をわざわざ2人きりにできるわけもなく


渡せないまま帰ってきてしまったのだ


「・・・最初にプレゼント渡したかったのにな」


はぁ・・・とため息をつき


手で顔を覆った



高柳明音は


古川愛李に恋しているのだ


同じチームで


いつの間にか古柳とよばれるほどであったが


この恋心に気づいたのは


最近なのである


気づけばいつも隣にいて


支えてくれていた存在


そんな意識すらしていなかったのだが


ある日


古川が「明音」と呼んだ時


胸がドキドキして


顔が赤くなるのを感じた


古川はそんな高柳を見て不思議そうな顔をしていたが


高柳はこの時


古川を恋愛対象として好きなのだと確信したのだ


だが


気持ちを伝えようとはしなかった


してしまうと、今の関係が壊れてしまうのが怖かったから


このままずっと


あいりんの隣でいれればそれでいい・・・


そんなことを自分に言い聞かせていた




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